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中国の嫌がらせで日本企業のM&Aのスケジュールが大幅に狂う

中国がまた対日制裁 ソニーに丸紅も審査待ちでM&A出来ない!?

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 フジタは10年に尖閣沖で中国漁船の衝突事件が起きた際に、その報復として「社員が軍事管理地域に侵入した」として拘束されている。

 日本企業によるM&Aでは中国の承認待ちの案件が相次いでいる。丸紅による米穀物大手ガビロンの買収もそうだ。

 丸紅は12年5月29日、米穀物3位のガビロンを買収すると正式発表した。買収額は36億ドル(約2860億円)で総合商社による非資源分野の投資案件では過去最大級。丸紅の穀物貿易量は3300万トンと世界シェアの1割強となり、米カーギルなど穀物メジャーと肩を並べる。米国、中国など11カ国の規制当局の認可を受け、9月には買収を完了する予定だった。だが、買収は大幅に遅れた。中国の規制当局による審査が長引いているためだ。

 そこで丸紅は丸紅の穀物部門をガビロンに移管・統合することを検討した。日中の政治情勢下では、米国本社の方が中国への輸出に有利になるというのが、米ガビロンへ一本化する理由だ。

 丸紅は中国に年間1100万トンの大豆やトウモロコシを輸出。特に飼料・畜産分野では、国営企業のシノグレンと合弁で中国全土で飼料工場を展開している。中国の規制当局、いわばサボタージュが丸紅の世界戦略に大きな影響を与えたということだ。

 ソニーとオリンパスの合弁会社の設立も延期になった。両社は12年10月、医療事業の合弁会社を設立することで合意した。新会社の社名はソニー・オリンパスメディカルソリューションズ。新会社は市場成長が見込める外科用内視鏡の開発・製造を行う。この市場で20%以上のシェアの獲得を目指している。

 当初は12年12月末までに新会社を設立予定だったが、中国の審査が滞ったため延期。13年4月1日までに設立する方針に変更した。

 チャイナ・リスクの典型にレアアース(希土類)がある。尖閣諸島沖で10年9月、中国漁船の衝突事件が起きた際に、レアアースの対日輸出を、一時期、全面禁止とした。中国にレアアースの9割を依存している日本が悲鳴を上げると読んだわけだが、結果的に逆効果となった。日本企業はレアアースを必要としない製品の開発を急いだほか、官民一体となってレアアースの調達先の多様化に努め、脱中国を進めた。気前よく、言い値で買ってくれる最大の顧客の日本(企業)を失い中国のレアアース生産会社の倒産が相次いだ。レアアースの政治利用は大きな誤算を招き、中国側に“ブーメラン不況”をもたらした。

 レアアースに代わる対日制裁カードがM&Aの審査だった。中国側の認可が遅れたことで、生産設備の集約や管理部門の効率化が進められないなど、各社の経営戦略に大きな狂いが生じた。

 ユニバーサル造船とアイ・エイチ・アイマリンユナイテッドは統合を発表してから中国側の承認を得るまで11カ月かかった。中国の独占禁止局は商務省の一部である。欧米企業のM&Aの認可には遅れが出ていない。

BusinessJournal編集部

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