吉本興業だけではなく、バラエティー業界全体を揺るがす大問題にまで発展した“闇営業”問題。オレオレ詐欺を手がけていたという反社会的勢力が主催するパーティーに参加しただけでなく、当初は否定していた「金銭の受領」も発覚し、雨上がり決死隊の宮迫博之やロンドンブーツ1号2号の田村亮ら、売れっ子芸人を含む計11人の吉本所属芸人が謹慎処分となった。
また、闇営業問題をスクープし続けている「FRIDAY」(講談社)6月28日発売号の報道で、スリムクラブのふたりが稲川会幹部の誕生会に参加していたことが発覚。当該号発売前にスリムクラブのふたりは無期限の謹慎処分を言い渡された。吉本興業の芸人とも親交の深いある放送作家は次のように語る。
「スリムクラブのふたりは沖縄出身で、いい意味でも悪い意味でも非常に大雑把な性格。反社会的勢力の誕生会であっても、なんくるないさ~の精神で参加してしまったのでしょう。特に真栄田は、「愛人が8人もいて不倫回数は100回を超えている」などと、とある番組でカミングアウト。社会人としての基本的なルールを理解しているとは思えません(笑)。一時期は売れていたふたりですが、最近は人気も下降気味。女遊びにもカネがかかるから闇営業に勤しんだ……という典型的な“昭和の芸人”のパターン。そもそも落ち目なふたりですから、復帰できたとしても売れっ子芸人に返り咲くことはなかなか難しいでしょうね。
先に謹慎処分となった2700や天津木村もそうですが、一回売れてギャグや鉄板ネタがある芸人は、闇営業に呼ばれやすい。彼らも一時期はいい生活をしていたわけですから、一回も売れてない芸人よりも、むしろお金に目がないともいえます。しかし、宮迫さんや田村亮さんは収入も十分にあるのに、なぜ闇営業でギャラをもらってしまったのか……理解に苦しみます。魔が差したとしかいえませんね」
加地倫三Pの“天下”もついに終わる?
売れっ子芸人たちがレギュラー出演している『アメトーーク!』『ロンドンハーツ』(ともにテレビ朝日系)、『探偵!ナイトスクープ』(朝日放送系)などは本人の出演シーンをカットして放送。テレビ局の担当部署は、寝る暇もないほど対応に追われているという。
「ほんと、『アメトーーク!』で“闇営業大好き芸人”として特集できるほどのメンツですからね(笑)。テレビ局も、さすがにお蔵入りさせるほどの時間も予算もなく、徹夜して再編集をやったと聞いています。1994年に板尾創路さんが未成年との淫行で捕まったときもレギュラー番組を編集してオンエアしましたが、そのときは非常に雑なモザイクでひどい仕上がりが話題になりました(笑)。しかし今回は、ちゃんと宮迫さんの音声などもラインから消し、カット割りこそややいびつでしたが、拡大したり分割を繰り返したりして、宮迫さんや田村亮さんがあたかも存在しないかのようにしっかり編集ができていた。まさに技術の進歩を感じましたね……。でも、そんな編集されまくった『アメトーーク!』(6月27日に放送された「ネタ書いてない芸人」)では、『ゴールデンウィークに闇営業があるんです』と別の番組で公言していたコロコロチキチキペッパーズのナダルが普通に編集でカットされずに出演していて、強い違和感を覚えました。
『アメトーーク!』と『ロンハー』はテレ朝の加地倫三さんプロデュースですが、ただでさえ『ロンハー』が深夜になってもゴールデンのときと同じことをやっているなどと不評で、『ついに加地さんの天下も終わるのでは』と業界内では囁かれています」(前出の放送作家)
吉本興業がますますブラック企業化
気になるのは、この“闇営業芸人”の連続スクープがいつ終わりを迎えるか、だ。吉本興業に近いあるバラエティー番組のスタッフは次のように語る。
「一回売れて仕事が激減した芸人や、大阪でくすぶっていた芸人はかなりの確率で闇営業していた可能性が高い。いま、どの局も冠番組の企画書を持参して争奪戦を繰り広げている千鳥などはまさにそれに当てはまるため、吉本が必死で聞き取り調査をしているとか。ボケの大悟が酒好き女好きギャンブル好きなので、カネに困っていたことは有名な話。ふたりは芸人としてのプライドは昔から高いため、まさか闇営業をしているとは思えませんが、もしそんな事実が発覚したら、たとえ飛ぶ鳥を落とす勢いの彼らであっても、吉本は無期限謹慎処分にするでしょうね。
2025年の大阪万博を笑いの力で成功させようというのは吉本の“悲願”であり、日本を代表する芸能プロダクションとして、これからは反社会的勢力とのつながりは一切持たない、というのが吉本の揺るぎないスタンス。いま、テレビにほとんど出たことがない若手も含め、芸人たちは連日、新宿の本社に呼ばれて聞き取り調査をされているとか。この4月に労働基準監督署から是正勧告を受けた吉本ですが、今回の件で社員らは不眠不休で対応に追われており、闇営業騒動のせいで、これまで以上にブラック企業になった……などと失苦笑し合っているそうです」
お笑い業界を包み込むほど巨大な“闇”が白日のもとにさらされて数週間。果たしてこの闇が明ける日は本当に来るのだろうか?