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リニア新幹線製造の日本車輌、脱線事故で配線ミス発覚…JR東海と東京メトロにも車両納入

文=編集部
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日本車輌はJR東海の系列入り

 鉄道車両製造業界は日立製作所、川崎重工業、日本車輌、近畿車輌と非上場の総合車両製作所(旧・東急車輌製造)の5社で構成されている。鉄道車両専業3社はJRとの結び付きを強めることによって、生き残りを図る。

 日本車輌は1896年に名古屋市で創業した老舗である。輸送用機器、鉄構、建設機械等、多角化を進めてきたが、鉄道車両の売り上げが全体の40%強を占める。

 08年8月、東海旅客鉄道(JR東海)と資本・業務提携した。JR東海がTOB(株式公開買い付け)を実施。1株300円、総額262億円を投じ株式の50.1%を取得。JR東海の連結子会社に組み入れた。

 JR東海にとって、日本車輌は新幹線や在来線の車両の主要な供給元。連結子会社とすることで、超伝導リニアモーターカー用の車両の技術力を高める狙いがある。

 近畿車輌は近鉄グループ(出資比率は14%)で、JR西日本が出資(同4.9%)している。総合車両製作所はJR東日本のグループだ。

 新幹線車両は色分けがはっきりしている。JR東日本は日立と川崎重工の2強。JR西日本は川崎重工が主力だ。JR東海は日本車輌が圧倒的に強い。日本車輌はJR東海が建設を進めているリニア中央新幹線の車両を供給することになっている。

 日本車輌の19年3月期の連結決算は、最終損益が91億円の黒字(18年3月期は82億円の赤字)だった。黒字は5年ぶり。エンジニアリング事業の採算が改善したほか、前期に計上した米国の大型鉄道車両の受注に絡む特別損失がなくなったことが寄与した。売上高は前期比4%減の911億円。

 20年3月期の売上高は19年同期比5%減の870億円、最終利益は73%減の25億円と大きく落ち込む。東京五輪関連工事の需要が減り建設機械が落ち込むほか、輸送用機器、鉄構事業も官公庁向けが減る。

 台湾の特急電車の脱線事故の損害賠償がどうなるかは見通せない。20年3月期は東京メトロ丸の内線への車両の納入もあるが、台湾の事故の決着のつけ方次第で、減益幅はさらに拡大するかもしれない。
(文=編集部)

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