
国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。
10月4日、第205臨時国会が召集されましたね。会期は14日までで、8日には天皇陛下をお招きして開会式と岸田文雄新首相の所信表明演説が行われました。新型コロナウイルス対策や新自由主義からの脱却などを述べられ、立派な演説でしたよ。
しかし、新内閣の支持率は思っていたよりも伸びなかったようです。共同通信の調査では、菅義偉内閣発足時の支持率が66.4%だったのに対し、岸田内閣は55.7%だそうです。毎日新聞の調査では、50%を割り込む49%でした。
「もうちょっと高いと思ってたけどなー」と大半の自民党関係者はボヤいていましたが、神澤的にはこんなもんでしょうと思います。岸田首相はともかく、内閣の顔ぶれに新鮮味が感じられず、知名度も低い閣僚が多いので、政治マニアでないと、なかなか魅力はわからないでしょうからね。
とはいえ、最悪に近かった菅内閣末期の支持率を思えば、各社調査でいずれも20ポイント以上も上がっているので、それを考えると好調なスタートといえるのではないでしょうか。
新内閣は“疑惑の玉手箱”
それにしても、新閣僚や自民党役員は危うい人が多い印象ですよね。収賄疑惑が尾を引く甘利明幹事長のほか、過去の下着泥棒を“新潮砲”に蒸し返されている高木毅国会対策委員長、1500万円のガソリン代を政治資金から支出した疑惑のある鈴木俊一財務相、地元のダム関連業者からの収賄が疑われる金子恭之総務相、あの加計学園の学部新設をめぐって文部科学省への圧力問題が浮上した過去のある萩生田光一経産相などなど、すごいことになっていますよね。
日刊ゲンダイは、西銘恒三郎復興・沖縄北方相と後藤茂之厚労相が「特に問題」としています。西銘復興相は沖縄の基地建設の関連工事の受注業者から献金を受けて公職選挙法違反が疑われ、献金を返したことがありました。これは「万引きが見つかったら品物を返すようなもの」ですよね。また、後藤厚労相は、巨額の年金消失事件を起こしたAIJ投資顧問の系列会社・ITM証券からのパーティー券購入や献金などが報じられています。
さらに、「週刊文春」(文藝春秋)は「疑惑の玉手箱」として、牧島かれんデジタル相のNTT接待疑惑や、金子原二郎農水相の長崎・諫早湾干拓事業をめぐる親族会社からの裏金疑惑などをスクープしています。これからも、岸田内閣のメンバーのスキャンダルはどんどん出てきそうです。
支持率が高い状態で総選挙に突入できると思っていたのに、マスコミの批判がすごくて「この政権、いつまでもつかなぁ」とすでに弱気になっている大臣の事務所もあるようです。
ちなみに、国会女子たちは入閣速報をLINEでやりとりしながら「『下着泥棒』が入閣らしい」とか面白半分に盛り上がっていました。ちょっと怖いですかね(苦笑)。
鈴木貴子外務副大臣に注目のワケ
疑惑大臣たちに比べて、新副大臣や政務官人事は、なかなかの変革意識が感じられる面々だと思います。ただ、知名度の高い方はいないので、肩書頼みになりますね。その中でも、神澤は鈴木貴子外務副大臣に注目しています。
『国会女子の忖度日記:議員秘書は、今日もイバラの道をゆく』 あの自民党女性議員の「このハゲーーッ!!」どころじゃない。ブラック企業も驚く労働環境にいる国会議員秘書の叫びを聞いて下さい。議員の傲慢、セクハラ、後援者の仰天陳情、議員のスキャンダル潰し、命懸けの選挙の裏、お局秘書のイジメ……知られざる仕事内容から苦境の数々まで20年以上永田町で働く現役女性政策秘書が書きました。人間関係の厳戒地帯で生き抜いてきた処世術は一般にも使えるはず。全編4コマまんが付き、辛さがよくわかります。
