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しかし、「大株主からの自立」路線を主張した作田氏は2年後に辞任。革新機構の要請を受けて、15年6月に遠藤隆雄氏が会長兼CEOに就任した。遠藤氏は日本IBM常務執行役員や日本オラクル社長を歴任した人物だ。
その後、再び経営陣と株主の意見が一致しなくなった。革新機構が69%を保有するルネサス株式の売却をめぐり対立。独半導体大手インフィニオンテクノロジーズとの提携など、独自の成長戦略を描く遠藤氏と、国内メーカーに株式の売却を打診し始めた革新機構の溝が深まった。15年12月、遠藤氏は就任半年で辞任に追い込まれた。鶴丸哲哉社長がCEOを兼務し、後任人事を探ってきた。
ルネサスは16年4月、呉文精氏を社長兼CEOに招く人事を発表した。6月の株主総会後に正式に就任する。呉氏は、日本興業銀行(現みずほ銀行)出身。日産自動車系最大の自動車部品会社、カルソニックカンセンの社長を経て、13年に日本電産に入社。車載事業を担う副社長を務め、「ポスト永守」の1人とみられていたが、15年9月に、突如辞任した。
呉氏は永守氏と意見を異にして日本電産を辞めたといわれている。革新機構が呉氏をルネサスの社長に起用したのは「永守氏のルネサス買収作戦の防波堤にするため」(関係筋)との見方が広がっている。呉氏は永守氏に対して良い感情を持っていないといわれている。
それでも永守氏はルネサス獲りをあきらめていない。来るべき日に備えて、シャープの人材の蓄積に努めているわけだ。永守氏の執念が実る日が訪れるのだろうか。
(文=編集部)
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