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永田町の「謎」 現役議員秘書がぶっちゃける国会ウラ情報

安倍前首相の高市早苗支持は森喜朗の指示?永田町で暗躍する4人のキングメーカーの名前

文=神澤志万/国会議員秘書
安倍前首相の高市早苗支持は森喜朗の指示?永田町で暗躍する4人のキングメーカーの名前の画像1
高市早苗前総務相(「gettyimages」より)

 国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。

 9月29日の自民党総裁選まで1週間を切りましたね。立候補しているのは、届け出順に河野太郎行革担当相、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代行で、なんと複数の女性が立候補したのは1955年の結党以来初めてだそうですよ。

 それもあってか、近年にない盛り上がりを見せていますよね。読者のみなさまは、前回の総裁選をご記憶でしょうか? 実は、神澤の「心に残る総裁選」は20年も前ですよ(苦笑)。

 2001年4月の総裁選で、小泉純一郎議員が3回目の挑戦で当選したときです。当初は橋本龍太郎、麻生太郎、亀井静香の各候補にかなり負けていましたが、「自民党をぶっ壊す!」とか「私の政策を批判する者はすべて抵抗勢力」などのわかりやすいスローガンで徐々に注目され、直前まで所属していた清和会の全面的な支援を受けて地滑り的な勝利を果たしたのです。田中真紀子議員の応援演説も注目されて大人気でした。

 話はそれますが、このあと田中議員は小泉内閣の「サプライズ人事」で外相に就任しましたが、派閥闘争や対中国政策の対立もあって辞任、民主党に移籍します。田中議員はお金も人気も圧倒的にあったのに、永田町や霞が関の事情でポストを追われ、所属政党まで変わってしまうことには驚きましたね。改めて「永田町はすごいところなんだなあ」としみじみ感じたことを思い出しました。

SNS戦略では河野&高市がリード?

 現在の選挙戦の特徴は、やはりインターネットの活用ですね。かつての総裁選では、候補者たちは全国を遊説して自民党員だけでなく国民のみなさまに主張を訴えていましたが、今回はコロナ禍もあって、各候補はツイッターなどSNSでの発信に力を入れています。

 さらに、インターネットテレビや地上波テレビ、新聞や雑誌の取材にも応じ、あらゆるメディアを利用して支持を広げる努力をされています。以前から河野大臣のツイッターは人気でしたが、高市議員のツイッターも注目されていて、大学生など若い方もフォローしていると聞いています。

 2015年に選挙権年齢が18歳に引き下げられてから6年、若者の政治への関心が高くなりつつあることを、すごくうれしく思っています。国会内の会合などでも20代前半の方から質問を受けることが増え、そのような若い方々と意見交換できるのは神澤にとっても興味深いことです。

 国民のみなさまの素朴な疑問を政策に反映させる作業には充実感もあるので、寝不足続きの毎日でも励みになりますね。

総裁選は大物議員4人の代理戦争に

 最近の各社世論調査では河野候補の支持率が高いようですが、9月22日夜には岸田候補のリードも伝えられるなど、まだまだわからない状況です。

 また、いつものことですが、“文春砲”(週刊文春)が河野大臣の官僚に対するパワハラ問題を報じるなど、不祥事リークも出てきています。もちろん、足を引っ張っているのは敵陣営です。

 各候補の派閥の事情とともに、やはり安倍晋三前首相、麻生太郎財務相、二階俊博幹事長、そして森喜朗元首相の思惑が強すぎて、この4議員の代理戦争状態になっているんです。

 まず、最大派閥の細田派(清和会)に影響力を持つ安倍前首相高市候補を推していますが、いかんせん高市候補は永田町では人気がないので、派閥内がまとまらずに自主投票となりました。

 女性の候補者ですし、神澤としては応援したい気持ちもありますが、タカ派過ぎる政策に共感を持てません。また、夫婦別姓の問題もあります。高市候補は山本拓衆議院議員と結婚されている間も、ずっと旧姓を使用されていました。今は離婚されていますが、選択的夫婦別姓制度に反対されているのに、籍上は配偶者の姓で、通称として旧姓を使用するのって、どうなのでしょうか。

