雨上がり宮迫引退で終わらせたい…大崎会長インタビューに見る吉本の旧態依然とした本音

　7月19日発売の「FRIDAY」（講談社）に掲載された「宮迫博之 半グレ金塊強奪犯と『ギャラ飲み』現場写真」なる記事によって、雨上がり決死隊・宮迫博之による新たな闇営業疑惑が明らかとなった。同誌によれば、2016年7月に福岡県福岡市で発生した約7億6000万円の金塊窃盗事件で窃盗罪に問われた人物らとの記念撮影に応じ、男たちから現金で謝礼を受け取っていた、と報じている。

　先の闇営業報道で「100万円を受け取っていた」ことを正式に認め、6月24日より謹慎中だった宮迫。今回の報道ですでに自身のことについては“観念”したのか、「後輩たちをどうにか復帰させてほしい。僕は責任を取って引退します」と吉本興業に申し出たといい、7月19日付で契約解消が発表された。ある芸能プロ関係者は次のように語る。

「今回報じられた疑惑に関しては、『現金なんか受け取るわけがない』と宮迫さんは否定しているそうです。しかし前回の闇営業疑惑でも最初は『金銭の授受はなかった』と嘘をつき、最終的に『100万円を受け取っていた』と認めるまで1カ月半もかかった。もはや彼の弁明は誰も信じませんよね。闇社会との黒い交際で引退した島田紳助さんはある意味では潔かったと思いますが、宮迫さんは最も親しかった後輩芸人のたむらけんじさんからも涙ながらに『なんで嘘ついたんや』と番組内でバッシングされるほどですから、このまま芸能界にしがみついていても仕方ないと観念したのでしょう。

　しかし、今回『FRIDAY』誌に掲載された半グレ集団との集合写真が撮影されたのは2016年のことですから、宮迫さんは『バイキング』（フジテレビ系）にレギュラー出演していた頃。生の報道番組のMCをしている時期に入れ墨だらけの男らと記念撮影をしていたということになる。その上“お小遣い”までもらっていたのだとすれば、実際問題、どうかしているとしか思えません」

「契約書を結んでしまうと、やりづらい」

　さかのぼること7月13日、吉本興業ホールディングス会長である大崎洋氏（65歳）は、朝日新聞、毎日新聞、時事通信など既存の大手メディアから、NewsPicks、Business Insiderなどの新興系ウェブメディアの取材に、それぞれ単独インタビューという形でいっせいに対応。13日土曜からの連休中にそれらの記事がいっせいに掲載・公開され、闇営業問題ついて率直に語ったその内容が、大きな話題となっていた。

　当該記事を読んだというある週刊誌記者は次のように語る。

「今まで沈黙を貫いてきた大崎会長が、『闇営業』について初めてきちんと語ったという意味では非常に意義のあるインタビュー記事でしたが、読後の印象としては、『やはり吉本は今後も変わらない』という感じでしたね。各メディアがそれぞれ大崎会長に斬りこみ、闇営業問題でやり玉に上がった『タレントと紙ベースでの契約を交わしていない』という問いも投げかけられていましたが、それに対し大崎会長は、『紙で交わさないだけで口頭では契約を結んでいる。民法上はそれで問題ないし、それが吉本らしさ』と、今や大企業となった会社の会長とは思えない発言に終始していました。

　各メディアよるそれらのインタビュー記事を読むと、結局『契約書を結んでしまうとお互いにやりづらくなる』という吉本側の思いが透けて見えるというか、“働き方改革”が叫ばれるこの時代とはいえ、所属タレント6000人のすべてに対して契約書を結べるわけがないという吉本の“お家事情”が伝わってくるような内容でしたね。本来なら、売れっ子芸人とだけ契約書を結んで、それ以外のタレントについては“人減らし”をしたい……でもそんなことをやれば、日本全国にある劇場や営業先での興行が回らなくなる……という吉本ならではの事情があり、だからこそ、紙での契約書など結ばず、ふわっとした関係であり続けることこそが、吉本にとっては都合がいい、ということなのでしょう」

　企業としての在り方について大崎会長が熱弁すればするほど、吉本興業の“古い体質”と“お家事情”が露呈する格好となった一連のインタビュー記事。今回の宮迫引退で、闇営業騒動の幕引きとなるのか？　引き続き注目していきたい。
（文＝藤原三星）/p>