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『NARUTO』を全話無料で読む方法…集英社・ジャンプ系“無料マンガアプリ”の実力

文=清談社

 加熱する無料マンガアプリ戦線。近年では、各大手出版社もアプリの配信をスタートし、読者にとってはよりどりみどりの状況となっている。一方で、ひとつのアプリで同じ出版社の作品をすべて網羅できないケースも多く「せっかくインストールしたけど、目当ての作品がなかった」と、落胆した経験がある人もいるだろう。

 そこで今回は、マンガ界の雄・集英社が展開しているジャンプ系アプリの使用方法や、掲載されている作品の傾向について解説していく。

本誌にステップアップする人気マンガ家も輩出『ジャンプ+』

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「ジャンプ+」のホーム画面

『ONE PIECE』など、超人気作品を抱えるマンガ雑誌「週刊少年ジャンプ」の無料マンガアプリ「少年ジャンプ+」。その大きな特徴は、アプリ上でジャンプ本誌が読める点だ。最新号はもちろん、2014年27号までさかのぼってバックナンバーを買うこともできる(6月21日現在)。

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本誌を読むなら定期購読がおすすめ。

 本誌を読むには、アプリ内の共通通貨「コイン」を購入してジャンプを1冊分買うか、月額980円を支払い「定期購読」するかの二択。ただ、ジャンプ最新号を毎週読む人なら、コイン払いよりも定期購読がおすすめだ。

 現在、紙の「週刊少年ジャンプ」の定価は290円なので、(合併号がなければ)月に1160円かかる計算になるため、定期購読のほうが断然お得なのだ。ただ、紙の雑誌にはアプリにはないコマ割りや見開きページの迫力があるので、なかなか悩ましいところでもある。

 また、本誌掲載の作品も、購入したコインを消費して作品ごとに読むことができる。先日最終回を迎えた『鬼滅の刃』や『約束のネバーランド』などの人気作はもちろん、「ヤングジャンプ」「ジャンプSQ.」「グランドジャンプ」など、ジャンプと名のつく雑誌で連載中の作品も掲載されている。ただ、「ヤングジャンプ」の超人気マンガ『キングダム』は掲載されてない等、ジャンプ系マンガをすべて網羅できるわけではないらしい。

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「ジャンプ+」の目玉はオリジナル作品。

 そして、同アプリ最大の魅力は、アプリのみのオリジナル作品が読める点にある。オリジナル作品の場合は、初回であれば全話無料で読破可能。「次にくるマンガ大賞2019」のWebマンガ部門で1位を獲得したギャグマンガ『SPY×FAMILY』も全話無料なので、話題作をすぐにチェックできるのはありがたい。アプリで実力を開花させた作者は、後に本誌で連載をスタートするケースも多いので、気になる作家を先取りできるというのもうれしい。

無料の範囲は狭い「ヤンジャン!」

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「ヤンジャン!」のホーム画面

 集英社発行の「週刊ヤングジャンプ」「ウルトラジャンプ」「グランドジャンプ」「となりのヤングジャンプ」「ダッシュエックスコミック」にて連載中、もしくは過去に連載していた作品を配信しているサイトが、「ヤンジャン!」。雑誌を1冊まるごと読む機能はないが、連載作品の最新話は作品ごとに課金して読めるので、好きな作品だけを読みたい層にも支持されているようだ。

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同アプリの共通通貨は「ゴールド」。1ゴールド=1円で、120ゴールドから購入できる。金額によってはおまけもつくので、ゴールド購入は意外とお得かも。

 ゴールド利用のほかに「無料チケット」の機能もあり、チケットを1枚消費したら23時間後にチャージされて先を読むことができる。ただ、全作品がチケットに対応しているわけではなく、途中まではチケットで後半はゴールド、というケースも多い。たとえば『キングダム』『ゴールデンカムイ』などの人気作は、前半だけがチケット制だった。そのほか、連続ログインや指定作品の1話を無料で読むなど、アプリに課せされた「ミッション」をクリアしてゴールドをゲットする方法もあるが、思ったよりも地道な作業が必要になってくる。

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『スピナマラダ!』がチケットで読めるのは「ヤンジャン!」だけ。

 ちなみに筆者のおすすめは『ゴールデンカムイ』の作者・野田サトル先生が以前連載していた本格アイスホッケーマンガ『スピナマラダ!』。スピード感とギャグ、アツいスポ根のバランスが絶妙で、アイスホッケーの知識がなくても一気に読める名作だ。「ヤンジャン!」ではチケットで同作を全話読破できるので、ぜひこの機会に読んでほしい。

無料チケット範囲が広い「ゼブラック」

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「ゼブラック」のホーム画面

 名前を見ただけでは、ジャンプとは無関係そうな「ゼブラック」も、集英社が運営している無料アプリ。同アプリでマンガを読む方法は、23時間でチャージされる無料チケットを使う方法と、コインを購入して対象の作品を読み進める方法のふたつ。先述の「ジャンプ+」「ヤンジャン!」は、コインをたくさん購入するほどお得になる形式だったが、ゼブラックは1円=1コイン換算であり、多めに購入しても“おまけ”はつかないようだ。

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「話読み」のほかに、単行本を1冊購入して何度も読める「巻読み」と、ジャンプ本誌を購入する「雑誌読み」ができる。

 また、ほかのジャンプ系アプリに比べて無料で読める作品の範囲が広いのが特徴といえる。たとえば「週刊少年ジャンプ」の看板マンガだった『NARUTO』を例に挙げると、「ジャンプ+」では3話までは完全無料だが、それ以降はコインが必要だ。一方、「ゼブラック」では無料チケットを使って毎日1話ずつ読み進めれば、最終話まで無料で読み終えることができる。

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「ゼブラック」の『NARUTO』のページ。最終話までチケットで読むことができる。
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「ジャンプ+」の『NARUTO』ページ。最終話は、コインを30枚使わないと読むことができない。

 連載中や、連載が終了したばかりの作品はコインの購入が必須だが、数年前に連載が終了したものであれば、人気作品でも無料で完読できる可能性が高い。また、チケットは作品ごとに付与されるので、1話分だけなら複数の作品を読み進められる。とはいえチケット利用はレンタル扱いなので、72時間経ってから読み返す場合は、再びチケットを消費しなければならない。

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「別冊マーガレット」など、少女漫画雑誌も購入できる「ゼブラック」

 また、数は少ないが集英社の少女マンガを扱っているのも「ゼブラック」の特徴。実写化もされた『俺物語!!』や『メイちゃんの執事』も無料で全話公開されている。無料で過去の人気作や話題作を読むなら、ゼブラックがもっともお得な選択だろう。集英社アプリのダークホースかもしれない。

 同じ集英社が運営していても「コイン」や「ゴールド」などの共通通貨は、アプリをまたいで使うことはできない。出版社的にはアプリごとに通貨を変えるほうが儲かるのかもしれないが、読者的には不便。できれば集英社アプリの“共通通貨”を作ってほしいのがホンネだろう。

 とはいえ、やはり数多くの名作を輩出してきた出版社だけに、往年の名作から連載中の大ヒット作まで、品揃えの多さには脱帽した。ここで紹介したアプリを使えば、“だいたい”のジャンプ系人気マンガは網羅できるはず。

清談社

清談社

せいだんしゃ/紙媒体、WEBメディアの企画、編集、原稿執筆などを手がける編集プロダクション。特徴はオフィスに猫が4匹いること。
株式会社清談社

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