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「相馬勝の国際情勢インテリジェンス」

香港、国際都市の機能を失う、中国の一地方都市化…米国企業の8割が撤退へ

取材・文=相馬勝/ジャーナリスト
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香港(「gettyimages」より)

 ジャーディン・マセソン・グループの傘下で、香港に拠点を置いている高級ホテル運営会社マンダリン オリエンタルの経営陣が香港から撤退することが明らかになった。ジェームズ・ライリー最高経営責任者(CEO)が英紙フィナンシャル・タイムズに「経営チームが香港にとどまることは、もはや不可能である」と語った。

 マンダリン オリエンタル ホテル グループは現在、13カ国に21のホテル(約8000室)を展開し、シャングリ・ラ ホテルズ&リゾーツや香港&上海ホテルズ(ペニンシュラ)と並び、アジアを代表する高級ホテルチェーンとして欧米でもその名が知られている。2005年12月2日にはマンダリン オリエンタル 東京が日本橋にオープンし、日本に初めて進出した。

 そのような国際的な名門ホテルグループが拠点を置いている香港から経営陣が撤退するのは、新型コロナウイルスの感染拡大により、香港が中国本土同様、厳しい「ゼロコロナ政策」を実施し、英米からの旅客機の乗り入れを禁止するなど、主要国に比べて厳しい渡航規制を続けているためだ。

 ライリーCEOは「香港駐在の主要な経営責任者は海外に出張して、香港に戻ってこられなくなってしまった。香港の最高執行責任者(COO)は15カ月前に香港を離れてから、戻ってくる予定はない。彼はいまここで何もできないのだ」と明かす。

 そのうえで、ライリー氏は「(香港は)ビジネスを行う拠点として、いまはとても貧弱な場所になってしまった。ホテルにも行けないし、お客さんにも、オーナー候補にも会えない。どこにも行けないのだ」と語っている。

 香港では政府の指示により、感染者との濃厚接触を感知する追跡アプリ「LeaveHomeSafe(家庭を安全にする)」のインストールが必要となったほか、夜間の外出禁止、自宅などのプライベートな場所でも集まるのは家族2組までに制限、理髪店の閉鎖といった措置を決めている。このため、規制がかかる前に散髪しようとする人々が殺到し、通りに長い行列ができたほどだ。

 集会の禁止は「香港の疫病状況が急激に悪化した」ことを受けたもので、香港政府は「この措置により、事実上、ワクチン接種を受け、追跡アプリを使用する意思のある人だけが、買い物やその他のビジネスを利用することができる」などと発表している。

外国資本が香港から流出

 これについて、香港城市大学の羅嘉忠客員教授(金融・経済学)は米政府系報道機関「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」の取材に、次のように語っている。

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17:30更新
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