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片山修のずだぶくろトップインタビュー 第4回 八郷隆弘氏(本田技研工業 代表取締役社長執行役員)後編
「とんがりを失った」ホンダ、完全復活の予兆…過去と決別の「聖域なき経営改革」断行

ホンダは2015年3月期以降の2年間に、タカタ製エアバッグ問題の関連費用5560億円を計上して一定のメドをつけ、今、回復基調にある。
15年12月には、ホンダジェットの顧客引き渡しが開始されたほか、16年には米欧日でスーパースポーツカーの新型「NSX」を発売。ブランドイメージを高めると同時に、17年3月期の営業利益は前期比19%増の6000億円を見込むなど、業績も堅調だ。
しかし、国内市場は500万台を切り、低迷する。国内自動車メーカーは、今ひとつ勢いに欠ける印象だ。完全復活へ、ホンダはいかに取り組むのか。ホンダ社長の八郷隆弘氏に話を聞いた。
課題は組織にある
片山修(以下、片山) 今年4月の組織変更では、研究所の体制を変更しました。従来、ホンダの四輪開発は、モデルごとの開発責任者であるLPL(ラージ・プロジェクト・リーダー)が大きな権限を持っていました。今回、そのうえに「ホンダ」「ホンダスモール」「アキュラ」の各商品開発責任者、「ホンダ」「アキュラ」の各デザイン責任者、完成車の走りの責任者をつけ、それらの横に管理の責任者という7つのポストを設けました。
八郷氏(以下、八郷) 機種開発をきちんと進めるためです。地域専用車を強化するなかで、グローバル車がおろそかになっていたことはすでに触れました。開発、デザイン、走りに責任者を置くということは、つまり、たとえば北米からも、日本を考えたクルマづくりをするということです。
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UPDATE:11:30