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キリンHD迷走、なぜ海外事業はことごとく失敗?アサヒ、利益の7割が海外事業に

文=Business Journal編集部
キリンホールディングス本社のある中野セントラルパークサウス(「Wikipedia」より)
キリンホールディングス本社のある中野セントラルパークサウス(「Wikipedia」より)

 キリンホールディングス(HD)はミャンマー市場から撤退する。国軍系企業のミャンマー・エコノミック・ホールディングス(MEHL)との合弁会社2社の株式を手放す。キリンHDがそれぞれ51%ずつ出資しており、売却先などの選定を6月末までに進める。キリンHDは昨年のミャンマー国軍によるクーデター後、別の企業と組んでビール事業の継続を目指してきた。しかし、国軍系企業が一方的に合弁会社の清算を申し立てるなど進展しなかった。

 磯崎功典社長が国軍系企業トップと2月、オンラインで協議し、ビール会社の株式を手放さないとする相手側の強い意思を確認したため、撤退を決断したという。キリンHDは2015年、700億円を投じてミャンマーのビール最大手ミャンマー・ブルワリーに出資。株式の51%を保有してきた。

 ミャンマー・ブルワリーはシェア8割超という国民的ビールで、クーデター直前の20年12月期には、売上高にあたる売上収益は318億円、事業利益138億円をあげていた。キリンHDの連結事業利益の8.5%を稼いでいたことになる。海外での数少ない成功事例だった。

 だが、昨年2月のクーデターで暗転する。軍政に反発する市民の不買運動の的になるなど苦戦を強いられた。国際非政府組織(国際NGO)からは国軍系企業と関係を持つことに厳しい目が向けられた。クーデター後も事業を続けたことで、「国軍に利益を供与することになった」と、国際社会から強い批判を受けた。

 ミャンマー・ブルワリーの21年12月期の売上収益は前期比39%減の193億円、事業利益は52%減の66億円と大きく落ち込んだ。キリンHDは21年12月期連結決算でミャンマー事業に関する減損損失を466億円計上した。

 ミャンマーは民政への移管後、「アジア最後のフロンティア」と呼ばれ、多くの投資を呼び込んだ。日本は官民挙げてミャンマーを支援。円借款でインフラ整備を進めており、進出企業数は欧米に比べて大幅に多いとされる。ミャンマー進出の成功例だったキリンHDの撤退で日本企業のミャンマー離れが加速すると見られている。

中国の清涼飲料事業からも撤退

 キリンHDは中国の華潤集団と合弁で展開する清涼飲料事業からも撤退する。合弁を解消することになった華潤麒麟飲料は11年、キリンHDが4割、華潤集団が6割出資して設立された。キリンは保有する全株式を中国の投資ファンドに1150億円で譲渡する。キリンHDは22年12月期に売却益390億円を計上する予定だ。

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