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「あなたの人生を変える」サービス、絶賛と感動で密かなブームに

構成=編集部
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 団塊の世代が定年を迎え、高齢者の人口が激増している。その高齢者を対象としたサービスも多様化し、各企業は高齢者の退職金や預金を使わせるために知恵を絞っている。高齢者向けのマーケットは拡大の一途をたどっているのが現状だ。

 一方でここ数年、高齢者たちの間では、人生の終末をどのように迎えるかを考える「終活」が注目を集めている。自分自身について、延命治療、介護、葬儀をどうしてほしいかを明確にし、遺言などで死後のことについての希望をまとめるといった具合に、死への準備を整えるのだ。

 だが、終活は高齢者の問題だけではなくなってきている。震災や事故、突発的な病気などによって若者でも、いつ命が失われるかわからない。特に2011年の東日本大震災以降、命や人生に向き合おうとする考えが年代を問わず広まりつつある。

 終活の一端として、「自分史」を制作して自費出版する人が増えている。14年には朝日新聞も自分史制作ビジネスに参入している。そんななか、自分史と似ているが少し異色なサービスの「聴き書き」というものが話題となっている。宣伝活動を行っていないため世間には知られていないが、利用者たちから絶賛され口コミで広がっているという。

 そんな聴き書きサービス「聴き書きブックス」代表の後藤岳さんに、

・聴き書きと自分史の違い
・利用者の反応
・活用シーン

などについて話を聞いた。

–聴き書きとはどのようなものか教えてください。

後藤岳氏(以下、後藤) 読んで字のごとく、「聴いて書く」ものです。人の人生の物語を聴いてそれを書き起こし、オリジナルの本にしてお渡しするというサービスです。2~3回に分けて合計6時間ほどのインタビューを行い、製本に至るまでおよそ半年ほどかけます。

「自分史」「自叙伝」を自費出版する方も増えていますが、記憶を呼び起こしながら自分でストーリーをつくって書き上げる自分史とは違い、インタビューによって物語ができていくという点に特徴があります。本人が忘れていたことを、インタビューを通して思い出すことも多々あります。たとえば、「小学校の時の通信簿に担任の先生からどのようなコメントを書かれていたか」といったことを質問するなど、自分史を書いても出てこないエピソードを引き出します。

 また、私はコーチングを長く仕事にしており、さまざまな出来事があった際の心情を聴き出すといったスキルがあることも役立っています。

 この聴き書きを通し、話し手が自分の半生を振り返り、「自分の人生は悪いことばかりではなく、良いものだった」と思えるような体験をしていただいています。

–同じようなサービスを行っている業者はありますか。

後藤 単純に話し手が自分のことを語り、それを書き取って製本するというサービスはありますが、インタビューによって話を引き出してストーリーを紡ぐというサービスは私たちのオリジナルだと思います。

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