新型コロナウイルスの影響で、これまで以上に「おうち時間」が見直されている。どうせならお金をかけずに暇を潰したいという人におすすめなのが、さまざまな作品を楽しめるマンガアプリだ。数多あるアプリのなかから今回は、ムロツヨシのCMでおなじみの「ピッコマ」をチョイス。実際に1週間使ってみて、使い心地や、どこまで無料で楽しめるのかを検証してみた。
「ピッコマ」はカカオジャパンが運営
「ピッコマ」は、2016年4月にリリースされたスマートデバイス向けのマンガ・小説アプリ。韓国企業カカオの日本法人である株式会社カカオジャパンが運営する。
「待てば¥0」(以下、「待てば0円」)と、マンガが無料で読めることをうたうピッコマ。果たして0円でどれぐらい作品を読むことができるのだろうか?
「ピッコマ」のマンガの読み方は2つ。1話分を無料で読める「待てば0円」と、コインを消費して自分の好きな話数、巻数分を読み進める方法だ。
掲載作品の多くで採用されている「待てば0円」システムは、23時間毎に1話ずつ、次の話が無料開放されていくというもの。この「待てば0円」はアプリ内で何作品読んでも適応されるため、複数の作品を同時並行で少しずつ読み進めることができる。1話読んでまた次の日までお預けか……という気持ちにはなるが、1日1話ずつでもアプリ内のほとんどの作品を無料で読めるというのは、よく考えれば贅沢だ。
でも結局面倒だったり忘れたりして読まなくなるんだよな……とも思っていたが、アプリ通知をオンにしておけば23時間後にお知らせしてくれるので、読み忘れてしまったということも少ないだろう。
一方、コイン消費して読み進める場合は、当然ながら待ち時間は必要ない。読みたい話数や巻数に応じてコインをチャージすれば、「1巻ごと」「1話ごと」に好きな作品を購入できる。1コインは1円として換算され、課金でチャージができる。
『キングダム』『鬼滅の刃』も購読可能
「待てば0円」か「コイン消費」か? 実際に1週間使ってみた。実際にピッコマではどれほど快適に、お得にマンガを読めるのだろうか。
まず「ピッコマ」インストール後、初回ログインボーナスで1話分を無料で読める「ギフトチケット」が配布された。連続ログインによってコインや待ち時間を短くする時短アイテムをもらえるようだ。イベントは常に開催されているので、アイテムは比較的すぐ手に入れることができそうだ。
ひとまず何か読んでみることに。ランキング総合1位となっている『終末のワルキューレ』(コアミックス「月刊コミックゼノン」にて連載)という作品をチョイスしてみる。全世界の神と偉人や武人が戦うというバトル青年マンガだ。普段なら絶対手に取らないジャンルだが、気軽に試し読みできるのは無料マンガアプリの醍醐味だろう。
マンガは横読み、縦読みどちらにも対応しており、好きな読み方を選べる。また、スクロール、ズームなどもスムーズで、アプリ自体の動作はサクサクと軽快だ。マンガアプリにありがちな頻繁な広告表示もなく、作品の前後に鬱陶しい広告が表示されないのも非常に読みやすい。
ピッコマには少年・青年マンガから女性向けマンガまで、出版社の垣根を超えた幅広いジャンルの作品が揃っている。まだ知名度の少ないマンガから『キングダム』(集英社「週刊ヤングジャンプ」にて連載)、『鬼滅の刃』(集英社「週刊少年ジャンプ」にて連載)、『北斗の拳』(同)などメジャー作品もずらり。読みたいマンガがない、ということにはならなそうだが、逆に数あるタイトルのなかから好みの作品を探し出すのが難しい。
地道に1日1回ログインして読み進めるか?
そんなときは検索ページから作品を絞り込めばOK。検索ではジャンル、キーワード、掲載誌別に探すことができる。関連キーワード検索は「ドラマ化」「復讐」「不倫」「青春」など嗜好に沿ったものから「ラッキースケベ」というよくわからないものまで多岐にわたる。気になった作品はお気に入り登録しておけば、「本棚」ページで確認できる。読んで面白かったマンガ、後で読みたいと思ったマンガはガンガンお気に入りに入れておくと、自分専用の本棚が作れて便利! 本棚には閲覧作品や購入作品も登録される。
また読んだ作品の傾向に応じて新たなマンガをオススメしてくれるため、興味の持てる作品にも出会いやすい。「子育てマンガ特集」「イケメンと同じ家特集」「頑張れる特集」などアプリ独自の特集も豊富だ。ピッコマは他アプリより、新しい作品に出会いやすいかもしれない。
『終末のワルキューレ』では3話目まで読み終わったところで「待てば0円」モードに突入。次の話を読むには、23時間後にアプリを訪れなくてはならない。少々面倒だが待っている間もほかのマンガはいくらでも読めるので、時間潰しには困らない。……とはいえ、「いちいち読み進めるのに23時間も待ってられない! 今すぐ読みたい!」という読者も少なくないだろう。
コイン消費で読む場合、たとえば『終末のワルキューレ』は1話購入に63コイン、1冊購入に638コインが必要。1コイン=1円なので、購入するマンガは吟味して決めたいところだが、どちらにしろ手持ちのコインでは足りないことに。ログインボーナスコインは22日間連続ログインで最大640コインもらえるため、地道にアプリを使い続ければコミック1冊分読むことはできるが、時間がかかりすぎる。
「ピッコマ」は“乱読者向け”サービスか
そこで無料でコインをチャージする方法を試すことに。無料でコインを手に入れるには主に2つの方法がある。1つは「期間限定のイベントやログインボーナスでコインをゲットする」方法。これは先にも述べたが、イベントなどで配布される20~30コインを地道に貯めていくやり方だ。
もう1つは、「条件達成でコインをゲットする」方法。たとえば「U-NEXTに会員登録すると1700コイン」「TSUTAYA TV新規無料お試しで500コイン」など、指定サイトやゲームに会員登録することで一気にコインが手に入る。登録の煩雑さはあるものの、ほとんどが「初回1カ月無料」や「無料会員登録」でお金はかからない。ただし1カ月で有料会員に自動で切り替わる場合が多いので、必要ないサービスなら解約を忘れないよう注意して欲しい。
今回は「U-NEXT」と「dアニメストア」に登録して(どちらも初月無料)合計2380コインをゲット! これで一気に37話まで「終末のワルキューレ」を読めるようになった。
ただ、ほかのマンガアプリでよく見られる「広告動画を見てコインをもらう」システムはピッコマにはないので、ひと通りサイト登録を一周してしまうとコインが一気に貯めにくくなる。最初こそ無料でストレスなく読めていても、いずれ課金するタイミングが来そうな気も……。ピッコマ掲載マンガのほとんどは最初の2~3話が無料なので、いろいろな作品を試し読みしたい、気になる作品を見つけたい、など、ひとまず乱読したい方にオススメだ。
23時間待って地道に0円で読み進めるか、コインチャージで一気読みするか。自分に合った方法で充実した「おうち時間」のお供にしてもらいたい。