SBIホールディングスの「第4のメガバンク構想」が動き出した。フィンテックを活用して、地域金融機関と連携していくというものだ。9月に島根銀行、11月には福島銀行と資本・業務提携を決めた。SBIの北尾吉孝社長は「10行ぐらいから(打診が)来ている」と語っている。次はどこなのか。2つの指標から次を占ってみた。
時価総額が小さい地銀、第2地銀が狙われる
島根銀行の時価総額は40億円台。福島銀行は2倍強の80億円台。金融機関の時価総額としては確かに小さい。時価総額100億円以下の地域金融機関をリストアップしてみる。
まず、大分県の第2地銀、豊和銀行(大分市、福岡証券取引所上場)は島根銀とほぼ同じ規模だ。福岡銀行、みずほ銀行、西日本シティ銀行、福岡中央銀行、南日本銀行、宮崎太陽銀行が10位以内の大株主。日本生命保険が第7位の大株主だが、“再編の火薬庫”といわれている九州地区の銀行は豊和銀行に対して、まったく関心がない。大分県の県金庫は大分銀行(大分市)だが、県外に目を向けている。
九州では宮崎太陽銀行(宮崎市、第2地銀)も苦しい。時価総額は60億円台だ。福島銀行がSBIの傘の下に入ったが、同じ福島県の第2地銀、大東銀行(福島県郡山市)も“合併予備軍”だ。東北地方の金融界では福島と大東の第2地銀同士の合併が長いこと取り沙汰されてきたが、福島銀がSBIの軍門に降った今、大東銀はどうするのか。
時価総額100億円以下の地域金融機関としては、南日本銀行(鹿児島市、第2地銀)や福岡中央銀行(福岡市、第2地銀)がある。福岡中央銀は福岡県で5番手の金融機関だから当然、苦しい。四国では高知銀行(高知市、第2地銀)。公的資金注入行である。
時価総額が150億円以下までだと、東北銀行(岩手県盛岡市、地銀)が入る。地銀とはいえ、岩手県で3番目の金融機関だ。フィデアホールディングス(山形県の荘内銀行と秋田の北都銀行が経営統合、本社は仙台市)と包括的業務提携しているが、岩手県の県金庫、岩手銀行(盛岡市)に大きく水をあけられている。フィデアHDと一緒になるのか、別の道を行くのか。SBIという新たな選択肢が出てきたことになる。岩手県にはもう1行、北日本銀行(盛岡市、第2地銀)があるが、北日本銀行のほうが東北銀行より企業規模は大きい。