円高ドル安時代の海外通販
皆さんは、海外通販を利用したことがあるだろうか。
筆者はアメリカに10年ほど暮らしていた経験があるため、帰国後も時折アメリカの通販店に商品を注文してきた。特に、1ドル80円台の円高時代は、たとえ電気製品でメーカー保証が受けられなくても、価格が日本で購入する半分以下に収まることも珍しくなく、十分に妙味があった。
もちろん、送料や税金(関税含む)は重要な部分であり、海外からの購入には適さないものもある。たとえば、大きく重い商品やかさばる商品では送料がネックとなる。また、関税が高く課せられる商品もあまり相応しくない。
これまで筆者は、衣料品、日用品、ブランド品、そして女性が購入するようなものを除いて、さまざまな商品を海外通販で購入してきたが、もっとも重要なことは「サービスの質」だと感じている。
たとえば、店側が本気で海外に販路を見いだそうと考えているのであれば、送料は安く収まる輸送手段を選ぶとともに、より安全でリーズナブルとされる電子決済サービスを利用することになる。アメリカに限らず、海外ではクレジットカード、小切手など、不正使用が多く、店側もその対策を講じなければならない。そのため、店側はそんなリスク対策に要する費用と、見込まれる海外向けの売上増を天秤にかけることになる。
筆者が利用してきた通販の中には、日本からの注文のみ、クレジットカードでの海外注文を受け付けるといった店舗がいくらかあった。もちろん、それは日本人が不正を行う頻度が極めて低いからである。
また、海外通販における代金の支払いは、アメックス(アメリカン・エキスプレス)でのみ可という店もあった。店側は割高の手数料を支払うことになるが、トラブル時の対応や補償が比較的厚いこともあり、筆者も海外通販用にアメックスを持っている。
ちなみに、以上のことは「サービスの質」に含まれるものの、店側がいわば事務的に準備すべきことである。実際には、もっと重要なことがある。それは、日本人が得意とする分野で、相手の気持ちに立った「おもてなし」や「真心」といったものになるのかもしれない。
サービスの質の違いがリスクとなる?
今から10年ほど前になるだろうか。筆者はアメリカのネット通販店からカーオーディオ用のアンプを購入したことがある。決して高価なものではなかったが、なかなか日本では入手できないもので、入手できても5万円程度する商品だった。そんな商品がセール品となっていて、送料・税金等を含めても1万5000円程度になっていたのだ。