日本銀行が2月16日から導入を決定した「マイナス金利政策」が、いよいよ我々の財布を直撃し始めた。
最初こそ「個人の預金の金利がマイナスになるわけではないので、心配無用」という論調だったが、各銀行は次々に預金金利を引き下げ、メガバンクの先陣を切って、三井住友銀行が普通預金金利を0.02%から0.001%に引き下げた。
これは、1000万円を1年間預けた場合の利息が100円(税引き前)という利率だ。一度でもATMで引き出して108円の利用時間外手数料を払えば、むしろマイナスになる。もはや、「金利」と呼べる次元ではなくなった。
なお、マイナス金利導入の影響で、10年物の日本国債の利回りも低下し、マイナスになる事態に陥った。国債の買い手である保険会社への影響も避けられず、今後は貯蓄性の高い終身保険や学資保険の利回りが見直され、新規で加入する場合は利回りを下げるか、保険料が値上げになる可能性も出てくる。早くも、いくつかの保険会社が一時払い終身保険の販売停止を決めたというニュースも流れた。
証券会社における普通預金的商品だったMRF(マネー・リザーブ・ファンド)についても、「運用がマイナスに転じて元本割れのおそれあり」と言われると、「マイナス金利は、すでに我々の資産にもマイナス影響だ!」と言いたくなる。
「金融機関に預けているだけで、資産がマイナスになる時代が来た」と肝に銘じなくてはいけない。
コンビニATMの手数料を無料にする方法
普通預金の金利が限りなくゼロになると、意識しなくてはならないのがATMの手数料だ。
通常の銀行では、預金の引き出しは自行ATMであれば利用時間内は無料でできる。しかし昨今、銀行の支店は統廃合が進み、お金を下ろしたくても銀行がないということも多い。そして、その結果、コンビニエンスストアのATMを利用するしか手がなくなる。
しかし、うかつにコンビニATMを利用すると、利用時間内でも108円の手数料がかかる場合が多い。飲み会代の5000円を引き出すだけで、2.2%近い手数料を取られるわけだ。この先、消費税が10%に上がれば、ATM手数料も110円まで引き上げられる可能性がある。
マイナス金利時代に立ち向かうには、まずはこのコンビニATMの手数料を無料にする方法を知ることが不可欠だ。
手っ取り早いのが、各銀行のサービスを利用することだ。メガバンクでは、三井住友の「SMBCポイントパック」、三菱東京UFJ銀行の「スーパー普通預金(メインバンク プラス)」、みずほ銀行の「みずほマイレージクラブ」などがある。
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