「14歳と性交」発言の本多平直議員、永田町での最悪な評判…枝野幸男の秘書時代の意外な姿
またもや政治家の秘書が逮捕されましたね。
これまでご紹介したような国会議員の秘書や「スタッフ」ではなく、千葉県市川市の村越祐民市長の「私設秘書」の押切裕雄氏です。報道によると、押切容疑者は村越市長の私設秘書としての活動のほかに、自動車レンタル関連の会社を経営していました。その会社登記に虚偽記載があり、6月2日に電磁的公正証書原本不実記録・同供用容疑で逮捕されたそうです。出資金の払い込みがあったように見せかけていたようで、村越市長の後援会事務所も家宅捜索されたと報じられています。
嘘の登記がいいはずはないですが、こんな騒ぎになるとは。そもそも秘書の業務と関係あるのかな……と思っていたら、やっぱり一部では「別件逮捕」説も囁かれているようです。
村越市長は、公用車としてテスラの高級電気自動車をリース契約したり(後に解除)、市長室にシャワールームを設置したりと、前から何かとお騒がせでしたよね。そのため、今回も「大きな事件が隠れているのでは?」と見る人もいるそうです。
神澤が押切氏を知ったのは、だいぶ前ですね。あの偽メール問題の故・永田寿康衆議院議員の秘書をされていたんです。当時、永田議員から「同級生で秘書」と紹介されたように記憶しています。永田議員は慶應志木高校から東京大学という経歴ですが、押切氏も頭脳明晰の印象がありました。
でも、報道されているように、プライドが高くてやたらに威張り散らし、2013年にはタクシー運転手とのトラブルで逮捕されています。議員事務所もトラブルを起こしては辞める、の繰り返しだったと聞いています。
もっとも、今回は市長の私設秘書としての逮捕ですから、「永田町激震」というほどではないですね。少し前に、秘書仲間から「最近、押切君と連絡取れないんだけど、消息知ってる?」と聞かれました。小さな声で「押切さんなら逮捕されましたよ」と伝えると、「そうだよね。逮捕されたよね!」となりましたが、その秘書は「でも、電話に出ないんだよ」と言うので「いやいや、逮捕は今月です」となりました。
以前の逮捕の話と勘違いしてたんですね。「逮捕・勾留ナウなんで、スマホも警察が預かっているはずですよ」というと、一同驚きでした。これから、村越市長のいろいろな話も出てくるんでしょうか……。
“不適切発言”の本多議員の悪評
黒子に徹してボスを支える存在のはずの秘書がこういうことでは、日本の政治も心配しかありませんよね。
神澤的には、立憲民主党の枝野幸男代表の秘書出身の本多平直衆議院議員の「不適切発言」が信じられませんでした。5月に開かれた立憲民主党の「性犯罪刑法改正に関するワーキングチーム」で、「50歳近くの自分が14歳の子と性交したら、たとえ同意があっても捕まることになる。それはおかしい」「12歳と20歳代でも真剣な恋愛がある」「日本の性交同意年齢は他国と比べて低くない」と発言して大炎上した件です。
初期の報道では名前が伏せられていましたが、その後に実名が出て、本人も撤回と謝罪に追われました。永田町では報道前から本多議員の不適切発言の話は広がっていて、そのうち報道されるだろうなと思っていましたが、子どもの性被害が深刻化する中で国会議員がこんな感覚なのかと、がっかりました。
本多議員は、枝野議員の秘書時代はとてもまじめに政策に取り組むイメージがありましたし、後輩秘書たちからも慕われていて、当時の本多秘書に憧れを抱く国会女子がいたことも知っています。
でも、落選を経て2017年に国会に戻ってきてからの本多議員の評判は最悪でした。議場に座っている姿勢が横柄で、職員に対する言動も威圧的。委員会中のヤジもひどく、秘書時代の面影は消えていたのです。一言で言えば、「権力を笠に威張っているだけの議員」そのものでした。
でも、お子さんが生まれてパパになったニュースを聞いたときは、パートナーの西村智奈美衆議院議員のことも知っているだけに、秘書仲間とお祝いをしています。今回の件について、奥様はどう思われているんでしょうね。
ここまでイメージダウンしてしまうと、次の総選挙はどうなるんだろうと思います。本多議員の選挙区の有権者のみなさまには、よく考えていただきたいですね。
選挙前に政治家の単独ポスターが消える理由
さて、いよいよ総選挙が近くなってきました。
17年に行われた第48回衆議院議員総選挙で選ばれた議員の任期が、10月21日に迫っています。衆議院議員の任期は4年ですが、最近はずっと任期満了前の解散→選挙が続いていますね。これからの約4カ月の間に、遅かれ早かれ総選挙は必ず行われます。
公職選挙法はいろいろと細かくて、個人の政治活動用ポスターには、いわゆる「6カ月前ルール」というものがあります。任期満了日の6カ月前から選挙期日までの間は掲示できなくなるのです。今回でいうと、立候補予定者の単独ポスターの掲示は4月21日以降は禁止されています。
でも、顔を覚えてもらうにはポスターは必須アイテムなので、「2連ポスター」を使います。政党の役員や他の政治家とセットにすると、個人のポスターではなく「政党のポスター」という位置づけになるため、掲示が認められているんです。
読者のみなさんの地元でも、ポスターの貼り替え作業は行われたと思います。もし、まだ立候補予定者の単独ポスターが貼られていたら、遠慮なく警察や最寄りの選挙管理委員会に通報してください。
政党の代表のポスターは単独ポスターとは異なるため、大丈夫です。また、2連ポスターは無所属になってしまうと貼れないので、緊急事態宣言中の「クラブ通い問題」で自民党を離党した神奈川1区の松本純衆議院議員の選挙区は、掲示板に何も貼られていない状態になっています。
ちなみに、神澤の長い秘書人生でも、この貼り替え作業を行ったのはほんの数回です。ほとんど任期を待たずして解散総選挙になりますからね。ぜひ、近所のポスターの様子を観察してみてくださいね。そして、投票にはぜひいらして、貴重な1票を投じてください。
(文=神澤志万/国会議員秘書)
『国会女子の忖度日記:議員秘書は、今日もイバラの道をゆく』 あの自民党女性議員の「このハゲーーッ!!」どころじゃない。ブラック企業も驚く労働環境にいる国会議員秘書の叫びを聞いて下さい。議員の傲慢、セクハラ、後援者の仰天陳情、議員のスキャンダル潰し、命懸けの選挙の裏、お局秘書のイジメ……知られざる仕事内容から苦境の数々まで20年以上永田町で働く現役女性政策秘書が書きました。人間関係の厳戒地帯で生き抜いてきた処世術は一般にも使えるはず。全編4コマまんが付き、辛さがよくわかります。