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たとえば、このキャンペーンにかかるコストは、200円マックの原材料費が30%と仮定すると、60円×30万人=1800万円であり、昨年度の販売促進費として11億円、そして広告宣伝費として59億円を計上しているマクドナルドにしてみれば、微々たるものです。このコストで数多くのメディアに取り上げてもらうことができるのなら、費用対効果は相当に高いという算段を立てることもできるのです。
続いて2つ目には、インターネットによる拡散を狙っているという点です。
今回のキャンペーンは、誰でも無料でハンバーガーがもらえるわけではなく、おてごろマックの愛称にちなんで、「エグチ」「バベポ」「ハムタス」という名前、もしくはニックネームを持つ者のみが対象になっています。「エグチ」はともかく、「バベポ」「ハムタス」という名前の人は恐らく存在しないでしょうから、わざわざFacebookやTwitterなどのSNSで名前を変更して無料のハンバーガーをゲットしようとする人が続出すると睨んでいるのです。結果として、一気におてごろマックのラインナップの愛称がソーシャルネットワーク上に拡散し、コストをかけずに口コミでより多くの潜在顧客に伝わるというシナリオが描けるのです。
そして最後の3つ目には、クロスセリングによって、トータルで利益を上げることを狙っているという点です。
一般常識から考えて、無料のハンバーガーだけをもらいに来店するというのはなかなか気まずいものです。そこで、店員から「ポテトとドリンクもご一緒にいかがでしょうか?」と声を掛けられれば、ハンバーガーが無料なだけに追加で注文する顧客も一定数に上るはずです。
マクドナルドでは、特にポテトやドリンクの原価が低く、もし定価でポテトやドリンクを追加した場合は、ハンバーガーを無料で提供したとしてもトータルで利益が出る可能性があるというわけです。
このようにハンバーガーは無料で提供しますが、マクドナルドとしてのコストは最小限にとどめられるどころか、うまくいけば十分なメリットを享受することもできるキャンペーンともいえるのです。
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