新宿歌舞伎町が存続の危機…空きテナント続出で中国企業の買収加速、猥雑な魅力消失もの画像1
新宿歌舞伎町一番街(「Wikipedia」より)

「東洋一の歓楽街」と呼ばれ、時代が変わっても賑わいを保っていた新宿歌舞伎町に異変が生じている。コロナ禍で客足が途絶え、潰れていく個人経営の飲食店は後を絶たず、TSUTAYAやヤマダ電機などの大型チェーン店も次々と撤退。街を訪れる人は激減し、ついに“空きテナント”が増え始めているのだ。

 この歌舞伎町の惨状は、アフターコロナの繁華街がたどる先行モデルとなってしまうのか。経済評論家でフューチャリストの鈴木貴博氏に、歌舞伎町の行く末を占ってもらった。

 かつては「眠らない街」という異名に違わず、四六時中たくさんの人で賑わっていた歌舞伎町エリア。新型コロナウイルスの感染拡大が本格化した2020年4月以降、まず外国人観光客が消え、さらにクラスター発生源として「夜の街」が挙げられたことで、日本人の常連客もいなくなった。そして、緊急事態宣言により一般の飲食店や映画館などを利用していた若者たちも寄り付かなくなり、街はすっかり閑古鳥が鳴いている。

 靖国通りから新宿東宝ビルに向かって延びるセントラルロードでは、懐手をした客引きやスカウトが所在なさげにしており、20時を過ぎると飲食店はおろか、時短営業で閉めてしまうコンビニもチラホラ。まったく活気がないシャッター街と化しており、いくつかの店先には「閉店のおしらせ」の張り紙があり、次のテナントが決まった様子もない。

「コロナ以前も決して景気は良くありませんでしたが、国内における数少ない成長産業であったインバウンドが歌舞伎町の経済を支えていました。しかし、2020年は前年比95%減という目も当てられない落ち込み方で、外国人観光客向けにシフトしていた飲食店やドラッグストア、それにホテルなどは危機的状況に追い込まれています。さらに、感染拡大の元凶として歌舞伎町エリアそのものが危険というイメージがメディアによって流布され、日本人客も寄り付かなくなった。歌舞伎町から賑わいが失われた背景には、このダブルパンチが深く影響しています」(鈴木氏)

歌舞伎町の空き物件を狙う中国企業

 感染拡大の収束が見えない以上、歌舞伎町では今後も空きテナントが増えると予測されている。鈴木氏によると、ガラ空きとなった歌舞伎町の優良物件を中国の企業が虎視淡々と狙っているという。

「歌舞伎町は土地の所有権が複雑にからみ合っており、大規模な開発が困難な街として知られています。しかし、2003年に石原都政による『歌舞伎町浄化政策』が行われて以降は、土地権利に強い影響力を持っていた勢力が[a1] 弱まり、かつてに比べて投資がしやすくなった。この潮流に目をつけたのが、中国企業です。ここ20年ほど歌舞伎町には中国資本の店が増え続けており、その勢いのまま、コロナ禍で大量発生した空き物件の買収を進めていくと予測できます」(同)

 日本の企業が歌舞伎町から撤退する流れが加速し、中国資本の店舗が増えていくと、街の風景はより猥雑さを増してしまいそうだが、鈴木氏は「まったく逆で、従来の歌舞伎町が持っていたゴチャゴチャした雰囲気やいかがわしさが消え、クリーンで整然としたイメージに生まれ変わる」と予測する。

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