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マンガアプリ勝手にレビュー…「LINEマンガ」は幅広く一話無料を楽しみたいユーザ向け

文=清談社
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iOS版「LINEマンガ」アプリの起動画面

 無数に存在する無料でマンガが読めるアプリだが、メッセージや通話などでトップシェアを誇る「LINE」もマンガアプリをリリースしている。スマホを使っている人なら、メッセージだけでなく、音楽やゲーム、チケットに証券、保険まで「LINE経済圏」に属していることも多いと思われるが、せっかくならマンガもLINEでまとめたほうがお得かもしれない。

 そこで今回は、2000作以上が無料で読めるマンガアプリ「LINEマンガ」を実際に使ってレビューしてみよう。

各作品ごと1話ずつ無料なのが特徴

 いわずと知れたあのLINEが運営している「LINEマンガ」だが、ダウンロード数は2300万以上で、国内マンガアプリではトップを誇る。参加出版社・レーベルは250以上で、電子コミックストアでは38万点以上の作品が配信中だ。2015年7月からは「LINEマンガ編集部」によるオリジナル作品の連載も開始され、アプリ内での配信のみならず、全国の書店や他の電子書店でも販売されている。

 LINEマンガは、ほとんどの作品の1〜5話くらいまでが完全無料で読める。ただしこれらは、他の多くのマンガアプリと同様の仕様だろう。

 LINEマンガの大きな特徴としては、23時間ごとに1話ずつ読める「無料連載」だ。通常作品だと、1〜5話まで読み終わるとあとはコイン(1コイン1円)が必要で、1話につき51コインを払って読むのだが、この無料連載作品であれば、23時間ごとに1話が無料で読めるのだ。しかもそれが各作品で適用されるので、「1話無料×各作品」ということになる。つまり、作品を選ばなければ、1日中マンガを読んでいられるのだ。

 LINEマンガを運営するLINE Digital Frontier株式会社の発表によると、累計2000以上の作品がこの無料連載の仕組みで配信されており、LINEマンガアプリユーザーの89%が利用しているという。この無料連載のなかにはLINEマンガのオリジナル作品も多く含まれてるので、ユーザーにとっては「読んだことのない新しい作品と出会える場所」ということになり、これがマンガアプリでトップを取っている理由のひとつといえるのかもしれない。

オリジナル作品が人気ランキングを独占

 コインを無料で貯めるためには各種有料サービス、提携クレジットカードの発行などが必要で、このあたりはどうしても、他アプリ同様のせせこましいシステムとなっている。
 
 さて実際にサービスを利用してみたが、まず操作面に関しては文句なしである。縦読み、横読みは切り替えもでき、サクサク読める。お気に入り機能や検索もわかりやすい。

 1話読むごとに広告が1面に表示されるが、それも紛らわしいものではなくスワイプの邪魔になるものでもない。内容もおそらく、ターゲティング広告で読む人によって違うはずだ。(ちなみに筆者の場合は某マッチングアプリの広告が多かった)

 先述した1日1話無料もありがたい。作品によってページ数にばらつきはあるが、あまりに短いものはほとんどない。お気に入り作品を多数抱えている場合、無料で1話ずつ読んでいればあっという間に暇は潰せた。ほかのマンガアプリであれば、無料チケットがログイン時に配布されたり、そのチケットがまた数種類あったりなどしてわかりづらいが、LINEマンガは「無料」か「コイン」、と明確な点も筆者的には利用しやすかった。

 1話読むと、23時間経たないと再び無料では読めないが、ここでLINEの威力が発揮される。LINEマンガ公式アカウントを友達追加することで、23時間後の「チャージの完了」がメッセージ通知されるのだ。これでうっかり読み忘れることもない。

 さらに、作品によっては「3巻まで無料」などもあり、長くマンガを読むことができる点もよい。ちなみに筆者が見たときの無料マンガは『MAJOR 2nd』(3冊無料/小学館、「週刊少年サンデー」にて連載)、『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』(2冊無料/集英社「週刊ヤングジャンプ」にて連載)など、メジャー作やメディア化作品も多い印象だ。

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大ボリュームの試し読みが楽しめる無料マンガが多数

 ただ、それらを抜いておもしろくかつ人気があるのが、「LINEオリジナル作品」である。実際に総合ランキングは、1位『女神降臨』、2位『外見至上主義』というオリジナル作が独占していた。

 このオリジナル作品でも1〜5話が完全無料で、次からコインor1日ごとに1話無料という形は変わらない。しかし、LINEマンガでしか読めない作品が多いのは、他のアプリに比べ大きな魅力だ。LINE社内に編集部を置くほどなので、その内容は既存マンガと比べても遜色ない面白さになっている。個人的には大手出版社系列のアプリには少ないスプラッター系オリジナル作品が多いのも好感を持てた。

 これは動画配信サービスでいうNetflixのようなもので、オリジナルで高クオリティー作品を生み出しつづけることでシェアを独占していくという作戦で、LINEマンガは先見の明があるのかもしれない。

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総合ランキングのトップ2をLINEマンガオリジナル作品が独占

ケンカ、ネタバレなどコメント欄が荒れ気味

 よい点が目につく一方で、もちろん悪い点もある。先述の通りLINEマンガは、マンガアプリのなかではダウンロード数トップに君臨するのだが、母数が多くなるほど“民度”が下がるのは世の常。それが端的に現れているのは、コメント欄だろう。

 たいていこのようなコメント欄では、作品の感想や次回の考察などを書く人も多いだろうが、LINEマンガではそこで、レスバトルやマウントの取り合いなどが勃発しているのをしばしば見かける。例えていうなら、Twitter上のクソリプ合戦のような無意味な口論が繰り広げられているわけである。

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コメント欄でケンカが繰り広げられていることもしばしば(コメント投稿者の名前へのモザイク処理は編集部による)

 もちろんそれは作品のクオリティーには関係のない話で、コメント欄を気にしなければいいだけの話。しかし、コメント欄におけるそのような荒れっぷりはサイト自体の評価を下げるし、うっかり読んでいるとネタバレコメントに遭遇することも多いので、作品そのものを読む気も失ってしまう。過激かつ不適切な発言をするアカウントに対して、運営はなんらかの措置を講じるべきだろうと感じた。

 ほかにも悪い点は、単話で無料なのか1冊丸ごと無料なのかがわかりづらいことがある。1冊無料だと思って開いて、そうではなかったときの落胆は筆舌に尽くし難いものである。

 また、筆者は経験していないが、コインを稼ぐためのCM視聴をしたにもかかわらず、コインがチャージされないという意見も多数あった。何がなんでも課金したくない人にとってはこの点が重要事だろうが、作品数や読みやすさ、お手頃さなどを加味すれば、サービス自体にはトータルで満足であった。

 このように、色々な作品を無料でちょっとずつ読み進めたい人にはLINEマンガはおすすめできるだろう。さらに、まだ日の目を見ていない作家や作品を発掘したいマニア志向の人も、LINEマンガにハマるはずだ。

清談社

清談社

せいだんしゃ/紙媒体、WEBメディアの企画、編集、原稿執筆などを手がける編集プロダクション。特徴はオフィスに猫が4匹いること。
株式会社清談社

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