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浴室で体を洗われ…ジャニー喜多川氏の性加害、おぞましい衝撃的内容が波紋:BBC番組

文=Business Journal編集部
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浴室で体を洗われ…ジャニー喜多川氏の性加害、おぞましい衝撃的内容が波紋:BBC番組の画像1
英国BBCのHPより

 8日、英国公共放送BBCは、ジャニーズ事務所創業者で元社長のジャニー喜多川氏による所属タレントへの性加害を特集する番組を放送した。番組のタイトルは“Predator: The Secret Scandal of J-Pop”となっており、Predatorには「略奪者」「人を食いものにする人」という意味もあり、そのタイトルからもセンセーショナルな内容であることがうかがえる。番組では実際にジャニー氏から被害を受けた元ジャニーズJr.のタレントたちが出演し証言。その衝撃的な内容が波紋を呼んでいる。

 ジャニー氏は日常的に「合宿所」と呼ばれる自宅にお気に入りのジャニーズJr.メンバーたちを多数招き入れ、彼らと半ば共同生活を送っていたことは広く知られている。

「ジャニーさんは生涯現役、生涯独身を貫いたが、レッスン後などに多数のJr.メンバーたちを引き連れてファミレスに行き食事をごちそうすることを何よりの楽しみにしていた。自宅でも親身に彼らの悩みを聞いたりして寝食を共にしていたので、ジャニーさんが大半のジャニタレから慕われていたのは事実」(週刊誌記者)

 今回のBBC番組に出演した元ジャニーズJr.メンバーの一人は、10代の頃にジャニー氏の自宅の浴室でジャニー氏に全身を洗われ、その後に被害を受けたと告白。さらに、複数の関係者から「これを我慢しないと売れないから」と言われたと語っている(7日付「BBC NEWS JAPAN」記事より)。

「過去に出版された元ジャニーズタレントによる告発本などによれば、ジャニーさんはお気に入りの子に寝室でマッサージをしながら、徐々にその手を下へ伸ばしていき反応を探るという手口は一致している。ただ、ジャニーさんがJr.のグループのメジャーデビューに関して決定権を握っていたことは確かだが、メジャーデビューして売れたタレントみんながジャニーさんからそうした行為を受けていたわけではない。なので、ジャニーさんと親しかったタレントのなかには、ジャニーさんが若い子たちに日頃からそのような行為を行っているなどとは考えもしないタレントも少なくない」(同)

ジャニーズ事務所とメディア界の倫理的責任

 ジャニー氏のこの問題が初めて公になったのは、1999~2000年にかけて「週刊文春」(文藝春秋)が大々的に報じたことがきっかけだった。ジャニーズ事務所側は名誉毀損だとして民事訴訟を起こしたが、04年に最高裁は「(ジャニー氏による)セクハラについての記事の重要部分は真実と認定する」との判決を下している。BBC番組によれば、その判決後もジャニー氏の行為は続いていたといい、あまりにおぞましい内容にSNS上では次のようにさまざまな反響が寄せられている。

<未成年という時点でも、問題が大きくならなかった事が異様だし、今もなお何故ジャニーズに顔色を伺い無視し続けているのか、世界にどう思われるのかマスメディアはわかっているのだろうか>

<芸能界なんてそんな世界…だと思っていましたが、やっぱりショックです。とてもショックです>

<日本の社会で、決して少なくない人間が実態を知っていてなお放置されてきたことに恐怖を覚えます>

<最高裁の判決後も新たな被害者が出ていたとなれば、事務所として加害者を野放しにした責任は重いと思う>

<裁判後も行為を続けていたという話だから、内容的に言い出しづらくて沈黙を貫いているタレントも大勢いると思います。そういった子たちの未来や、ジャニーズ事務所の芸能界での圧力を考えるとマスコミ的に見て見ぬふりと言うのが暗黙の了解だったのかなと想像します>

