2022年の12月24日、ドミノ・ピザは注文が殺到してパンク状態となり、ネット上では「夕飯に食べようと思って予約していたのに深夜に届いた」など、予約した時間に受け取れなかったとの声が続出した。それから1年、2023年のクリスマスイブはどうだったのだろうか。
ドミノ・ピザは2021年12月8日に全47都道府県への出店、2022年3月22日に900店舗、そして2023年10月10日には1000店舗目の出店を達成し、名実ともに日本の宅配ピザ業界で売上・店舗数No.1である。
デリバリー用のバイクは日々進化を遂げ、配達中に形が崩れたりソースがこぼれるといったことも少なくなっている。ネットやスマホでの注文も利便性が上がっただけでなく、電話や店頭注文より得になるクーポンなどもあり、ドミノは気軽に食事をするための選択肢の上位にあるという人も多いだろう。
そんなドミノも、キャンペーン時には注文が殺到して、急に受注を打ち切ったり、予約した時間に商品を受け取れないといった混乱がたびたび起きている。2022年6月以降、「1枚買うともう1枚無料でもらえる」「Lサイズを1枚買うとSサイズを2枚無料でもらえる」といった値引きキャンペーンが計6回行われたが、そのたびに生産が追い付かないほどの注文が入り、ネット上では不満の声があふれた。
また、昨年12月29日にはドミノ史上初めて福袋を発売するとしていたが、クーポン番号の発行にミスがあったことが判明したとして、発売延期(1月下旬に販売予定)を発表する事態になっている。
特に大きな混乱が見られたのは、昨年12月24日のクリスマスイブのことだ。「予約していた時間に受け取れなかった」など、予約時間に商品を受け取れなかったとの声がSNSなどで多く見受けられた。なかには、「事前に申し込みをしていたのに3時間待ちだった」というケースもあったようだ。
実はドミノでは例年、クリスマスなどのイベント時に注文が殺到する傾向がある。1年前の2022年にも同様の声が噴出していたが、同社では十分な対策を取っていなかったのだろうか。
Business Journal編集部は、ドミノ広報に質問を投げてみた。
――クリスマスイブに「予約していた時間に受け取れなかった」といった声が散見されました。1年前にも同様の事態があったかと記憶しておりますが、対策は取られなかったのでしょうか。
ドミノ・ピザ広報「クリスマスイブにお客様にご迷惑をおかけする事態が発生したことに関しては、真摯に受け止め、お詫びいたします。ご迷惑をおかけし、申し訳ございませんでした」
――店舗ごとのキャパを超えて注文を受け付けているという状況かと思われますが、一定数で受注を打ち切るといったことはできないのでしょうか。今後の対策などを検討していらっしゃれば、ご教示ください。
ドミノ・ピザ広報「1年前の経験も踏まえ、今年は、しっかりオペレーションできる販売予測を立てたうえで、その予測を超えたご注文が入らないように制御しておりました。他にも、受付システムを増強するなど新たな対策を取っていました。
さらに、当日は、店舗だけではなく、バックオフィスでもお客様対応ができるよう、ソーシャルメディアを通して直接お客様とコンタクトを取らせていただき、解決できる体制も整えていました。これらの改善もあり、昨年よりお客様から寄せられたクレームの件数を減らすことができました。
しかし、一方で、一部の店舗において、オペレーションを予定どおりに上手く行うことができず、結果として、お客様を長時間お待たせするなど、ご迷惑をおかけすることになっていましました。大いに反省しております。
今後は、今回のお客様からのご指摘を真摯に受け止め、繁忙期のオペレーションの方法について、一層改善を図っていくこととしております」
業界最大手だからこそ、注目度も高い。不備があれば、瞬時にネット上で広まる時代だ。今年のさまざまなイベント時に、ドミノがどのような対策を取るのか注視したい。
(文=Business Journal編集部)