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“投資の神様”が日本株をすべて売った理由…「コメ等への高関税で日本人が多大な不利益」

構成=大野和基/ジャーナリスト
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「米中貿易戦争の激化→世界同時株安」までのシナリオ

――米中貿易戦争がさらに激化した場合、基本的には世界経済が没落するきっかけになると述べていますが、「米中貿易戦争の激化→世界同時株安」までのシナリオは、どのように進んでいくと考えていますか。

ロジャーズ 貿易戦争がどこかの国にプラスになった例は過去にありません。歴史を見ると、貿易戦争で勝つ国はないのです。トランプ大統領は、自分を歴史より賢いと思っており、貿易戦争でアメリカが勝つと思い込んでいるようです。しかし、トランプは間違っています。今、米中は交渉中だが、いずれ中国は農産物やエネルギーなどを、世界中からさらに多く買うようになるでしょう。

 残念ながら、アメリカ経済が来年か再来年“厄介な事態”に陥ると、トランプはそれを外国のせいにするでしょう。そして2020年の大統領選に勝つために、特にアジア人を悪者にするでしょう。良いニュースも出てくると思いますが、それは一時的なもので、次のリセッションが予想通りやってきたときは、ひどい世界同時株安が起きるでしょう。原因は、膨れ上がる国の借金と貿易問題です。

――そうなった場合、日本経済には特にどのような産業や企業に影響が出てくると思われますか。

ロジャーズ 大企業はすべてマイナスの影響を受けます。「日本の自動車はよく売れる」という事実をトランプは嫌いです。日本の自動車産業は、かなり痛手を受けるでしょう。鉄鋼、アルミニウムも同じです。自動車産業のように、日本の企業が調子いい分野は、すべてマイナスの影響を受けるでしょう。それが日本経済を失速させ、世界経済も失速させます。そして世界経済が失速すると、貿易戦争に関係のない産業までもがマイナスの影響を受けます。

――一方、米中貿易戦争で「利を得る」のがロシアだというご指摘も興味深いです。

ロジャーズ この貿易戦争でアメリカは、中国とロシアに圧力をかけています。その結果としてトランプがロシアを再び偉大にしています。そして中国も同様の恩恵を受けるといえます。おそらく毎朝、ロシアの農民は目を覚まして、トランプに感謝しているでしょう。状況が良くなっているのはトランプのおかげだからです。

――ほかに米中貿易戦争で「恩恵」を得る国はありますか。

ロジャーズ イランです。これらの国は、貿易戦争でアメリカが圧力をかけることで、さらに強くなっています。貿易戦争はアメリカの助けにはなっていないのです。この3カ国がますます近くなり、強くなっていくだけです。

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