 テレビ局関係者はいう。

「ジャニーさんの姉で元副社長のメリー(喜多川)さんは当然ながら事実を認識していたが、事務所の存続にはジャニーさんのスターの卵を見抜いて育てる才能が必要不可欠だったため、見て見ぬふりをし続けた。その実娘でジャニーさんの姪に当たる現社長の(藤島)ジュリー(景子)さんは、ジャニーさんとの間でずっと溝があり、ジャニーさんがジュリーさんを事務所の後継者として認めていなかったことをジュリーさん自身もわかっていた。そうした背景もあり、BBCの報道を受けて今さら事務所側がジャニーさんを擁護する姿勢を見せることはないだろう。むしろ『ジャニーズはジャニーさんの会社』という世間のイメージを払拭して過去と決別する良い契機とすら捉えているかもしれない。

 スポーツ紙やテレビ局など大手メディアが今回のBBCの報道に触れることはない。ただ、所属タレントのメジャーデビューの決定権を握る経営者が、密室でデビューを夢見る未成年の男の子たちに重大な人権侵害行為を行っていたという事実は重く、そういう人物を社長に据え続けることでジャニーズ事務所が巨大企業に成長したという歴史は消えない。その事実を海外メディアによって世界中に発信された今、事務所、そして利益のために見て見ぬふりをし続けた日本のマスコミ界全体が、その倫理的責任とどう向き合うかが問われている」

 当サイトは3月3日付記事『英国公共放送BBC、ジャニー喜多川氏の性的虐待を特集…ジャニーズの暗部、海外で注目』で本件について報じていたが、改めて再掲載する。

――以下、再掲載――

 番組HP上には概要として、

「彼の事務所の少年たちから申し立てられてきた、虐待の告発の長い歴史という喜多川氏の闇の部分を、日本社会は50年以上にわたり秘密にしてきた。2019年に音楽界の大御所である喜多川氏が亡くなって以降も、日本のメディアは一様に沈黙を貫いているのは、なぜなのか?」

「日本の音楽界においてアイドルが置かれた息苦しい現実、そして喜多川氏がメディアに対して持っていた影響力について迫りつつ、多くの人が現実に目をつぶるという悲惨な実態を暴く」

と綴られている。

 ジャニー氏のこの問題をめぐっては、かつて「週刊文春」(文藝春秋)の報道が裁判沙汰に発展したこともあり、世間でも一部では認知されているが、それ以前にも元ジャニーズタレントによる告発本が世に出るなどしていた。また、ほんの数カ月前にも元ジャニーズJr.が動画配信内で関連する話をして注目を集めたばかりでもある。

 今回、BBCがどのような放送をするのか、それに対してジャニーズ事務所は何かアクションを起こすのかなど、マスコミ関係者の間でも注目を集めているが、改めてジャニー氏のこの問題に関するこれまでのさまざまな動きをたどってみたい。

転機となった「文春」裁判

 古くは1981年、当時講談社の記者だった元木昌彦氏が「週刊現代」でこの問題について書いていた。元木氏は2019年7月配信の「PRESIDENT Online」内で、当時のことを「記事が出て、講談社の社内は大騒ぎになった。ジャニーズ側が『今後、講談社には、一切うちのタレントを出さない』と通告してきたのである」と振り返っている。

 1988年11月に波紋を呼んだのは、ジャニーズ初期の人気グループ・フォーリーブス(78年8月に解散)のメンバーだった北公次の著書『光GENJIへ 元フォーリーブス北公次の禁断の半生記』(データハウス)だ。北はフォーリーブス解散と同時にジャニーズを退所していたが、北は同書のなかで「部屋で一人寝ていると黙ってジャニーさんがもぐりこんでくる。そしていつものようにぬいぐるみを愛撫するようにおれのからだをまさぐってくる」などと赤裸々に語ることで、当時現役ジャニーズとして人気を誇っていた後輩グループ・光GENJIへの忠告としたのだ。

 なお、北はその後も『光GENJIへ 再び』(89年2月)、『光GENJIへ3 みんなで考えようジャニーズ問題』(89年4月)、『光GENJIへ 最後の警告』(89年6月)、『さらば!!光GENJIへ』(89年9月)、『光GENJIファンから北公次へ』(89年12月)をデータハウスから次々と出版。

 またこの間、北に共鳴した元ジャニーズJr.の平本淳也が中心となって、元ジャニーズJr.メンバーで構成されたジャニーズ非公認グループ、新・フォーリーブス(のちに新・光GENJI、さらにSHADOWへと改名)が誕生。同グループもデータハウスから書籍『8人目の光GENJI』(89年6月)を出したり、そのうち平本個人で『ジャニーズのすべて 少年愛の館』(鹿砦社、96年4月)を出すという動きもあった。

