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“感染対策の優等生”パチンコホールで従業員のクラスター発生…現役店長が抱く不安とは?

文=山下辰雄/パチンコライター
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「gettyimages」より

 昨年、新型コロナ感染の危険性が高い場所としてニュースで取り上げられ、批判の対象になるも、後に「実は店内の換気能力が高い」「クラスターはいまだ発生していない」と、評価が180度ひっくり返ったパチンコホール

 しかし、8月2日、愛媛県松山市に本社を置くパチンコホールの複数店舗(いずれも系列店)でクラスターが発生。従業員やその家族、20人以上が感染した。

 感染力が強い“デルタ株”の出現により、1日の新規感染者数が毎日のように最多を更新するなか、パチンコホールも「明日は我が身」と警戒心を強めている。新型コロナの流行から約1年半が経った今、パチンコホールの感染対策はどうなっているのか。都内の中規模店で店長を務めるS氏に話を聞いた。

チェーンならではの“最悪のパターン”とは

「まだ詳しい情報は入ってきていませんが、改めて気を引き締めなければと感じましたね」(S氏)

 愛媛県による「会食・職場クラスター」の発表を受けてS氏に話を聞くと、心なしか声が震えているように感じた。昨年の春から夏にかけては緊張感を持って感染防止対策を徹底していたが、現在はどのような雰囲気なのだろうか。

「緊張感が欠けているとは言いませんが、やはり“慣れ”とでも言いますか、少しおざなりになっている部分はあるかもしれませんね。休憩や昼食の際は黙食だったのが、会話をしながら食べていたり、リモートで行っていた会議が対面式になったり……」(同)

 クラスターの発生がなく、「しっかり対策できている」という自負や安心感が、いつの間にかコロナ以前の行動様式につながってしまったのかもしれない。

「特にチェーン企業の場合、各店舗から人が集まって研修や会議を行ったとき、そこで感染し、各店舗にウイルスを持ち帰ってしまい、複数店舗でクラスターが発生してしまうのが最悪のパターンです」(同)

 パチンコホールの感染対策が周知され、来客数が少しずつ増えてきたことはホール側にとってうれしい半面、感染対策を難しくしている一面もあるという。

「去年はお客様の数が少なく、店員も緊張感を持って各シマに目を光らせていたので、お客様が席を立つたびに、すかさず台の消毒や清掃をしていました。でも、今年になって少しずつお客様の数が増え、特に人気の新台などは次のお客様がすぐに座ってしまう場合があるので、それに気づかず、消毒が不十分なケースもあるかもしれません」(同)

 とはいえ、入店時の検温や消毒、台間の飛沫防止アクリルボード、簡易手袋の配布、景品カウンターの飛沫防止シートなどによる対策に加え、人の手が触れるところに抗ウイルスの「光触媒コーティング」を施しているホールも少なくない。

「換気だけでなく、飲食店と同じように店内の二酸化炭素濃度を計測して、規定値を超えないように管理しているところもあります」(同)

店舗を悩ます加熱式タバコエリアの“危険度”

 商業ビルの換気の頻度は1時間に5回転前後と言われているが、パチンコホールでは1時間に10回転のところもあり、パチンコ業界の感染対策は非常にしっかりしていると感じる。

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