ハンバーガーチェーン最大手のマクドナルドは、2014~15年にかけて異物混入や消費期限切れ鶏肉の使用といった不祥事を相次いで引き起こし、苦境に陥っていた。
しかし、問題を受けたマックはメニューのリニューアルや、店舗でのサービス向上といった企業努力を続け、業績を大きく回復させた。その勢いは、現在でも止まるところを知らず、19年1~6月期の連結決算では、営業利益が前年同期比10%増となる146億円だったことを発表した。
安価でハイクオリティという、コストパフォーマンス的におすすめできる商品を多数提供し、再び支持を集めるにいたったマック。しかし、なかには“安かろう・悪かろう”というメニューや、品質に比べて割高という商品も少なからず混じっているのだ。
そこで今回は、メニュー選びで後悔しないように、「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」が実食やネットの評判を参考としながら、「この秋、買ってはいけないマックのメニュー」を5品セレクトした。さっそく見ていこう。
【この秋、買ってはいけないマックのメニュー5選】
チキンチーズバーガー/200円(税込、以下同)
“チキチー”という愛称でも知られる「チキンチーズバーガー」は、スパイシーかつ歯ごたえの良いチキンクリスプパティと豊富なレタス、スライスチーズ、マヨネーズソースを、バンズで挟み込んだバーガーだ。
チキンのクオリティは高く、チーズやソースとの相性もいいので、決して美味しくないわけではない。だが、ラインアップされているほかのチキンバーガー系メニューと比べると、どうしても見劣りしてしまうのだ。
コスパで言えば、100円で購入できる「チキンクリスプ」のほうが確実に優れている。しかも、こちらは万人受けする味付けなので、行楽の秋、家族やグループで出かける際に持っていくのにもぴったりだ。
一方、バーガーひとつで満足感を得たいということであれば、350円ではあるが、ジューシーでボリュームたっぷりのムネ肉を使用した「チキンフィレオ」のほうが勝っているだろう。結果的に、チキンを使ったバーガー3品のなかでは、「チキンチーズバーガー」は“中途半端なメニュー”と言わざるを得ないだろう。
ベーコンエッグマックサンド/200円
もちもちとしたイングリッシュマフィンがバンズとして使われている「朝マック」のラインアップのなかに、18年より追加された「ベーコンエッグマックサンド」は、蒸したてのふわっとしたバンズが特徴となっている。
それまでのイングリッシュマフィンが苦手だった人には、いい選択肢のようにも思えるメニューだが、このふわふわバンズは甘みが強く、万人にはおススメできない味付けなのだ。
また、サンドされているスモークベーコンやチーズは非常にあっさりとしていて、サイドメニューである「ハッシュポテト」の味のほうが濃いという意見を持つ人もいるほど。食欲の出てくる秋、がっつり食べたいという多くの人にとって、物足りない商品となってしまっている。
マックフロート コーヒー/280円
マックこだわりの「プレミアムローストアイスコーヒー」に、ソフトクリームが載せられたデザートドリンク「マックフロート コーヒー」も、コストパフォーマンスという点で疑問のあるメニュー。
公式サイトによれば、280円で販売されているこのドリンクの製品重量は442グラムが標準。一方、150円の「プレミアムローストアイスコーヒー」Mサイズの重量は435グラムと大きな差はなく、ソフトクリームがコーンに乗った「ソフトツイスト」は100円。つまり「プレミアムローストアイスコーヒー」Mサイズと「ソフトツイスト」を頼んでも250円なので、そのほうが安価になる。
また、ブラックコーヒーの苦みが強く、ソフトクリームの甘味が負けてしまうため、いつもカフェオレを注文している方などには、味の面でもおすすめできない商品となっている。秋晴れで、突然気温が高くなった日に、暑さに負けてふらっと頼んでしまわないよう、ご注意いただきたい。
マックフルーリー 超 オレオ(R)/290円
今年2月にラインアップに加えられた「マックフルーリー 超 オレオ(R)」も、冷たいスイーツのなかではおすすめできない商品。
レギュラーメニューである「マックフルーリー オレオ(R)クッキー」より60円高い分、ほろ苦く、ザクザクとした食感のオレオが、大増量されているというのがセールスポイントとなっている。だが、「さすがにオレオが多すぎる」といったファンからの声も少なくないのである。
小腹を満たしたいというときには、持ってこいの食べ応えではあるのだが、口いっぱいにオレオが広がる口当たりは、好みの分かれるところ。まずは「マックフルーリー オレオ(R)クッキー」を食べてみて、オレオが足りないと感じた場合にのみ、注文するのが得策だろう。
シャカシャカポテト 松茸香るだし(S)/180円
今年9月に、季節限定商品として新登場した「シャカシャカポテト 松茸香るだし」だが、なかなかいい評判の聞こえてこないメニューだ。
鰹だしと醤油の風味際立つフレーバーは、上品な味わいに仕上がっているのだが、商品名に含まれている松茸の香りを感じるのは困難。松茸感を期待していたために、がっかりしてしまったという人が多いようである。
また、その和風すぎる味付けはバーガーやナゲット、コーラなどのドリンクとの相性がいいとは言えないだろう。物珍しさでオーダーすると、後悔してしまうかもしれない。
マックの商品は、季節限定メニューを含め、ラインアップされているほとんどが懐に優しく、ハイクオリティだ。だからこそ、わずかに混ざっている残念商品を掴んでしまわないように、お気をつけいただきたい。
(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)
※表示価格はすべて2019年10月の消費税増税前の価格です