 それに、安倍前首相が高市候補を支援しているのは、森元首相の指示という説があります。実は、高市候補は森元首相との「不適切な関係」について怪文書が出回ったこともあるので、なおさら距離を置かれたほうがいいかと思うのですが……。

 一方で、安倍前首相は自身の秘書官だった今井尚哉首相補佐官を岸田陣営に送り込んでいて、岸田候補が勝つ可能性も考えているようです。

 また、麻生大臣は最終的に河野候補の出馬を支援せず、麻生派も自主投票になりました。普通は派閥のメンバーなら支援するはずですが、麻生大臣が自分の権力を維持したくて世代交代を望まなかったからだといわれています。もし河野首相が誕生したら、今までの「安倍―麻生体制」も壊すでしょうね。

 そして、二階幹事長は二階派として岸田候補以外の3人に推薦人(河野候補に2人・高市候補に3人・野田候補に8人)を出していて、ずいぶんと露骨な感じです。

 二階幹事長も、自分の権力維持のために野田候補を支援しているといわれています。野田候補はこれまで何度も総裁選出馬を試みてきましたが、20人の推薦人が集められずにあきらめるということを繰り返してきました。

 今回、推薦人を集められたのは、ほかならぬ二階幹事長の尽力があったからです。ちなみに、推薦人名簿の中には元パートナーの鶴保庸介議員のお名前がありました。「私生活のパートナーではなくなっても信頼関係は続いているんだな」とほっこりしました。

 それはさておき、各候補の思惑以上に、安倍・麻生・二階・森の大物議員がキングメーカーとして新しい首相を操れるように暗躍しているのです。映画のようですが、これが永田町の現実なんですよ。

 それにしても、ついこの間まで「次は岸田先生の無投票当選かな」なんて噂をしていたのに、1カ月もしない間にすごいバトルになっているのが、とても不思議です。

 ところで、メディアも自民党総裁選の話ばかり報じていますが、国会では「閉会中審査」が続いています。新型コロナ対策をメインに厚生労働委員会や議員運営委員会が頻繁に開かれていて、きちんと仕事をしている国会議員も多いので、ご安心ください。

立憲民主党職員が盗撮で逮捕

 総裁選と総選挙とコロナ対策で議員も秘書もお疲れ気味ながらがんばっているところへ、とんでもない事件が起こりました。

 9月18日、立憲民主党の男性職員が盗撮で逮捕されたというのです。永田町は騒然となり、「随行先の新潟県で逮捕された」とか「石川県で酔っ払って警察沙汰になったけど逮捕まではいってない」とか、情報が錯綜しました。

 立憲民主党の職員の知人に確認すると「酔って迷惑行為をしてしまい、警察が呼ばれたのは事実ですが、逮捕はされていません。場所は聞いていません」とのことでしたが、「立憲民主党の50代の男性職員が、JR埼京線の電車内で女性を盗撮したとして、県の迷惑防止条例違反の疑いで逮捕」としっかり報道されています。21日に処分保留のまま釈放されたようです。

 いろいろな意味で情けないですが、それ以上に枝野幸男代表の記者会見にはがっかりしましたね。すでに報道もされているのですから、「詳細について今は申し上げられない」というようなコメントはどうなんでしょうか。

 こんな無責任な対応で総選挙が戦えるのか、不安になった神澤です。

(文=神澤志万/国会議員秘書)

『国会女子の忖度日記:議員秘書は、今日もイバラの道をゆく』 あの自民党女性議員の「このハゲーーッ!!」どころじゃない。ブラック企業も驚く労働環境にいる国会議員秘書の叫びを聞いて下さい。議員の傲慢、セクハラ、後援者の仰天陳情、議員のスキャンダル潰し、命懸けの選挙の裏、お局秘書のイジメ……知られざる仕事内容から苦境の数々まで20年以上永田町で働く現役女性政策秘書が書きました。人間関係の厳戒地帯で生き抜いてきた処世術は一般にも使えるはず。全編4コマまんが付き、辛さがよくわかります。 amazon_associate_logo.jpg

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