(「Wikipedia」より)
2012年11月の実績で5年ぶりに純減を記録して話題になったが、12月は持ち直したものの1月には再び純減。契約者数というのは、端末を無料で配ったり、1台購入すれば2台目が無料/安価で利用できるサービス、回線契約を必要とするフォトフレームの配布などで増やすこともできる。だから「純増/純減に目くじらを立てても仕方がない」という意見もあるのだが、少なくとも順調な状態ではないことだけは確かだといえるだろう。
●iPhoneが来ればドコモは復活する?
ドコモ、au、ソフトバンクモバイルという3大キャリアを並べた時、誰もがドコモだけがiPhoneを扱っていないことに気づくだろう。実際、「ドコモでiPhoneを」と望む人は多いようで、たびたびそうした可能性が話題に上る。2月に入ってからも海外で同様の報道があった。
しかし、iPhoneを手がけられるようになればドコモ復活につながるのかというと、それも疑問だ。海外ではすでに総契約数ではAndroidのほうがiPhoneよりも多くなっている。もちろんAndroidはあらゆるメーカーからリリースされており、1対多での戦いというのはおかしいのかもしれないが、要するにiPhoneがなければまったく勝負にならないとは言い切れないだろう。
そしてiPhoneが世界的に不振だ。厳密には最新モデルであるiPhone 5が伸び悩んでいるという状態だが、すでにアップルの株価にも影響を及ぼしている。iPhoneにドコモの不調を一気に逆転させられるほどの求心力が、今となってはあるのかどうか、かなり怪しい。
●ドコモiPhoneの可能性はある?
iPhoneは当初、1国1キャリア限定販売だった。それが複数キャリアで販売できるようになったわけだが、それでもアップルからキャリア側に厳しい要求が出されていた。例えば、
「販売するスマートフォン(スマホ)のうち半分はiPhoneでなければならない」
「iPhone用の安価な料金プランを用意しなければならない」
というような契約があるといわれている。
ドコモとしてはその条件が負担であることと、ドコモ独自のコンテンツサービスを入れ込むことができないのを理由に、iPhone導入に至っていなかったのだが、1月にドコモ社長コメントとして「iPhoneの販売台数が当社の扱うスマホ全体の2〜3割なら、受け入れ余地はある」という内容が発表された。
これまで要求されてきたことから比較すると、かなりの譲歩を求めている格好だ。もしこれがドコモが一方的に希望している条件ならば、実際にiPhone販売を手がけるにはだいぶ時間がかかりそうだ。そして仮にアップル側の要求が低くなり、両社の交渉ができる状態になってきているのだとしたら、iPhoneの競争力が下がっているということではないだろうか。いずれにしろ、魅力あるかたちでのドコモiPhoneの登場は、かなり難しそうに見える。
●ドコモはガラケー屋になれ?
ではiPhoneに頼らないかたちで、どうしたらドコモが復活できるのかを考えてみよう。とりあえず今の大きな問題は、iPhoneと戦えるような魅力的なスマホがないことだ。残念ながら現在ドコモで販売しているAndroid端末にには、それほど魅力的なものがなく、不具合も多い。
そこで提案したいのが、開き直って「ガラケー屋」になることだ。
すでに国内メーカー製のスマホは、赤外線通信やワンセグ、おサイフケータイといった機能を搭載してガラパゴス化し始めている。ユーザー側も1度はスマホに買い換えたが使いづらい、使い切れないという声がある。フィーチャーフォンに買い換えたいが、新機種が出ないから買い換えられないという話も聞く。
だったら、他社がスマホに注力している間に、ドコモがフィーチャーフォンに注力すれば、アンチスマホなユーザーが集められるのではないだろうか。ドコモに居残っているユーザーの中には、年配層やビジネスユーザーなど片手で物理ボタンを押して利用できるフィーチャーフォンの使い勝手を好むユーザーが多そうに思えるし、割とよい方法ではないかと思うのだが……。
(文=エースラッシュ)