 そんななか、1999~2000年にかけては「文春」も、ジャニー氏の問題を追及する報道を連発。記事では、同氏がジャニーズJr.に関係を強要していたことなどが報じられた。これを受け、ジャニーズ側は名誉毀損だとして東京地裁に民事訴訟を起こし、一審ではジャニー氏のセクシャルハラスメント行為が認められず、「文春」が控訴。しかし、二審ではセクハラ行為が認定され、ジャニーズ側が最高裁に上告していた。そして2004年2月、最高裁は、ジャニー氏について「合宿所で少年らに飲酒や喫煙をさせている」と報じた部分で「文春」に「損害賠償として計120万円の支払いを命じる」としたが、「セクハラについての記事の重要部分は真実と認定する」との判決を下した。

 しかし、この裁判の結果どころか、そもそもの「文春」報道自体、主要メディアは忖度してほとんど取り上げなかったため、ジャニー氏が大々的にバッシングを浴びることもなかった。

反響が広がる可能性も

 以降も、元ジャニーズなどによる告発は不定期で浮上。05年3月には元ジャニーズJr.の木山将吾が『SMAPへ―そして、すべてのジャニーズタレントへ』(鹿砦社)という、当時のトップジャニーズグループ・SMAPの名をタイトルに入れた書籍を出版していた。

「SMAPは16年末に解散したが、一連の解散騒動以降、ジャニーズ事務所の体質に批判的な声が強まった。そして19年にジャニー氏が亡くなった後、若い世代の元ジャニーズJr.が同氏にまつわる告発を展開する動きも目立つようになっていった」(芸能記者)

 21年1月、かつてジャニーズJr.内ユニット・7 MEN 侍のメンバーだった前田航気が、海外ウェブメディア「ARAMA! JAPAN」のインタビュー内で、ジャニーズJr.のなかにはジャニー氏との関係を望んだメンバーもいたと語り、「なぜなら、誰がデビューするかの決定権を握っていたから」などと発言(のちに削除)。また、元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトは22年11月、YouTubeの生配信内で「ジャニーさんがそ~っと入ってきて、添い寝みたいの始めて。で、僕の太ももマッサージしだした」「手がどんどん伸びてく、みたいな感じで」という実体験を告白していた。

「こうした情報は主要メディアがスルーしても、ネット上では注目を集めるような時代になった。今回BBCが放送する内容も、もしかすると予想以上の反響を呼び大事になる可能性もある。ただ、ジャニー氏はもう亡くなっていること、そして、現役のジャニーズタレントたちのなかに過去を思い出したくないと感じている人がいるかもしれないことを考えると、慎重にならなければいけない面はある。一方、BBCが日本のメディアの姿勢にも疑問を呈しているように、ジャニーズだけの問題ではないことも考えなければならない」(週刊誌記者)

 また、テレビ局関係者はいう。

「いくらテレビ局やスポーツ紙のジャニーズ事務所に対する忖度が弱まっているとはいえ、さすがにどの大手メディアも今回のBBCの放送内容は扱えない。一方、日頃からジャニーズと敵対する週刊誌あたりは大きく扱うかもしれないし、ネット上でも注目されて結果として大きな話題になり、それがジャニーズにとって逆風になる可能性はあるかもしれない。また、英国の公共放送が報じることによって、海外でも注目が高まる恐れもあり、海外進出を見据える事務所にとっては痛手となるかもしれない。ただ、ジャニーさんが現社長のジュリー(藤島ジュリー景子)さんを評価していなかったことはジュリーさん本人もわかっているし、ジャニーさんの問題はすでに最高裁でも認められていることなので反論のしようもなく、事務所側がBBCの放送に表立って何か対応を見せるということもないだろう。いずれにしても、ジャニーさんこの問題は長きにわたり日本の芸能界・メディア界のタブーだったこともあり、なぜ海外の公共放送が特集を組むことになったのか、その経緯は興味深い」

 この番組の放送を機に、日本の芸能界、メディア全体に何か変化が生じるとしたら、ポジティブな方向に変わっていくことを祈りたい。

(文=Business Journal編集部)

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