今年1月以降、飲食店で客が迷惑行為を行う動画が次々に明るみに出て、ネット上で大きな話題となるだけでなく、社会問題にも発展している。迷惑行為をする人物も、動画を撮ってSNSに公開する人物も、そのリスクをまったく考慮していないことで起きているのは間違いないだろう。
回転寿司大手スシローで高校生が醤油ボトルを舐め回した動画を皮切りに、くら寿司、はま寿司のほか、吉野家やサイゼリヤ、いきなりステーキ、ココ壱番屋、餃子の王将など、さまざまな飲食店が迷惑行為の舞台となり、大きな損害を被ることとなっている。
そんななか、今度は「ラーメン山岡家」で迷惑行為が発生。男性客がテーブル上にあるトッピング用のにんにくをスプーンですくい口に入れた直後、吐き出すように容器に戻す動画が、Twitter上で拡散された。
ラーメン山岡家は13日に、公式Twitterや公式ホームページで動画が栃木県内の自社店舗で撮影されたことを認め、「当社店舗で撮影された迷惑動画について」との声明を出した。
撮影時期は調査中としつつ、にんにくや豆板醤の容器については、「当社では、従来から1日に少なくとも1回、卓上調味料を回収の上、洗浄済みの容器と入れ替えておりますが、本件を踏まえ、今後の対策を検討してまいります」とし、迷惑行為を行った人物たちに対しては「警察・弁護士と相談の上、しかるべき対応を行うことを検討しております」と、厳格な対応を取る姿勢を示す。
さらに「なお、このような行為は、ご来店いただくお客様へ安心・安全な商品をご提供する上で、お客様との信頼関係を損なうことであると認識しており、日ごろ当社店舗をご利用いただいているお客様が不快な思いをされていることは大変遺憾に存じます。繰り返しとなりますが、当社といたしましては、しかるべき対処を行うべく対応を検討しております」と、客の心情も考慮しつつ、被害を受けたことに対する憤りをにじませている。
迷惑行為を働いた人物たちは厳しく処罰されるべきだが、その一方でもうひとつ気になるのは、にんにくを遊びで無分別に食べることだ。今後、面白がって罰ゲームで食べるような行為が広がらないよう、このタイミングで警鐘を鳴らしたい。
「にんにくには血行促進効果があり冷えの解消が期待されるほか、免疫力アップにつながる強い殺菌力があるなど、さまざまな効果があります。その一方、強い殺菌力の裏返しとして、一度にまとめて摂取すると、腹痛、めまい、貧血、嘔吐などの症状を引き起こすことがあります。特に生のにんにくは1片までに抑えるべきで、ラーメン店などに置いてあるトッピング用のすりおろしにんにくはスプーン1杯程度にとどめたほうがいいでしょう。加熱してあれば4片くらいまでは大丈夫でしょう」(管理栄養士・豊田美里氏)
にんにくが好きな方は少なくないだろうが、食べ方や食べる量には気を付けていただきたい。
(文=Business Journal編集部)