新型コロナウイルスの猛威はいまだ続いており、自粛生活の日々。仕事終わりに外食することも居酒屋でお酒を呑むこともせず、すぐに帰宅するという方が多いはず。そんな背景もあり、現在、“おうち居酒屋”というものが流行していることをご存じだろうか。
自宅で居酒屋のような空気感を味わえるよう、居酒屋のお品書きを作ってみたり、居酒屋で食べるようなおつまみを作ってみたりなど、さまざまな創意工夫を凝らして家呑みを楽しもうという流行だ。そして、そんな“おうち居酒屋”の気分を最大限に高めてくれるおもしろ商品、それが「せんべろメーカー」(実勢価格・税込6000円)である。
“せんべろ”とは、1000円でべろべろに酔える安くて楽しい居酒屋の俗称だが、この「せんべろメーカー」とは一体どのような商品なのだろうか。今回は実際に使用し、忖度なしでレビューさせていただく。
簡単に自宅が居酒屋化
さっそく箱から中身を取り出してみた。箱の中には本体、トレイ、熱燗鍋、とっくり、おちょこ、おでん鍋、焼き鳥網、炙り網、説明書が入っていた。おもちゃっぽい作りかと思いきや、想像よりも一つひとつがしっかりとした本格的な作り。それでいて本体側面に加熱のON・OFFスイッチが付いているのみで、使い方は簡単そうだ。
焼き始める前に、本体の下段へトレイをセット。そのトレイには、凹み部分に収まるくらいの水を張っておく。そうすることで煙が立ちにくく、使用後に洗いやすくなるという。
最初は、呑みの主役である熱燗を温めていくことに。熱燗と同時にミニサイズの炙り網で干物などを焼くことができるので、今回は同時にエイヒレを炙りながら熱燗が温まるのを待った。
本体の上に熱燗鍋と炙り網をセットし、電源を入れる。熱燗鍋に半分ほど水を入れてから、日本酒の入ったとっくりを中に入れる。そして横の炙り網の上にはエイヒレを何枚か置いておき、いい感じの食べごろになるまで炙っていく。
思っていた以上に熱が強かったため、エイヒレはほんの少し炙っただけですぐに焦げ目がつくほどこんがり焼き上がった。一方、熱燗(50℃)にするには、説明書によると温まるまで約12分かかるとのこと。ちなみに少し時間を短くして約9分30秒温めれば、ぬる燗(40℃)になるそうだ。
12分たったところで様子を見てみると、とっくりからは湯気が立ち上っていた。おちょこに注いでグイッと呑んでみると、ちょうどいい温度感に出来上がっており、日本酒の熱さが身に沁みて非常に美味。
続けて、熱燗を楽しみながら「おでん」も作っていく。具は、スーパーマーケットに売られているパックのひとり分のものを購入。おでん鍋を本体の上に載せるのだが、特に固定具などがあるわけではなくただ載せているだけなので、少しグラついてしまうところが不安要素ではある。もう少しカチッとはまってくれるタイプであれば、安全に使うことができるだろう。
大根、卵、ちくわ、こんにゃくなどの「おでんの具」をおでん鍋に投入したのだが、まだまだ容量には余裕があった。食欲旺盛な方であれば具材の量を増やして入れたほうが、満足度は高く得られるだろう。そして、温めること約5分で、鍋から湯気が上り食べごろになった。
食べてみると、大根や卵の中までしっかりと熱が通っており美味しかった。他の具材も、特に冷たいと感じることもなく充分に温められていたため、やはり熱伝導率が高いのだろう。クーラーの効いた部屋で食べる「おでん」がこんなにも美味しいとは思いもしなかった。
最後に焼き鳥を焼いてみる。焼き鳥の場合は、まず焼き鳥網を本体にセットした後、5分程度焼き鳥網を熱しておく。5分たったところで、焼き鳥を網の上に並べていくとジュウジュウと焼き鳥が美味しそうな音を立てた。
焼き鳥網は、6本の焼き鳥がぎりぎり置けるほどの横幅。焼いている最中に、焼き鳥のタレと脂が滴り落ちてくるのだが、先程設置した水を入れたトレイが受け止めてくれるため、テーブルが汚れることはない。また、焼けば焼くほど脂がしっかり落ちてくれるので、ヘルシーに食べることができそうだ。
何度か裏に返しながら焼くこと約5分、こんがりと焼き上がり食べごろに。ねぎま、もも、つくねなど、いろんな焼き鳥を購入してみたが、どれも均等に中まで熱が伝わっており、ぺろっと完食できた。ただあんまり焼きすぎてしまうと焦げてしまうので、5分焼いたらそのまま電源をOFFにすることをおすすめする。
すべて食べ終わってからの片付けも非常にラクで、洗剤でササッと洗うだけで、網の汚れは簡単に落ちてくれた。トレイもあらかじめ水が張ってあったため洗い流す際、非常に便利だった。
ちなみに、今回購入した食材はすべて一般的なスーパーマーケットで買い揃えた。250円の日本酒、400円の焼き鳥盛り合わせ、200円のエイヒレ、200円のおでん、合計で1050円。これらの食材と「せんべろメーカー」をあわせて使うことで、居酒屋で飲むときと同じくらいの満足感と、自分で焼くことで得られるアミューズメント性のワクワク感を得られた。「せんべろメーカー」があれば自宅でのひとり吞みも、ある種のエンターテインメントとして楽しめるだろう。
(文=海老エリカ/A4studio)