
「家づくり」――高い買い物だと言われているからこそ、失敗したくないという思いは強くなる。妥協をしたくないのであれば、「お任せ」ではなく、自ら情報を手に入れるよう動いていく必要があるだろう。
静岡県磐田市を拠点に展開する平松建築代表取締役社長の平松明展氏は、その著書『お金が貯まる家3.0』(カナリアコミュニケーションズ刊)の中で、「ライフプラン」の重要性を訴えて、資産形成にも大きく影響する「住んでお得」な令和の家づくりを提案する。
「令和の家づくり」とは一体どういうものなのか。そして、「住んでお得」の意味とは? 平松氏にお話をうかがった。
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。
■「家づくり」は人生勉強。建てる目的をしっかり考えよう
――これから家を建てようと思っている方は、どういうところに注意を払うべきだと思いますか?
平松:まずは、自分は何のために家を建てるのかという目的を設定することですね。家を建てるときって、どのハウスメーカーで建てようかとか、どういう工法にしようかということだけを考えてしまいがちなんですけど、それって本当は家を建てるための手段なんです。
私は目的さえ叶えることができれば、家づくりの手段は何でもいいと思います。ライフプランを立てて、こういう人生を送りながら自分も家族も豊かになっていく。それが次世代へとつながっていく。そうやって目的を設定した上で、そこから逆算して手段を選んでいくという話だと思うので。
だから、まずは「なぜ家を建てるのか」という問いをしっかり考えたうえで会社や工法を選んでいくことが、後悔しない家づくりにつながっていくのではないかと思いますね。
――こうした家づくりにおいて、ライフプランをしっかり考えて要望をきちんと伝えてくるお客様はいるのでしょうか。それとも、設計事務所やハウスメーカーに最初からお任せというお客様が多いのでしょうか?
平松:弊社の場合は、しっかり考えてくるお客様が多いです。普段からそういう情報発信をしていますから。ただ、一般的には、そこまでライフプランを考えずに家を建てようとしている人の方が多いと思いますね。月の返済額を見て、このくらいだったら買おうかなとか。
購入したらその家にずっと住むわけですから、時間と手間をかけて勉強したり、十分に検討したりということは本当に必要です。家づくりほど、人生勉強になるものはないと思います。
――これまで100軒以上の家を手掛けられてきた中で、家づくりに成功している人の共通点ってありますか?
平松:繰り返しになりますが、目的設定をちゃんとしている方は成功しています。
――では、逆に失敗してしまう人の共通点はありますか?