20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が28、29日にインテックス大阪(大阪市住之江区)で開かれる。開催による大規模な交通規制に伴い、規制されない一般道や鉄道に大きな混雑が予想され、大阪府教育委員会は27、28日にすべての府立学校を休校すると発表した。理由としては「子どもの通学上の安全確保のため」としている。
府の決定に追従するかたちで、大阪市教育委員会も同様の措置を取ることになり、市立の幼稚園、小・中学校、高校すべてが休校となる。その余波から府立、市立以外の学校も多くが休みとなり、特に保育所に通う小さな子どもを持つ共働きの保護者からは、「平日に仕事を休むことができない」「市民に直接関係のないG20のため保育所が休みだからと説明しても、職場の理解を得ることが難しい」などと対応に苦しむ声が上がっている。
メーカー勤務の女性(37)は「小学2年の長男(8)を長時間ひとりで留守番させるのは心配。民間託児所に預けるとなれば、29日土曜日を含めると、土日祝日料金が加算され家計が苦しい」と嘆く。
府は不要不急の外出を控えることも呼びかけている。子ども2人を幼稚園に通わせているパート勤務の女性(33)は、仕事の休みを取った上で、「子供が退屈しない家での過ごし方」について頭を抱えている。日中何もせずにいると、夜の睡眠に支障が出て生活リズムを崩すためだ。
インターネット上でも、
「G20あるから学校は木金休みやけどテスト期間と被ってるから困る」
「G20議長国を初めて日本がやるとのことで、大阪全体がピリピリしてる。雰囲気が怖い感じもある」
「月末のG20の影響で学校が休みになる息子は、15日の土曜に午前授業が行われ、22日も同様に行われるらしい」
などと困惑の声が多数見られる。
市教育委の見解
教育現場では今回の連休で授業時間が減ることも悩みの種である。教育長の名で出された文書では、29日(土)と30日(日)に振替授業などを行わないよう記述されているが、具体策は各学校に一任のようだ。
大阪市教育委員会事務局指導部は、当サイトの取材に対し次のように述べる。
――府立に加え市立も休みにした理由は?
「児童の安全を期すためです」
――苦情などは出ている?
「ほとんどないです。うちに直接という話でしたら、特に来ていない」