さらに問題は数百億円かかるとみられているリニューアルの資金を、本部が全額負担するのか、店舗側が負担するのかまだ決まってはいないということだ。仮に本部がその資金を出すとすると、どのようなかたちで資金を調達するのか。親会社の伊藤忠商事に増資などを受けてもらって調達するのか、借り入れをするのか。いずれにせよ、大きな負担になり、セブンやローソンなどが次々に店舗に設備投資を続けていく中で、大きな足かせになる恐れがある。
「セブンの日販は66万円、ローソンが55万円、ファミマが52万円といわれている。ファミマとサークルKサンクスの統合会社が上位2社に追い付くには、相当な設備投資が必要になってくるが、果たしてそんな余裕があるのか」(業界関係者)
逆に店舗側に負担を求めれば、有力なエリアフランチャイザーが離反し、他の大手コンビニエンスストアの元に走る恐れもある。
そして2つ目が、店舗の統廃合の問題。不採算店舗や重複店舗を整理しなければ、収益力を上げていくことはできない。場合によっては重複店舗で切り捨てた店が、ライバル店に鞍替えして思わぬ厳しい競争環境が出来上がってしまう恐れもある。
壮大なコラボ
さらに3つ目がユニーの問題だ。ユニーのようなGMSは現在非常に経営が厳しく、じり貧が続いている。それは何もユニーに限らず、セブン&アイ・ホールディングスにしてもイオンにしてもしかりだ。
「当初、ファミリーマートも親会社である伊藤忠商事も、ユニー抜きでサークルKサンクスの買収を進めたかった。しかし、ユニーGHDサイドは一体としての合併を求め、結果的にはユニーも含めて合併せざるを得なくなってしまった」(同)
会見で中山社長は筆者の質問に、GMSとコンビニとの壮大なコラボレーションを語っていた。
「私どもは一体型店舗を模索しています。30坪のコンビニフォーマットだけではなく、2倍、3倍規模のスーパーやドラックストアを今展開しています。これは非常に手ごたえを感じています。将来のコンビニはどうなるのかを描いておりまして、できたての弁当などをやっています。コンビニの1店舗を潰してそこでできたての弁当をつくって、地域ハブとして近隣の20店舗、30店舗に提供し、それがうまくいっています。それを東海圏では、弁当だけでなく、惣菜、パンなどをGMSの店舗をハブにして1時間以内にデリバリーしていくという戦略も考えています。また、物流拠点としてコンビニは注目されていますが、コンビニは狭い。地域のハブをつくっていけば、その周辺のコンビニの規模が飛躍的に高まります。これをやっているところはまだありません。これが、我々の考えている次世代型のコンビニです」(同)