日銀のマイナス金利導入により、銀行預金の金利や住宅ローンに影響する長期金利が下がるなど、金融市場が急変している。
この超低金利の流れは一般顧客にとってデメリットも多く、人々の銀行離れが加速する事態にもなりかねない。
そんななか、三井住友銀行店舗の接客は、銀行が顧客を引き止める上で大きな参考になるかもしれない。
メガバンクの銀行窓口というと、少しお堅い印象を抱きがちだが、「三井住友銀行の行員は、対応が非常にフレンドリーだ」という声が数多く聞かれる。
「先日都内のある店舗に口座開設のために行ったときのことです。すごく爽やかでイケメンの男性行員さんが、私の申込用紙の職業欄を見て、『へー、IT系のお仕事ですかー。具体的に何されているんですか?』『スゴいですね!』とすごくフレンドリーに対応してくれました。カウンターで待っているとき、自分のノートPCを開いて時間を潰していたのですが、その間も気さくに話しかけてきたので、楽しくおしゃべりしちゃいました。三井住友銀行の店舗に行ったのは初めてでしたが、他のメガバンクとは行員さんの対応や店内の雰囲気が明らかに違って、驚きました」(30代男性)
また、このような意見も聞かれた。
「店舗内に順番待ちをしているベビーカーを押した女性客がいたのですが、行員さんが『わー、かわいいですね!何カ月ですか?』『お母さんにそっくりですね!』と話しかけていて、楽しそうに談笑していました。それを見ているこっちも微笑ましい気分になれましたよ」(40代女性)
このように、三井住友銀行の接客はフランクさが際立っているようだが、行員教育に何か秘密があるのだろうか。実際に三井住友銀行の広報に問い合わせてみた。
「新人研修でビジネスマナーについて説明し、その後も継続的に行内で、お客さま本位の考え方について、研修を行っております」(三井住友銀行広報部)
銀行全体として、特別にフレンドリーさを強調するような指導をしているわけではないようだ。
銀行行員の制服見直しの動きも
また、接客だけでなく、服装にも注目したい。
「三井住友の女性行員の方々が身につけている紺のエプロンが、とってもかわいかったのが印象的でした」(40代女性)
三井住友はどのような業務をする行員かによって服装が異なるようで、顧客に対しての相談業務をする行員はスーツ、ロビーで案内する行員は制服、事務作業をする行員は紺のエプロンを着用するなど、タイプが分かれているとのこと。
一方、三菱東京UFJ銀行も今年1月から、5年ぶりに制服を復活させるなど服装についても見直す動きもある。決まった服装とすることで、顧客により安心感を抱いてもらうという狙いがあるのだとか。
このように、接客や服装を工夫して顧客ともっと寄り添えるようにしよう、と銀行側も努力しているのだろう。預金金利で顧客を満足させることが難しい現代だからこそ、こういった細かいサービス一つひとつが重要になってくるのかもしれない。
(文=編集部)