
安倍晋三前首相が主催した「桜を見る会」の前夜祭をめぐり、ここにきて東京地検特捜部の活動が活発になってきた。読売新聞インターネット版は23日、記事『【独自】安倍前首相の公設秘書ら、東京地検が任意聴取…「桜を見る会」』でこの動きをいち早くスクープ。翌24日にも記事『【独自】安倍氏側が5年間で800万円超を補填か…「桜」前夜祭、ホテル側が差額受領の領収書』を公開した。他社の追随を許さないほど、地検特捜部と関係の深い読売新聞が連日スクープしていることを鑑み、自民党関係者からは「特捜は本気なのか?」「まさか、すっかり自由な気分を満喫して油断している安倍昭恵さんに任意聴取しないよね?」という懸念の声も聞かれ始めている。
読売は24日付記事で、次のように報じた。
「『桜を見る会』の前夜祭を巡り、会場のホテル側に支払われた総額が、昨年までの5年間に計約2300万円に上ったのに対し、参加者からの会費徴収額は計1400万円余りにとどまっていた疑いのあることが関係者の話でわかった。東京地検特捜部は、差額の計800万円超を安倍氏側が補填していた可能性があるとみて、捜査している」
そのうえで地検特捜部は、安倍氏の公設第1秘書や私設秘書のほか、地元の支援者ら少なくとも20人以上から任意で事情を聞いているという。
自民党関係者は次のように語る。
「23日の時点では、『地検特捜部は任意聴取などで不起訴方向の証拠を集めているんだろう。立件した上で不起訴処分にしようとしているんじゃないか』との見方が大勢でした。ところが特捜が24日にも読売を使ってこれほどリークするということは、本気度がうかがえます。国民がこの問題にまだ関心があるかどうかを見極める観測気球なのでしょうか。いずれにせよ不気味な動きです」
私人を満喫する昭恵夫人の「綻び」を懸念
元首相官邸関係者は一連の捜査が元首相夫人の安倍昭恵氏へ波及することを危惧する。
「私人になった昭恵さんは、自身が経営に関与する居酒屋『UZU』に足しげく通って、水を得た魚のように積極的に人脈を広げ続けていますよ。『(公の目があって)これまでできなかったことをやりたい』ということで、いろんな方面にチャンレジしたいらしく、一部報道でも触れられていましたがYouTuberデビューなども本気で検討し、情報発信していきたいようです……。
新型コロナウイルス感染症の影響で、苦境に陥っている飲食業界に携わる人間のひとりとして『Go To』関連事業の継続推進を西村康稔経済再生担当相の関係者に具申しているとも聞きます。『Go Toトラベル』の一部地域見直しが世論で騒がれている中、すっかりご自身が渦中の人物のひとりであることを忘れられているようです。今回の件で捜査が及び、再び注目を集めることで舌禍事件を引き起こさないか非常に不安です」