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渡辺陽一郎「いちばん詳しい『人気の新車』完全ガイドシリーズ」

日産「ノートオーラ」が上質で買い得なコンパクトカーである、これだけの理由

文=渡辺陽一郎/カーライフ・ジャーナリスト
日産「ノートオーラ」が上質で買い得なコンパクトカーである、これだけの理由の画像1
日産:オーラ [ AURA ] コンパクトカー Webカタログ トップ」より

どんなクルマなのか?

ノートオーラ」は日産のコンパクトカー、ノートの上級車種です。ノートのボディは5ナンバーサイズですが、ノートオーラは外観にボリュームを持たせ、全幅を1735mmに広げて3ナンバー車になりました。内装の質も高められ「小さな高級車」という雰囲気です。

 ベース車のノートと同じくハイブリッドのe-POWERのみを搭載していますが、モーターの最高出力はノートが116馬力なのに対して、ノートオーラは136馬力と強力です。加速性能なども向上させました。

人気を得ている理由

 車内の広さはノートと同じですが、後席まで含めて余裕があります。内装はノートよりも上質で、4名乗車時の動力性能も高めたため、ファミリーカーとしても満足して使えます。安全装備や運転支援機能のプロパイロットも採用され、発売から約3週間後の9月初旬には約1万台を受注しました。

 ちなみに、以前の日産は「ティーダ」や「キューブ」といった車内の上質なコンパクトカーを用意していました。しかし、海外市場を優先させたクルマづくりを進めた結果、これらを廃止しています。ティーダやキューブのユーザーが「今の日産には乗りたいクルマがない」と悩んでいたときに、内外装に高級感のあるコンパクトカーのノートオーラが登場して、売れ行きを伸ばしました。

気になる8つのポイントチェック&星取り採点

(1)居住空間の広さとシートの座り心地

★★★☆☆

 車内の広さは5ナンバーサイズのノートと同じですが、4名乗車も快適です。シートの座り心地も良いです。

(2)荷物の積みやすさとシートアレンジ

★★★☆☆

 シートアレンジは単純ですが、荷室の容量はコンパクトカーとして十分に確保されています。

(3)視界や小回り性能など運転のしやすさ

★★★★☆

 全長はノートと同じです。最小回転半径はノートが4.9m、ノートオーラは5.2mと大回りですが、運転しやすいです。

(4)加速力やカーブを曲がるときの安定性

★★★★☆

 e-POWERではエンジンが発電を行い、モーターが駆動を担当します。加速感はなめらかで、安定性も良いです。

(5)乗り心地と内装の質感などの快適性

★★★★☆

 17インチタイヤの採用で、乗り心地は低速域では少し硬めですが、コンパクトカーとしては快適です。

(6)燃費性能とエコカー減税

★★★★★

 2WDのWLTCモード燃費は27.2km/Lです。ノートXの28.4km/Lには劣りますが、燃料消費量は少ないです。

(7)安全装備の充実度

★★★★☆

 2台先を走る車両も検知できる衝突被害軽減ブレーキなど、安全装備と運転支援機能は充実しています。

(8)価格の割安感

★★★★☆

 Gは261万300円と高いですが、装備も充実します。その金額を差し引いたノートとの実質価格差は約16万円です。

選ぶときに確かめたい3つのメリット

・インパネの上側には布が巻かれ、リラックスできる雰囲気を感じさせます。

・前後席ともに座り心地が柔軟で、後席を含めて居住空間に不満はないです。

・運転感覚は加速がなめらかで、ステアリング操作に対する反応も正確です。

後悔しないための3つの要チェックポイント

・明るいグレーの内装色は、本革シートだけでなく織物の生地にもほしいです。

・時速40km以下の市街地走行では、路上の細かなデコボコを伝えやすいです。

・運転支援機能のプロパイロットは、ほかの装備と一緒に装着されて約40万円です。

こんなユーザーにおすすめ

「快適に移動できる上質なクルマに乗りたいが、ボディは運転しやすいサイズに抑えてほしい」と考えるユーザーにピッタリです。コンパクトで視界が良いため、狭い裏道や駐車場でも運転しやすく、内装は上質でシートの座り心地も快適です。各種の装備を充実させたので、安心して快適に移動できます。

今後のモデルチェンジ予想

 ノートオーラが発売されたのは2021年9月なので(価格などの発表は6月)、当分の間、フルモデルチェンジはしません。しかし、特別仕様車や新しいグレードを追加する可能性はあります。今はグレーの内装は、前述の通り本革シートでないと選べませんが、ツイード調織物のシート生地にもグレーを採用するかもしれません。

最近の販売状況と安く買うための商談方法

 販売店では「ノートオーラは、キューブ、ティーダ、ブルーバードシルフィなどのお客様が購入しており、受注も好調です」といいます。そうなると問題は納期です。今は東南アジア製を中心に、半導体やワイヤーハーネスの供給が滞り、納期が全般的に遅延しています。2021年10月初旬に契約して、納車されるのは2022年3月以降ですから、納期は少なくとも約半年を要します。愛車の車検満了が近付いている場合は、商談を早めに開始しましょう。

リセールバリュー/数年後に売却するときの価値

 設計の新しいハイブリッド車なので、数年後に売却するときの条件も満足できるでしょう。1年間の走行距離が1万kmを超えない通常の使い方なら、3年後の時点で売却額は新車価格の50%前後です。残価設定ローンも含めて、好条件で使えます。

これが結論!/このクルマの総合評価&コメント

★★★★☆

 ノートオーラGの価格は261万300円なので、ノートXに比べると42万3500円高いです。しかし、ノートオーラにはノートがオプション設定している安全装備などが標準装着されています。この金額が約26万円に達するので、ボディサイズの拡大、内外装の上質化、モーター出力の向上などは、価格差の約42万円から装備差の26万円を差し引いた16万円に換算されます。ノートオーラでは質感や運転感覚がかなり向上するので、この対価が16万円なら割安です。

 また、ノートオーラではレザーエディションを8万9100円の上乗せで設定しています。この金額でシート生地が本革に上級化され、後席のセンターアームレストも加わるので買い得です。ノートにも本革シートと後席のセンターアームレストがセットオプションに含まれますが、その正味価格を割り出すと約14万円です。

 つまり、ノートオーラでは本革シートと後席のセンターアームレストをノートよりも約5万円安く装着できるのです。従って、推奨グレードはGレザーエディション(269万9400円)です。

 ちなみに、先代ノートには、ハイブリッドのe-POWERとノーマルエンジンを両方とも用意していました。それが、現行ノートでは開発・生産コストを低減するため、ノーマルエンジンを廃止しています。そうなるとノートの売れ行きも下がります。そこを補うことも考えて、上級のノートオーラを追加したため、価格を割安に抑えました。上質で買い得なコンパクトカーとなっています。

(文=渡辺陽一郎/カーライフ・ジャーナリスト)

渡辺陽一郎/カーライフ・ジャーナリスト

渡辺陽一郎/カーライフ・ジャーナリスト

1961年生まれ。神奈川大学卒業。1985年に自動車雑誌を中心に扱うアポロ出版株式会社に入社。その後、同社で複数の自動車雑誌やアウトドア雑誌を手掛け、1989年に自動車購入ガイド誌「月刊くるま選び」の編集長に。1997年にはアポロ出版株式会社の取締役も兼任。2001年6月に40歳を迎え、同月に「カーライフジャーナリスト」の肩書でフリーランスに転向。

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