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中沢光昭「路地裏の経営雑学」

こんなダメ大企業でも潰れない謎?ムダな会議&市場分析を延々、ダメ社員でも冷遇されず…

文=中沢光昭/経営コンサルタント
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 また会議が「表彰台」のような意味合いを持っていることもあります。あの会議に出る立場になった、という社内ステータスのような側面です。一昔前は社歴の長い社員のためにポストや子会社をつくったりしている日本企業はたくさんありましたが、最近ではなくなりつつあります。その上で出席する会議が絞られてしまうと、会社員生活の節目節目を実感できるような場が減っていき、モチベーションの維持がまた難しくなってしまいます。

 そんなに秘密事項を扱っているわけでもない会議・報告会を、同じ内容で階層別に分けて1日中やっている会社を見た時、筆者は「どうして1回で済ませないのか」と不思議で仕方がありませんでした。しかし、「会議とは表彰台なんだ」と捉えた時に、その謎が解けました。

(2)情報が揃わないとジャッジしない

 社内の雰囲気が停滞した大企業では、限られた情報から判断して行動を起こすことは少ないです。そういう局面を迎えないまま、経験を積まないまま月日が過ぎてきたからです。背景には、褒められる報告書、情報が整っている稟議書を書くこと自体にウェイトが置かれていることがあります。将来はわからないのに市場の成長率を延々と議論したり、競合他社情報の網羅を求めたりします。もちろんある程度は必要ですが、意思決定を大きく遅らせるほど重要ではなかったりします。

 例えば、営業担当者の調査能力には限界があるのにもかかわらず、競合他社がどれだけ値引きしているかといった実態状況を、わかる範囲どころか端から端まで埋めることを求めたりします。情報を大量に集めた状態で下す判断も、逆に現状のわかる範囲で下す判断も大差ないのにもかかわらずです。

 まず何よりも“上”に情報を上げるときに体裁が整っていること、社内ルールを脱していないことに重きが置かれます。そうすることで、“下”の人間は結果に対する責任からは一定程度解放されます。稟議書や報告書に求められる項目が埋まっていること自体が大事なのです。

 稟議書を最終チェックするのは管理系部門ですが、そうした部門の機能が強すぎると企業は硬直化し、働いている人にとってはつまらない場になるかもしれません。しかし弱すぎると、働いている人は裁量があってエキサイティングではありますが、会社自体がおかしくなるリスクは高まります。企業組織にとっては、なかなか難しいバランスの問題です。

(3)欠点は、お互いに責めない

 企業では、どの部門もだいたいはスネに傷があります。部署全体のパフォーマンスが時期によって悪いこともあれば、デキの悪い社員が何かをやらかしたりもします。健全な企業であれば、それは「解決しなければならない課題」だと捉えます。しかし、硬直化した大企業では、もし他部門を責めてしまうと、いつ自部門が責められるかわからないという発想になります。そのため、あまり他部門を責めません。

中沢光昭/株式会社リヴァイタライゼーション代表

中沢光昭/株式会社リヴァイタライゼーション代表

企業再生コンサルタント兼プロ経営者。
東京大学大学院工学研究科を修了後、経営コンサルティング会社、投資ファンドで落下傘経営者としての企業再生に従事したのち、上場企業子会社代表を経て独立。雇われ経営者としてのべ15期以上全うし、業績を悪化させたのは1期のみ。
事業承継問題を抱えた事業会社を譲受け保有しつつ、企業再生とM&Aをメインとしたコンサルティングおよび課題内容・必要に応じて半常勤による直接運営・雇われ経営者も行う。シードステージのベンチャー企業への出資も行う。
株式会社リヴァイタライゼーション 代表・中沢光昭のプロフィール

Twitter:@mitsu_nakazawa

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