10月15日、日本マクドナルドのサラ・カサノバ社長は新製品の発表会で、「10年前の『100円マック』登場以来の大きな変化だ」と自信を持って新たなメニューの投入を発表しました。
発表によれば、10月26日から“200円マック”として「エッグチーズバーガー」(略称:エグチ)、「バーベキューポークバーガー」(バベポ)、「ハムレタスバーガー」(ハムタス)の新たな3種類の商品ラインナップの提供を開始。これら200円マックとサイドメニュー、ドリンクをセットにして500円で提供するメニューを「おてごろマック」と銘打ち、顧客獲得の旗頭とすることを表明したのです。
おてごろマックで顧客が戻ってくるかどうかは未知数
マクドナルドは東日本大震災以降、顧客のトレンドの変化が読み切れずに今年9月まで2年5カ月にもわたって顧客減少が続いています。
特に客離れを決定づけたのが、2014年7月に起こった仕入先の消費期限切れ鶏肉使用問題と、今年1月に発覚した異物混入事件。これらの事件により、マクドナルドのイメージは極端に悪化し、1月には顧客数が前年同月比28.5%のマイナスに落ち込むなど、深刻な顧客離れに悩まされることになるのです。
ただ、売上減自体は8月に一旦前年同月比2.8%のプラスに浮上するなど底を打った感はありますので、これからの巻き返しに満を持して投入したのがおてごろマックということができるでしょう。
しかし、このおてごろマックで顧客を呼び戻すことができるかどうかは未知数といえます。
というのも、今回おてごろマックの500円セットを導入するのに伴い、これまで人気の高かった昼マックの廃止を決定したからです。顧客の声を拾ってみると、昼マックが廃止されればマクドナルドに行く頻度も低くなるという意見も少なからずあります。
昼マックは350円、450円、550円のプライスラインで展開し、最低価格を比べれば、おてごろマックは150円も高い価格設定になっているのです。
「ランチ500円戦争」におてごろマックは勝利することができるか?
消費者が1回のランチに使う平均予算は500円前後ということを考えれば、おてごろマックの価格設定は、その平均予算を狙ったものといえるでしょう。
ただ、この500円という価格帯には、強力なライバルがひしめき合っています。たとえば、ファミリーレストランのガストのランチは税別ではありますが、499円に設定されています。また最近では、全国41以上の都道府県の各都市で通常価格が700円から1000円程度のランチがワンコインの500円で食べられるランチパスポートも、女性男性を問わず人気を博しています。