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竹中平蔵パソナ会長「正規社員が非正規社員を搾取」「五輪で儲けてない」に批判殺到

文=編集部
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公式YouTubeチャンネル「竹中平蔵の平ちゃんねる」で自論を展開する竹中氏

 東洋経済オンラインが2日に公開した、パソナグループ取締役会長の竹中平蔵氏のインタビュー記事『竹中平蔵「私が弱者切り捨て論者というのは誤解」ベーシックインカムは究極のセーフティーネット』がインターネット上で議論を読んでいる。2日午前、「弱者切り捨て論者」がTwitterのトレンド入りした。

 竹中氏はインタビューで、自身が“弱者切り捨て論者”と見られがちなことに対し「今の構造はある意味単純で、正規社員が非正規社員を搾取している」などと主張。“既得権益者が改革を拒んでいる”ため不平等な状態になっているとの考えを示した。

 インタビューでの竹中氏の主張に関し、Twitter上では議論が活発化。以下のような指摘が見られた。

<公務員や正規社員をコスト削減で減らして、不安定雇用である非正規社員を増やしてきた構造を作って、どちらの労働者からも搾取してるのは竹中平蔵ですよね>(原文ママ、以下同)

<竹中平蔵「今はうっぷんを持っている人が、他人の悪口を言って溜飲を下げてそれで終わり。一部のネットやメディアがまたそれをあおる。これは何も生み出さない」

 あなたがあらゆる場面で「既得権益だ!」と人々を叩いてきたことがその風潮に拍車をかけていると思いますよ>

 また、しんぶん赤旗の三浦誠社会部長は自身の公式Twitterアカウント上で次のように指摘していた。

<竹中平蔵パソナ会長「正規労働者が非正規労働者を搾取している構造」と。違います。資本が正規、非正規両方の労働者を搾取しているのです。竹中会長は正規と非正規の対立と分断をあおってます。そして資本による搾取という実態も覆い隠しています>

別の動画で竹中氏「五輪で1円も儲けていない」

 実は今回のインタビューの前振りとも思われる動画が、竹中氏の公式YouTubeチャンネル「竹中平蔵の平ちゃんねる」で11月30日に公開されていた。

 アップされた動画『ひろぞう第4弾 この動画でしか答えない質問 ロスチャイルド家との関係ほか』(上記参照)で、視聴者からの質問に回答する形で以下のように主張していた。

<Q.竹中先生は既得権益者側の方のように思います。ですが既得権を壊し改革をなさろうとされています。その原動力となっているのはなんでしょうか?

竹中平蔵氏 田舎の商店街で生まれ育って父親が近所で朝早くから店を開けて、一番遅くまで店は開けてる。真面目な職人的な商売人だった。そういう人たちがもっと普通に暮らせないんだろうかと。一方で既得権益者はやっぱりいる。

 特に皆さん地方都市にいると、そういう既得権益者がものすごくよく見える。私はそういうのが嫌で東京に出てきたし、そういうのを正したいと思って政策を勉強して生きています。だから既得権益者と戦っていると。それはもう事実。だから叩かれる。それでラベルを貼られる。

「こいつこそが既得権益者だ」。卑怯。私は政策研究者として純粋に国民みんなのためになる政策どうしたらいいかと。そうするとやはり既得権益者がそこにいるのはおかしいと。この人たちがもうすごい権力を使っていろんなことを自由にやらせない。つまり自分たちに有利な規制を守っている。規制緩和をやらせない。それはやっぱり頭にくるし、それに対してはおかしいと言い続けてる>(発言ママ)

 また、この動画では「竹中が五輪で大儲け、とYouTubeのCMで流れますが本当ですか?」との質問もあり、これに対し竹中氏は「大儲けしてたらどこにそういう証拠があるのかと。うそばっかりですよね、本当に」と反論。言論の自由に対する節度を訴えた後、次のように重ねて強調した。

「ちなみにオリンピックで1円も儲けていませんから」

なぜ“経営者”としての側面を出さないのか?

 インタビュー記事と動画を視聴した連合系労働組合幹部は語る。

「今回のインタビュー記事でも、YouTubeの動画でも共通していえるのは、竹中さんは自身のことをあくまで“政策研究者”、社会の既得権益者と戦う“チャレンジャー”だと強調していることだと思います。しかし、実際は違いますよね。インタビュー記事でも、竹中氏の経済人としての肩書が明記されていないのは、“おや?”と思いました。

 事実としてパソナグループはもちろん、オリックスやSBIホールディングスの社外取締役などの重責を担っているのだから、規制緩和や既存の権威を打ち破る“チャレンジングな学者”であろうはずがなく、竹中さん自身が”既得権益者”であり、”日本社会の権威そのもの”なのではないでしょうか。

 ご自身がどのようにお考えになられているのかわかりませんが、もう”権威や規制にあらがうチャンレジャー”の立場を強調するのは厳しいのではないでしょうか。

 また経営者のひとりとして、東京五輪に自社グループの人的リソースを大量投入して、『1円も儲けていない』というのは逆にどうなのか。つまり儲けていないのなら経営者としていかがなものかと思いますし、儲けていたのならこの発言はなんだったのかということになります。

 竹中氏が経営者と学者、二足の草鞋を履いていることを誰もが知っています。いずれにしても、学者・一個人として儲けていないということだけを押し出すのは無理があるのではないでしょうか」

(文=編集部)

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