Amazonは3月2日9時、「Amazon 新生活セール」を始めた。3月6日23時59分まで開催される。
同セールでは、「春が来る。お買い得がやって来る。」をテーマに、100万点以上の商品が“特別価格”で提供されるというのが謳い文句だ。
また、そのなかで「特選タイムセール」や「数量限定タイムセール」なども行われ、Amazonデバイス、家具、家電、PC機器、日用品、ファッション、食料・飲料など、人気の商品が“お買い得価格”で登場する。
さらにはセール開催期間中に合計1万円以上の買い物をすると、ポイント還元率がアップするキャンペーンや、Amazonネットスーパーにおいても同時期にセールやクーポンキャンペーンを実施している。
普段、Amazonで日用品を買い物している人は、まとめ買いによって家計の出費を抑え、高額な家電などの購入を検討している人は、狙っていた商品を安く手に入れられるチャンスとなるだろう。
だが、なかには価格偽装まがいの店が混じっているようだ。実はセールが始まる少し前から、一部の商品が値上がりしているのだ。
「Amazonは、2016年9月5日から2017年6月29日までの間に二重価格表示を行っていたとして、2017年12月27日付で景品表示法に基づく措置命令を受けています。実際の販売価格を上回る“参考価格”を記載し、あたかもAmazonでの価格が安いかのように錯覚させる行為です。
今回のセール直前での値上げは、それに近いものがあります。セール数時間前に値上げし、その価格を元にして、『〇%割引』と謳っているのです。以前に措置命令を受けた二重価格表示とは異なり、実際にその値段で販売していた“実績”があるので、虚偽・偽装とはいえませんが、かなりグレーな印象です。この手法も、いずれは消費者庁から指導が入る可能性はありますが、今のところは違法とはいえないのかもしれません」(流通関係者)
なかには、セールの数時間前に2割以上値上げし、セールが始まると露骨に“大幅値下げ”したような印象を与えているケースもある。特に家電などの高額商品で散見される。
このような価格偽装まがいの販売方法に騙されないためには、どのように商品を選べばいいのだろうか。
「アマゾンの商品の価格を追跡している『Keepa』というアプリがあります。スマホやPCなど、お手持ちの端末にアプリをダウンロードし、そのアプリでAmazonの該当商品を検索すると、価格の推移がグラフで表示されます。セールの直前に値上げされた場合など、不当な販売手法がないかを確認できるので、おすすめです」(同)
アマゾンジャパンは二重価格表示で措置命令を受けた際、これらの表示が一般消費者に対し実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であり、景品表示法に違反するものだったと認めている。そのうえで、顧客や関係者に多大なる迷惑をかけたことをお詫びし、再発防止に全力で取り組むとしていた。
このセール直前での値上げも、顧客の信頼を裏切るような行為ではないだろうか。該当の店舗に対しては厳正な対処をしてほしいものだ。