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渡辺陽一郎「いちばん詳しい『人気の新車』完全ガイドシリーズ」

ミニバン「アルファード」が絶好調!トヨタの全車種併売で「ヴェルファイア」の需要も吸収

文=渡辺陽一郎/カーライフ・ジャーナリスト
ミニバン「アルファード」が絶好調!トヨタの全車種併売で「ヴェルファイア」の需要も吸収の画像1
トヨタ アルファード | トヨタ自動車WEBサイト」より

どんなクルマなのか?

 トヨタアルファード」はLサイズのミニバンです。広くて豪華な室内と存在感の強い外観により、もともと人気車でしたが、最近はさらに販売台数を増やしました。2021年1~3月には1カ月平均で1万1368台を登録しており、コンパクトカーの「ルーミー」(1万3132台)や軽自動車の「タント」(1万4245台)に匹敵します。売れ筋の価格帯が400~550万円の高価格車としては、絶好調に売れています。

人気を得ている理由

 1カ月の売れ行きが平均1万台を超えている背景には、2020年5月に実施されたトヨタの全国的な販売体制の見直しがあります。以前と違ってトヨタの全車を全店で購入可能になり、トヨペット店だけが扱っていたアルファードは、すべての販売系列が扱うようになって台数を伸ばしました。

 逆に姉妹車の「ヴェルファイア」は、基本的にアルファードと同じクルマなのに、売れ行きを下げました。2021年1~3月の1カ月平均は1061台ですから、アルファードの1万1368台に比べると約9%です。フロントマスクなど外観の部分的な違いが、人気と売れ行きの明暗を分けたのです。

 その結果、ヴェルファイアは先ごろの改良でバリエーションを大幅に減らしました。現時点で選べるヴェルファイアは、以前は特別仕様車だったゴールデンアイズIIだけです。ほかのグレードはアルファードで購入します。

 つまりアルファードは、全店が全車を扱う販売体制に移行したこともあり、ヴェルファイアの需要まで吸収して好調に売れているのです。もちろん商品力も高く、Lサイズミニバンを購入するユーザーが求める豪華さ、カッコ良さ、快適性、先進装備などを十分に網羅しています。

気になる8つのポイントチェック&星取り採点

(1)居住空間の広さとシートの座り心地

★★★★★

 車内の広さは国産ミニバンでは最大級です。特に2列目は座り心地が優れ、長距離を移動するときも快適です。

(2)荷物の積みやすさとシートアレンジ

★★★★★

 全高が1900mmを超える背の高いボディで、荷室高に十分な余裕があります。3列目を畳むと自転車も積めます。

(3)視界や小回り性能など運転のしやすさ

★★☆☆☆

 視線の位置が高いので左側面の死角も広いです。ボディは大柄で最小回転半径も5.6~5.8mに達します。

(4)加速力やカーブを曲がるときの安定性

★★★☆☆

 車両重量が約2トンに達する背の高いボディにより、カーブを曲がるときはボディの重さを意識させます。

(5)乗り心地と内装の質感などの快適性

★★★★★

 Lサイズのミニバンとあって乗り心地は快適です。インパネなど内装の仕上げも上質で満足感は高いです。

(6)燃費性能とエコカー減税

★★☆☆☆

 2.5LノーマルエンジンのWLTCモード燃費は10.6km/L、ハイブリッドは14.8km/Lで、燃料消費量が多いです。

(7)安全装備の充実度

★★★★☆

 歩行者や自転車を検知できる衝突被害軽減ブレーキが標準装着され、後方の安全を確認する機能も選べます。

(8)価格の割安感

★★☆☆☆

 内装が上質でディスプレイオーディオなども標準装着されますが、価格も高いので割安とはいえません。

選ぶときに確かめたい3つのメリット

・内装は上質で、1、2列目シートは座り心地も優れ、快適に移動できます。

・足まわりの設定が柔軟で乗り心地が優れ、ノイズは小さく抑えました。

・天井に装着される後席用モニター画面など、さまざまな快適装備を選べます。

後悔しないための3つの要チェックポイント

・床が高く、乗降性は良くないです。視線も高めで左側面の死角が広いです。

・3列目シートは足を前方に投げ出す座り方で、座り心地も柔軟性が乏しいです。

・価格が高めで、購入後に納める燃料代、自動車税、自動車重量税も高額です。

こんなユーザーにおすすめ

 Lサイズのミニバンなので、多人数で乗車する用途に適しています。ただし前述の通り、3列目のシートは座り心地が良くないです。多人数で乗車して長距離を移動する場合は、時々席替えをする必要があるでしょう。

 その意味でピッタリな使い方は、4名で快適に乗車して、なおかつ3列目を畳んで大きな荷物を運ぶことです。アルファードであれば、快適な移動を満喫しながら、自転車なども積載できます。

今後のモデルチェンジ予想

 現行アルファードは2015年に発売されたので、フルモデルチェンジを行っても良い時期ですが、今のところ不明です。現行型が好調に売れており、ミニバン需要は先行きが不透明なので、フルモデルチェンジによる効果も見えにくいためです。安全装備などはすでに改良を受けていますから、次期型の登場を心配して現行型の購入を控える必要はないと思います。

最近の販売状況と安く買うための商談方法

 先に述べた通り、アルファードの販売は絶好調です。価格が400万円を超える車種では、最も多く売られています。今ではトヨタの全店が全車を扱うため、アルファード同士で値引き額や下取り車の査定額を比べると良いでしょう。

リセールバリュー/数年後に売却するときの価値

 アルファードは数年後に売却するときの価値が高いクルマです。トヨタの販売店では「2.5Lエンジンを搭載するS・Cパッケージ(468万1600円)のホワイトパール仕様は、3年近く使っても、420万円くらいで売却できます。アルファードは資産価値が下がりにくく、前期型のアルファードから後期型に乗り替えるお客様も多いです」といいます。リセールバリューが高いことも、アルファードの大きな魅力です。

これが結論!/このクルマの総合評価&コメント

★★★★☆

 アルファードはボディが大柄で運転しにくく、価格や維持費は高めです。1、2列目のシートは快適ですが、3列目は座り心地が良くないので、多人数で長距離を移動するユーザーは居住性を確かめる必要があります。

 これらの注意点をチェックして不満が生じないのであれば、選ぶ価値は高いです。内装のつくりや乗り心地は上質で、装備も充実しており、数年後に売却するときには好条件が期待できるからです。

 機能と価格のバランスを考えると、最も買い得なグレードは2.5Lのノーマルエンジンを搭載するS(398万5000円/7人乗り)です。予算に余裕があるときは、先に述べた2列目シートが豪華なS・Cパッケージも検討しましょう。

(文=渡辺陽一郎/カーライフ・ジャーナリスト)

渡辺陽一郎/カーライフ・ジャーナリスト

渡辺陽一郎/カーライフ・ジャーナリスト

1961年生まれ。神奈川大学卒業。1985年に自動車雑誌を中心に扱うアポロ出版株式会社に入社。その後、同社で複数の自動車雑誌やアウトドア雑誌を手掛け、1989年に自動車購入ガイド誌「月刊くるま選び」の編集長に。1997年にはアポロ出版株式会社の取締役も兼任。2001年6月に40歳を迎え、同月に「カーライフジャーナリスト」の肩書でフリーランスに転向。

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