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小谷寿美子「薬剤師が教える薬のホント」

高額品は不要?サプリメント専門家が勧める、月3千円以下で効果抜群の“ガチ”サプリ

文=小谷寿美子/薬剤師
高額品は不要?サプリメント専門家が勧める、月3千円以下で効果抜群の“ガチ”サプリの画像1
「Getty Images」より

サプリメントは専門家から買うべき

 みなさん、健康食品やサプリメントと呼ばれるものを飲んでいますか? 「食品だから安全」と勧められたり、テレビを見て「効きそう」と思って始める人がいると思います。

 私は「NR・サプリメントアドバイザー」という資格を持つ薬剤師です。このサプリメントの資格を取ったのが、2008年のことです。資格を取る以前に友人から勧められたサプリメントを月5万円分も買っていたということがあり、薬剤師なのに何もわかっていないという現実を突き付けられました。そこで猛勉強をしてこの資格を取りました。月5万円も払わなくても、それこそ5000円あればかなりリッチなサプリメントを買うことができ、3000円あればそれなりにいい生活を送れるということがわかったのです。

 しかし、私でさえドラッグストアでサプリメントを紹介する機会はごくまれです。多くの方は「友人の紹介」や「テレビを見て」買っているのです。テレビについてはかなり現場の私たちも振り回されていて、「○○がいい」と紹介された次の日には棚からその商品が消えます。かつてそのテレビ番組は日曜日に放送されていたので、月曜日は毎週恐怖でした。特にひどかったのはCoQ10と葉酸でした。昨年のマスク騒動のように、全然商品が入らなくてお客さんから怒られる日々だったのです。

 そしてそのテレビ番組は終了となり、「過剰な演出と捏造があった」と小さくニュースになっていました。これはどういうことかというと、ウソをテレビで流していて、それをそのまま信じた人がいたということです。専門家は薬局やドラッグストアなど、みなさんのすぐそばにいたにもかかわらずです。

 葉酸はサプリメントで取ったほうがいい成分の一つです。食べ物で取ると消化酵素で葉酸を切り出してから吸収することになりますが、サプリメントではその切り出しの作業が不要なため、効率よく摂取できます。だからといって、誰でも葉酸のサプリメントが必要かというと、そうではありません。

「食品だから安全」もウソ

 友人からの紹介にありがちなのが、「食品だから安全」という言葉です。私もこれにうっかり騙されて月5万円分も買っていたのですから、まさに“キラーワード”です。また、こういった人たちは「天然素材だから安全」といいます。天然素材による毒は無数にあります。みなさんがよく知っているものでいうと「トリカブト」や「ケシ・アヘン」は天然素材ですが猛毒です。

 健康食品による健康被害も毎年報告があります。内閣府の食品安全委員会のサイトには、健康食品による被害情報が開示されています。インターネットで購入したダイエット素材に多いようです。ダイエット素材でなくても、関節痛対策の「グルコサミン」でも肝炎になったという報告が出ています。

「ウコン」による肝機能障害は有名な話です。お酒による二日酔い防止ならウコン以外の方法があります。それは「ハイチオールC」ですが、医薬品で二日酔い防止の効能効果があります。しかもL-システインとビタミンCという安全性が高い成分から構成されています。誰かにアドバイスをするときによくあることなのですが、自分が知っている持ち駒で解決しようとします。薬剤師とそうでない人はこの持ち駒が違うため、アドバイスを求める相手によってみなさんが受ける結果が大きく変わってくるのです。

“ガチ”サプリメントはこれだ

 それでは何を飲んだらいいのか? ということなのですが、もちろん予算との兼ね合いがあります。月1000円程度であれば「ビタミンD」一択です。もちろん私独自の見解ですが、それでもこれを推す理由があります。急性気道性感染症のリスクを減らし、症状の持続時間を短くすることがわかっています。風邪などの急性気道感染症にかかりにくくする、かかってもすぐ治るというのはとても大事なことです。

 その次に紹介するのは「DHA&EPA」です。予算としては月2000円程度です。現代人はとにかく魚を食べません。水産庁の調査によると、魚介類の摂取量は2001年で年40.2kgでしたが、16年では年24.6kgでした。また年代別では、低年齢層では圧倒的に食べていません。16年の20代は1日50.4g、30代は1日53.2g、40代は1日55.7g食べていました。しかし50代は1日67.2gと一気に跳ね上がります。

 魚介類は重要なタンパク源ですが、DHA&EPAといった油分はヒトの体内では合成できないため、こうした食品から摂ることが必要です。医薬品でもDHA&EPAを使ったものがあります。医薬品はイワシなどの青魚から油を精製してDHA&EPAの純度を高めたものです。

 サプリメントは医薬品ほどの精製はせず、DHA&EPAを含む魚油として飲みます。医薬品量では中性脂肪を下げる目的で処方されます。サプリメント量ではその効果は穏やかです。また、中性脂肪以外に、うつ症状にも効果があるという報告があります。また花粉症リスクを下げるといわれていますが、これらについてはもう少し症例を追ったほうがよさそうです。40代以下はとにかく魚介類を食べていないため、サプリメントの形で補充しておくほうが現実的です。

 予算に余裕があれば「アスタキサンチン」を追加してみるとよいです。月3000円程度で買えます。目の血流を改善する効果が報告されています。また、筋肉にも働き運動機能を向上させます。

 どれを選ぶにしても飲みすぎは危険ですので、推奨量を守って効率よく飲んでもらえればと思います。

(文=小谷寿美子/薬剤師)

小谷寿美子/薬剤師、NRサプリメントアドバイザー

小谷寿美子/薬剤師、NRサプリメントアドバイザー

薬剤師。NRサプリメントアドバイザー。薬局界のセカンドオピニオン。明治薬科大学を505人いる学生のなか5位で卒業。薬剤師国家試験を240点中224点という高得点で合格した。
市販薬も調剤も取り扱う、地域密着型の薬局チェーンに入社。社歴は10年以上。
入社1年目にして、市販薬販売コンクールで1位。管理薬剤師として配属された店舗では半年で売り上げを2倍に上げた実績がある。

市販薬、調剤のみならずサプリメントにも詳しい。薬やサプリメントの効かない飲み方、あぶない自己判断に日々、心を痛め、正しい薬の飲み方、飲み合わせを啓蒙中。

Twitter:@kotanisumiko

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