ビジネスジャーナル > 社会ニュース > 竹中平蔵氏のGo To解説が他人事
NEW

五輪&コロナで利益爆増のパソナ・竹中平蔵会長「パーティーばっかりやってると感染者増える」

文=編集部
五輪&コロナで利益爆増のパソナ・竹中平蔵会長「パーティーばっかりやってると感染者増える」の画像1
YouTube『竹中平蔵のへいちゃんねる』より

 東京オリンピックと新型コロナウイルス感染症に対する各種政府事業の受託で、2021年5月期決算で連結純利益が前期比10倍となったパソナグループ(東京2020オフィシャルサポーター)。同グループ取締役会長で経済学者の竹中平蔵氏が、自身の公式YouTubeチャンネル『竹中平蔵のへいちゃんねる』を1日、更新した。ちなみに、今回のタイトルは『竹中平蔵【ポストコロナ】鬱屈需要爆発で日本人も爆買い!?』(動画は下記)だ。

Go Toを他人事のように解説

 視聴者からの「ポストコロナの時代についてお伺いしたい」との質問に答える形で、竹中氏は次のように語った。

「経済の世界で『鬱積需要』、ペントアップディマンドという言葉があります。今までお金を使いたいし、旅行も行きたいし、良いレストランも行きたい、鬱積していたのが一気にバーンと出てくるわけです。だからそういう鬱積需要っていうのは、私は間違いなく出てくると思います。

 皆さん去年、Go Toキャンペーンってありましたですよね。それも一種の鬱積需要だったんだと思います。その前に緊急事態宣言があって、旅行できなかった後、安く行けることになり、一気に鬱積需要がワーッと出てくるわけです。今まで落ち込んでいた需要がワーッと上がって、そしてその後冷めていくかもしれないので、経済の変動が起きるんだと思います」(発言内容ママ)

 竹中氏の鬱屈需要の解説に関し、YouTube上では以下のようなコメントが見られた。

「鬱屈需要ですか、コロナ禍中に所得が減少した人は爆買いできるのでしょうかね」

「金ないから旅行なんて行けないな〜」

 一方、竹中氏は鬱屈需要の例として政府主導の観光振興事業「Go Toトラベルキャンペーン」をあたかも他人事のように言及している。政府の持続化給付金の委託問題で、電通とパソナによる利益分与が問題視されていた直後に公表された「Go To」事業。政府の成長戦略会議の構成員である竹中氏は同事業の推進論者だった。

 昨年11月27日に放送された『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)で、菅義偉首相がGo Toトラベルと感染拡大の因果関係を否定していたことに関し、昭和大学医学部客員教授の二木芳人氏が「『Go Toトラベル』が感染拡大にほとんど影響していないというエビデンスもない」などと主張したところ、竹中氏は次のように猛反論した。

「先生おっしゃることはわかるんですけれども、政策ってそんなに完璧にできるわけないんですよ」

「(Go Toで感染が拡大したという)エビデンスがないっていうのは事実」

「7月から『Go To』がはじまっているが8月から感染者は減っている」(編集部注:10月から東京都が実施対象地域に含まれた後に関しては言及せず)

「『Go To』というのは経済を回すためには今後も大変重要な政策として位置づけられる」

竹中氏「安心して外に出てまた増える」

 再び「へいちゃんねる」の動画内容を見てみる。竹中氏は「鬱積需要」の解説後、次のように続けた。

「もう一つ考えなきゃいけないことがある。ワクチンが今、急拡大していますので、コロナの感染者・死亡者は目に見えて数カ月の間に落ちてくる。けれどもコロナとの戦いは、それでも数年間続くと考えなければいけない。

(中略)

 安心して外に出て、パーティーばっかりやっているとまた増える。それでまた行けないって言うんで、ちょっと注意して下がって、また増えて、下がって……。

(中略)

 これからワクチンの効果が出てくると思うが、数年間はコロナと付き合わなければいけない。そのためには1人1人が注意して手洗いうがいをする、大声で話さないとか、行動については個人が守っていかなければいけない」

 竹中氏は「安心して外に出て、パーティーばっかりやっているとまた増える」と語っているが、発覚して物議を醸した政府与党の「コロナ禍での政治資金パーティー」や「銀座クラブ通い」などをどう考えているのだろう。またワクチンの接種計画すら不透明だった当時、国民に対して「外に出ること」を促した要因のひとつが「Go To」ではなかったか。国民の「鬱積需要」を刺激し、そのうえで「ワクチンを打っても安心して外に出るな」という主張はどこか嚙み合っていないようにも見える。

 国交省の職員は「Go To」に関する竹中氏のスタンスについて次のように困惑する。

「『Go To』では、かねてから竹中平蔵先生は事業の正統性を主張してくださっていたので、ずっと支援して頂いているというイメージだったのですが……。動画を見る限り、距離を置かれたということなのでしょうか」

 また家賃支援給付金」の不正受給で身内に逮捕者が出て、憔悴している経済産業省の職員に、竹中氏の今回の動画を見せたところ次のように語った。

「竹中先生の話は勘弁してください。具合が悪くなりそうです」

(文=編集部)

BusinessJournal編集部

Business Journal

企業・業界・経済・IT・社会・政治・マネー・ヘルスライフ・キャリア・エンタメなど、さまざまな情報を独自の切り口で発信するニュースサイト

Twitter: @biz_journal

Facebook: @biz.journal.cyzo

Instagram: @businessjournal3

ニュースサイト「Business Journal」

五輪&コロナで利益爆増のパソナ・竹中平蔵会長「パーティーばっかりやってると感染者増える」のページです。ビジネスジャーナルは、社会、, , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!