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“世界的文化遺産”大阪・飛田新地、アメージングな土地の実態…写真撮影絶対NG

文=秋山謙一郎/経済ジャーナリスト
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 最近、大阪の“歴史的文化”がにわかに脚光を浴びている。

 大阪府堺市にある仁徳天皇陵を含む「百舌鳥・古市古墳群」がユネスコの世界遺産に登録される見通しになったという話題が冷めやらぬなか、さらなるホットなニュースが流れた。全国でも有数の歓楽街として知られる「飛田新地」(大阪市西成区)が、G20大阪サミット開催期間中の6月28日、29日の2日間“全店休業”するという。その理由は、店舗側が「サミット開催による交通規制で、従業員たちの出勤に自信が持てないから」という。

 この話題に、地元関西では異様な盛り上がりをみせている。今回、そんな地元民ならではの“知られざる飛田新地”への思いをお伝えしたい。

大阪が誇る本当の文化遺産?

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「なんでや?もったいない!G20で来はる世界のエライさんにも見せたってほしいわ。きっと喜んでくれはると思うで。仁徳天皇陵だけやない、飛田こそ大阪が誇るホンマの文化遺産やないか!」

 こう語るのは、数多くある“男の遊び”に精通した50代後半の独身男性だ。今やベテランの域に達した“夜の戦士”である彼が、その初陣の場として選んだのは、言わずもがな飛田新地である。時はバブル真っ只中、街は活気に満ちていた。高校卒業後すぐの18歳、就職して初めてもらった給料袋の封も切らずジャンパーの内ポケットに入れて、“デビュー戦”へと飛田新地に足を運んでから、「飛田通い」は早35年を超えた。

 その彼が、数ある“男の遊び場”のなかから飛田新地に選んだのにはワケがある。

「余計なことを話さんでもええからや。ほかの風俗店なら、いくら客やいうても、ついてくれたお姉ちゃんに気を遣わなならん。時間も長い。その分、カネもかかる。せやけど新地は違う。短い時間で思いを遂げて、ハイ、サヨウナラや。それが俺の性に合うとった」

飛田新地が「男のロマン」を掻き立てるワケ

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 現在、関西には、飛田をはじめ、松島(大阪市西区)、信太山(大阪府和泉市)、滝井(同守口市)、かんなみ(兵庫県尼崎市)の新地がある。いわゆる「五大関西新地」だ。そこに今里(大阪市生野区)を加えて「六大新地」と呼ぶ向きもある。

 この五大とも六大ともいわれる関西の新地のなかでも、優に約160店舗を誇る規模、そして大正や昭和初期の時代を今に伝える長屋づくりの日本家屋が立ち並ぶ飛田は、数ある新地のなかでも頭ひとつ抜けた別格的存在として、遊び慣れた夜の紳士たちの間で認識されている。これは昔も今も、そしてこれからも変わらないという。前出の男性がその理由を語る。

「言うなれば飛田は新地、いや男の遊び場のなかでも聖地やな。ほかの風俗にはない非日常感が、男のロマンを掻き立てるんや」

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