会見冒頭でユニーGHDの佐古則男社長は次のように語った。
「コンビニエンスストアにおいては国内最大規模の事業基盤を構築した上で、スケールメリットやシナジーによる質的な向上を追求するとともに、アジアなどの新興国に対しても両社の培ってきたものを提供したい。またGMS(総合スーパー)事業については両社の商流、物流を活用しながら事業拡大や成長機会の実現をする一方で、新たな小売りグループの収益拡大を図っていきたい」
一方、ファミマの中山勇社長もまた「よりよい企業を創造しようと両社でやってきた。統合後5年以内に年商5兆円以上、連結営業利益は1000億円以上、連結純利益600億円以上の会社にしていきたい」と語っている。
両社は2015年3月、経営統合に向けて協議をすると発表。8月には経営統合の全体像を明らかにできると語っていた。これまでファミマの店舗数は1万1930店舗、ローソンの1万2276店舗に次いでコンビニ業界では第3位。しかし、今回の経営統合でサークルKサンクスの6310店舗が加わることで、単純計算ではセブン-イレブン・ジャパンの1万8099店舗を超え、1万8240店舗と業界第1位に躍り出ることになる。ただ、重複店舗や不採算店舗などについては「独禁法のクリアランスができていないので、詳細な情報交換ができないという状態です」(中山社長)という。
両社は3月10日に経営統合の交渉を進めていることを明らかにし、8月末には正式な基本合意を発表することを明らかにしてきたが、1カ月半遅れの発表となった。遅れた理由について佐古社長は、「GMSとコンビニ事業の計画を策定、精査するにあたり、お互い譲歩せず忌憚のない意見をぶつけ合ってきた結果、今回しっかりと手を携えていくことができました」と語っている。
来年4月に吸収合併契約・吸収分割契約承認し、5月26日には両社定時株主総会を開催し、そこで承認が取れれば、9月に経営統合することを予定しているという。
「それを加速するために、現在する統合検討委員会を統合準備委員会に変更して、経営体制やコンビニのブランドなどを検討していく。また不採算店舗の閉鎖統合など重要事項も検討する」(中山社長)