数多くのハンバーガーチェーンがしのぎを削るなか、いまだに抜群の知名度を誇り続けるのが、マクドナルド(以下、マック)だ。赤と黄色の印象的なブランドカラーは誰もが目にしたことがあるだろう。
実際、その店舗数はファストフードチェーン業界でもトップクラスで、2021年の8月末時点で日本全国に2929店舗を有している。それのみならず、2021年の8月12日には、2021年12月期の予想決算における売上高を2995億円から3120億円に修正することを発表するなど、いまだ続くコロナ禍の外食産業においても衰えを見せていない。
これは、昨年の1月から導入された「モバイルーダー」システムをうまくコロナ対策として運用してきたことなどに加え、長らく多くの定番商品がシンプルにファンに愛され続けてきたというファクターも大きいのだろう。
そんな厚いファン層を持つマクドナルドだが、なかには少々買うのをためらってしまうメニューもちらほらある。そこで本記事では、購入前に少し踏みとどまって検討すべき“要注意メニュー”を独断で5つ選び出した。間違いないお買い物の参考にしてもらえれば幸いだ。
ダブルチーズバーガー/340円(税込、以下同)
「ダブルチーズバーガー」といえば、マックの大人気定番商品だ。近年は「ダブチ」の愛称で親しまれるようにもなり、まさに世代を超えて好評を博してきた商品である。
クリーミーな舌触りが特徴的な2枚の濃厚チェダースライスチーズに、これまた2枚の100%ビーフパティ。ケチャップ、オニオン、ピクルスというマックの王道を行く味付けは、クセになる美味しさだ。
チーズやケチャップ、ビーフパティの相性は良い。しかし、ビーフパティなどが少々パサついている印象を覚えてしまうのも、また事実。一方、「モスバーガー」にて380円で販売されている「ダブルチーズバーガー」にはジューシーさがあるため、ハンバーガーにジューシーさを求めている方は、40円高くなってしまうがモスを選んだほうがいいかもしれない。
チキンフィレオ/360円
2004年にレギュラー商品になって以来、好評を博してきた「チキンフィレオ」。ビーフがメインのハンバーガー業界においても、その存在感は決して弱くなく、熱心なファンも多いメニューだ。
サクサクとした食感が心地よいチキンフライとフレッシュなレタスを、トマトソースとマヨネーズが融合したオーロラソースでまとめあげた本品は、食べ応えを感じさせつつも口当たりが重くならないのが印象的。
だが、この商品2013年11月に大幅リニューアルが行われた商品でもある。それ以前はジューシーさが売りの鶏もも肉だったが、現在は淡白な鶏むね肉になったほか、ソースもシンプルなマヨネーズから現在はオーロラソースになっている。
この変更を惜しむファンの声はいまだに多く挙がっており、とりわけチキンフライのジューシーさが減ったと嘆く声は根強い。リニューアル以前のジューシーさを求めている方にはあまりおすすめできないだろう。
スパビー(スパイシービーフバーガー)/200円
2015年より始まった、低価格で手軽に食べられる「おてごろマック」シリーズは、2020年1月より「ちょいマック」と名称を変え、そのラインナップも新しくなった。この「スパビー(スパイシービーフバーガー)」も、そんな「ちょいマック」に属する商品だ。
マック自慢の100%ビーフパティにしゃきしゃきレタス、そこにガーリックの効いたスパイシーなソースが合わさったスパビー。どこか、タバスコやチリソースを多く使う、アメリカ南部のケイジャン料理のような雰囲気を醸し出す。
確かに200円という価格はかなり安く感じるが、少しパサついた印象のバンズや1枚しか入っていないビーフパティは、食べ応えの面では他のラインナップに後れを取る印象。昨今は多くの菓子パンメーカーがクオリティの高いハンバーガーを低価格で提供していることを考えると、200円のコストは少し悩ましく思えることもありそうだ。
スパチキ(スパイシーチキンバーガー)/200円
こちらの「スパチキ(スパイシーチキンバーガー)」も、先の「スパビー」とともに「ちょいマック」にラインナップされた商品。小腹が空いたときにさっと食べられる小ぶりさながら、マックの定番商品「チキンフィレオ」を思わせる味わいで人気を呼んでいる。
サクサクの鶏むね肉を使用したチキンクリスプパティに、しゃきしゃき食感のレタス。そして「スパビー」同様にピリッとした口当たりが印象的な旨辛のスパイシーソースが決め手の一品。
しかし、やはり低価格の商品に通底するバンズのパサパサ加減が気になるという声もネット上で散見される。加えて、揚げたての場合は問題ないが、時間がたってしまうとチキンプリスプパティのサクサク感が失われ、キシキシモサモサとした食感になってしまうのも悩ましいところ。
マックフライポテト(Mサイズ)/280円
マックの定番中の定番であるサイドメニュー「マックフライポテト」。バーガーとこれがセットになっていないと食べた気がしないという人も少なくないだろう。サイズもSからLまで選べるので、単品で頼んで休憩時のおやつとして愛食している人も多い。
アメリカ・カナダ産のじゃがいもを、かなり細くカットしカリッと香ばしく揚げたその食感は、サクサクかつ中はホクホクという絶妙な塩梅。芋感を楽しむ厚切りも多いハンバーガーチェーンのフライドポテト界隈で、ひときわ目立った存在感を放っている。
じゃがいものコクと揚げ油の旨味、そこに振りかけられるシンプルな塩のマリアージュは非常に完成されており、一度食べたら焼きつきになる美味しさなのだが、それは揚げ立てに限ったこと。
マックのポテトは、時間がたつと最大の魅力であるサクサク感が失われ、モソモソパサパサした食感に変わってしまうのだ。この状態で提供されたときの悲しみは計り知れないものがあるため、時間がたったポテトはおすすめとはいえないだろう。
定番商品を維持しつつも常に進歩をやめないマックの姿勢からは、業界のフロントランナーとしての意気込みが感じられるが、すべての商品がそうとはいかないようだ。今回の記事を参考に、失敗のないマックライフを送っていただければ幸いである。
(文・取材=A4studio)
※情報は2021年9月15日現在のものです。