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リフォーム業者のミスで家が半壊、誤って解体も…「事故」生じる意外な理由

文=渡辺雅史/ライター、協力=川田賢興/イナセ代表取締役
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「gettyimages」より

 少し前、リフォーム業者のミスで実家が半壊したというエピソードがSNS・X(旧Twitter)上にポストされ1万3000件の「いいね」がつけられるなどして話題となった。また、お笑い芸人の文田大介(囲碁将棋)がテレビ番組『あちこちオードリー』(テレビ東京系)で告白した、自宅が間違えて解体されたというエピソードはネットニュースで大きく取り上げられた。住宅のリフォームや解体に関するトラブルを聞くことは多いが、実際によくあるものなのだろうか。主に水道の設備工事を行うイナセの代表取締役、川田賢興さんに話を聞いた。

「ネットで話題になったような、リフォームして家が半壊したというレベルのミスは、この業界で15年以上働いていますが、私の知っている範囲で起こったことはありませんね。ただ、間違えて壊されたというケースはたまにですが耳にすることがありますし、実際私も危うく……といったことが何件かあります」

 なぜ間違えて壊されるのか。

「アパートの空き部屋の水回りをリフォームしたときの話なんですが、修理するときに元請の方が103号室を修理したかったのに、工事の書類に203号室と書いて、203号室の鍵を渡されたことがありました。そのときは203号室のほうもたまたま空き部屋で。先方と『修理した』『してない』でもめて、書類を確認したら部屋番号が203と書いてあって。どちらの部屋もお住まいの方がいなかったのが不幸中の幸いでした」

 多数の物件を管理する会社であれば、ミスは起こりやすいということか。

「とはいえ、私が請け負った仕事でこのようなトラブルは5年に一度あるかないかのもの。そう起こるものではありません」

 ただ、部屋が汚すぎる場合はリフォームで壊されてしまうリスクが高まるという。

「ゴミ屋敷レベルに汚い場合、まだ人が住んでいる部屋なのか、夜逃げしていなくなってしまった家なのかの判断がつかない。もし元請の方が間違えて指示した部屋が人の住んでいるゴミだらけの部屋だった場合、リフォーム工事が始まってしまう可能性もあります。最近はスマホで手軽に写真を送信できるので、元請の方に画像とともに『入ったら、部屋がこんな感じだったのですが、工事を始めて大丈夫ですか?』といった確認のメールが手軽に送信できるので間違いは減りましたが、汚過ぎたら元請の方も夜逃げと勘違いして『リフォームしてください』と指示してしまう可能性があります」

持ち家はリフォーム後のトラブル発生も

 そんな場合の対処法はあるのか。

「私の場合、部屋で人が生活しているかどうかの最終判断は電力メーターの回り具合を見て行うので、冷蔵庫やテレビなど、電化製品を常に電力を消費するものを何点か使って人が住んでいますというアピールをしていただくとありがたいですね。あとはアナログな方法ですが、まだ賞味期限内のパンが置いてあるとか」

 賃貸物件の場合は、管理会社も鍵を持っている。不在中に間違えて部屋で工事を始めさせないためには、人が住んでいる感じを出して工事業者に『本当にこの部屋で合っているのか?』と思わせることが重要なのだ。

 では、持ち家の場合はどうなのか。

「不在にしていたら『約束した期日なのに変だな?』となるので、勝手に工事されるといったリフォームのトラブルはないと思います。囲碁将棋の文田さんのような解体となると防ぎようがないですが……。それより持ち家の場合は、リフォーム後、しばらくしてから発生するトラブルがあります」

 一体どんなトラブルなのか。

「ベランダに人工芝を張るリフォームをする際、見た目がスッキリするという理由からか、排水の蓋の上にも人工芝を覆ってしまうよう指示する方がたまにいます。また、床下収納庫を使わないという理由で、収納庫の蓋を埋めてしまう方もいます。家は排水の流れも計算されて設計されるので、このようなリフォームが原因で排水がうまくいかなくなり、柱が腐ってしまうなんてトラブルをよく耳にします」

 ネットで話題となったレベルの家のトラブルは、自力で防ぐことはできないかもしれないが、リフォームを行う際のトラブル回避法や、工事する部屋を間違えさせない工夫はいろいろできそうだ。

川田賢興/イナセ代表取締役

川田賢興/イナセ代表取締役

伊奈、蓮田、上尾、さいたま市を中心にガス設備、トイレリフォーム、給湯器、オール電化、水漏れ修理、水回りのリフォーム、などの住宅設備機器を中心とした自社施工にこだわり設置施工販売している
株式会社イナセのHP

Twitter:@kawaken1985

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