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「撮影はお控えください」…スシロー騒動から数週間経過、店舗訪問で見た驚きの光景

文=小林英介
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スシローにはぜひ頑張ってほしい(今年2月、筆者撮影)

 大手回転寿司チェーン「スシロー」などを舞台とした不適切動画が問題化してから数週間が経過した。不適切行為をした側は謝罪の意思を見せているものの、スシロー側は法的措置を取る姿勢を見せるなど、毅然とした対応を示している。この問題を通して気になるのは「スシロー」の店舗の現状である。不適切動画問題があってから店舗の利用者はどう変わり、利用客の入りはどうなのか。そこで本稿記者は「スシロー」の店舗へと出向き、現状を探ってみることとした。

醤油の容器をペロペロ、他店でも問題行為発覚続々…これまでの経緯を振り返る

 その前に、これまでの経緯を少しだけ振り返っておこう。さかのぼること今年1月、SNSにてとある動画が出回った。その動画には金髪の少年らしき人物が「スシロー」店内に置いてあった醤油の容器、特に醤油が出てくる部分を舐めまわしている様子が映し出されていた。この動画は瞬く間に拡散。ネットニュースに取りあげられたほか、ツイッターなどの他のSNSでも話題となった。この「スシローペロペロ動画」や、同じく回転寿司チェーンの「はま寿司」にて他人が注文した寿司にワサビを乗せるなどした動画を皮切りとして、他の飲食チェーンでもさまざまな不適切動画が問題となり、各社は対応に追われた。

 このうち、「スシロー」を運営するあきんどスシローは今年2月10日に発表したリリース「SNS上での迷惑行為に対する報道その他の内容について」の中で、「刑事・民事の両面から毅然とした対応を行って参ります」と、厳しい姿勢でこの問題に対応していくと表明している。

 また 中華料理の全国チェーン「餃子の王将」も卓上に常時置いていた餃子のタレやラー油、酢などを撤去。利用者がオーダーした後にスタッフがそれらを持ってくる運用になった。餃子の王将を運営する王将フードサービスは、2月14日に発表した「カスターセットの運用変更につきまして」で、「当社店舗や他の飲食店において衛生管理に関するトラブルが発生していることを受け」ての対応と説明するなど、各社の動きも出てきている。

現在のスシローは?とある店舗に行ってみた

 今回訪れたのはとある店舗。実は本稿記者は「スシロー」初体験となる。他の回転寿司チェーンに足を運んだ経験はあるものの、どのようなメニューがあるのか楽しみにしていたところだった。訪問した時間は昼前であり、「店内にあまり人はいないだろう」と考えつつ歩みを進めた。そうしているうちに店舗に到着。店舗入り口の扉には、このような張り紙があった。

「テーブルに備え付けの食器や調味料の交換をご希望のお客様には新しいものをお持ち致します。ホールスタッフにお申し出ください。」

 さらに中に入ると、違う扉には

「お客さまに安心・安全にお食事いただくためにも、他のお客さまのご迷惑・ご不快となるような行為や撮影はお控えくださいますようお願い申し上げます。(一部省略)なお、スタッフよりお声がけしても適切にご対応いただけない場合、法的措置を含め厳正な対応を取らせていただきます。」

との張り紙があった。改めて「こういった張り紙を作らなければならないのか」と憤慨したと同時に呆れた。店側に注意喚起の張り紙をつくらせることになるとは、大変恥ずかしい話である。

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店舗に掲載された注意喚起のお知らせ(今年2月、筆者撮影)

 その怒りを抑え呆れつつ店内に入ると、タッチパネルで受付を済ませる。その後、席に通された。特に気になっていた利用客だったが、なんと店内は昼前にもかかわらず満席に近く、本稿記者の両隣も埋まっている状態だった。新型コロナウイルスの感染拡大防止対策として席と席の間に設置されているアクリル板には、「安全・安心の取り組み」として「レーン用のアクリル板を全店設置に向けて順次、進めております」等の記述が。この店舗にはまだレーン用アクリル板は設置されていなかった。これから設置されるのだろう。

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アクリル板の設置イメージ画像(提供元「株式会社 FOOD & LIFE COMPANIES」)

 また「店頭、お電話、SNSでお客さまに温かいお言葉で応援して頂き、スタッフ一同元気を頂きました。」等の文言もあったほか、平日限定で2月13日~17日までの間、店内飲食と持ち帰りは全品10%オフのキャンペーンを実施中だった。本稿記者も寿司をいくつか注文。特に穴子は美味しかった。

不適切行為を行った者には反省を期待する

 今回発覚した不適切動画はテレビ等でも報道され、さまざまな議論が展開されているのだが、どう考えても不適切行為をした者が悪いだろう。もちろん不適切行為をした者に対する誹謗中傷はもってのほかだが、自分が店で行った行為が周りにどれだけの影響を与えるのか一度考えてみたほうがよかろう。

 ただ、今後はこの不適切行為を「無理やりやらせる」という事案が発生する可能性もあるため、慎重な聞き取り調査が求められる。

 2月8日配信の「NEWSポストセブン」によると、「スシロー」にて迷惑行為をはたらいた前出の高校生は自主退学したという。彼はこれからどのような人生を歩むのだろうか。彼にはぜひ「自分が行った行為がどれだけ愚かだったか」を感じ、大いに反省してくれることを期待する。

 そして今回の取材では「また『スシロー』を利用したい」と決意、応援したくなったと感じた一日だった。「スシロー」にはこれからも美味しい寿司を提供し続けてほしい。

(文=小林英介)

小林英介/ライター

小林英介/ライター

ライター。1996年北海道滝川市生まれ。業界紙記者として働きつつ、様々な媒体でも活動している。

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