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永田町の「謎」 現役議員秘書がぶっちゃける国会ウラ情報

安倍前首相の“再々登板”を官邸スタッフが熱望する理由…自民党内では河野太郎人気が沸騰

文=神澤志万/国会議員秘書
安倍前首相の再々登板を官邸スタッフが熱望する理由…自民党内では河野太郎人気が沸騰の画像1
安倍晋三前首相(「gettyimages」より)

 国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。

 いろいろありましたが、ついに東京2020オリンピックが開会しましたね。連日、日本人選手の素晴らしい活躍が伝えられ、とても誇らしいです。

 開会式前日に演出担当者が解任されたときは、もう開会式は取りやめてもいいくらいに思っていましたし、2013年に招致が決まってから、競技場の建設やエンブレムのデザインをめぐるゴタゴタ、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長の贈賄疑惑まで、不祥事続きでしたね。新国立競技場の現場監督やJOC経理部長の自殺も問題になりました。

 さらにコロナ禍もあるのに、こうした問題を忘れさせてくれるアスリートたちの姿に元気をもらっています。本当によかったですね。

官邸で“安倍人気”が根強いワケ

 盛大な歓声の陰で、政治の駆け引きはしっかりと続いています。もちろん、中心は総選挙と自民党総裁選です。

 情勢はどんどん変わっていますが、自民党総裁選は延期せずに、9月末の任期満了までに実施の動きが出てきました。現在では、パラリンピックが閉会した翌日の9月6日に告示を行い、17日に党員投票締め切り、18日に議員投票投開票と党員投票開票、という流れが有力です。最近の世論調査での内閣支持率低下を受けて、早く進めたいようです。

 そして、菅義偉総裁の再選・落選にかかわらず、国会は衆議院議員の任期満了日の10月21日に閉会して、第49回衆議院総選挙は11月16日公示、28日投開票というスケジュールが、すでに自民党内で出回っています。

 この背景には、前回書かせていただいた「菅おろし」の影響もあると思います。コロナ対策への不満や7月の都議選の残念な結果などもあって菅首相の人気はダダ下がりですから、政府としては、すべて菅首相のせいにして形勢逆転を狙いたいところでしょう。

 では、ポスト菅は誰でしょうか。正直、「この人しかいない!」という人材はいません。

 一説では、安倍晋三前首相が3度目の登板を狙っているとも言われています。しかも、それを最も望んでいるのは官邸のスタッフなんだとか。実は、安倍前首相はとても明るい性格で、一緒に仕事をしていて楽しいのだそうです。官邸のムードメーカーだったんですね。

 秘書仲間によると、最近の安倍前首相は講演依頼や超党派議連への出席を気軽に引き受けてくれるなどフットワークが軽く、スタッフにもジョークを言ってくれるそうで、スタッフや秘書たちが再々登板を熱望しているんだとか。とはいえ、性格よりも政策を重視してほしいですけどね。

 一方で、自民党内では河野太郎ワクチン担当相が人気です。自民党の候補者たちによると、河野大臣との「2連ポスター」は地元のウケが断然いいそうです。ツイッターをマメに更新し、フォロワーにも気軽に対応しているところがいいのでしょうかね。

 神澤の推しの岸田文雄衆議院議員(元自民党政務調査会長)はちょっと存在感が弱めですが、人柄、政策、外交面では適任だと思っています。政治家にしては謙虚すぎるので、もっとぐいぐいと国政をひっぱるリーダーシップを見せてもらいたいです。

 ちなみに、岸田派のパーティーでクラスター発生との報道がありましたが、岸田議員は陰性でしたし、パーティーで感染が広がったわけではなさそうです。マスコミもきちんと検証してほしいですね。

「14歳と性交」発言の本多議員が辞職

 7月28日、「50歳近くの自分が14歳の子と性交したら……」という不適切発言が問題になっていた立憲民主党本多平直衆議院議員の議員辞職が認められましたね。

 前日の27日に記者会見が行われ、「比例選出なので党に迷惑はかけられない」と述べたそうですが、立憲民主党は当初は党員資格停止1年の処分を検討していました。しかし、処分はせず、本多氏が提出した離党届を受理しています。

 第一報を聞いたときは、ちょうど柔道男子81キロ級の永瀬貴規選手が準決勝を戦うのを秘書仲間とライブ中継で応援しているところだったので、速報を聞いて騒然としたものの、永瀬選手の決勝進出が決まるまでは追及する人がいませんでした(笑)。

 知り合いの記者によると、「『文春砲』が出る前に辞職を決意したらしい」という情報が駆け巡っていたようですが、29日に発売された「週刊文春」(文藝春秋)には、それらしい記事はありませんでした。

 また、秘書仲間によると、妻の西村智奈美衆議院議員との離婚も避けられそうになく、「議員辞職と離婚は同時にするのかも」「実は愛人でもいて、それが週刊誌にバレたのかも」などと言われていますが、真相はわかりません。

 オリンピックの話題に隠れてひっそりと国会から姿を消すのは、説明責任を果たしていないと思うのですが、みなさんはどう感じますか?

 決して、あの不適切発言を擁護するわけではありませんが、神澤が知る秘書時代の本多さんは「アニキ」と慕われていて、憲法も熱心に勉強していました。憲法が定める年齢と、進めていた法案の制限年齢の矛盾をどう説明するのか、と言いたかったんじゃないかなあと、かつての後輩としては想像しますし、辞職の必要はなかったと思います。

 何度か書かせていただいていますが、国会議員の存在はとても重いものです。それを、こんなに簡単に辞職するなんて、国会議員の職、立場、責任に対して、その程度の思いしか感じていなかったのか、と憤りさえ感じます。

 神澤としては、発言について心から反省し、謝罪してほしかったのです。そして、本当に反省している姿をみなさんに見せるべきでした。議員辞職については、本当に残念でなりません。

(文=神澤志万/国会議員秘書)

『国会女子の忖度日記:議員秘書は、今日もイバラの道をゆく』 あの自民党女性議員の「このハゲーーッ!!」どころじゃない。ブラック企業も驚く労働環境にいる国会議員秘書の叫びを聞いて下さい。議員の傲慢、セクハラ、後援者の仰天陳情、議員のスキャンダル潰し、命懸けの選挙の裏、お局秘書のイジメ……知られざる仕事内容から苦境の数々まで20年以上永田町で働く現役女性政策秘書が書きました。人間関係の厳戒地帯で生き抜いてきた処世術は一般にも使えるはず。全編4コマまんが付き、辛さがよくわかります。 amazon_associate_logo.jpg

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