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商品の破損や不着…杜撰トラブル多発のネット通販で、安心して激安買い物する方法

文=水守啓/サイエンスライター
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中国からのネット購入でも同じ?

 
 では、欧米諸国以外からの通販購入はどうなのだろうか。近年では、中国が海外向けのネット通販に力を注いでおり、圧倒的な安さで急成長している。

 たとえば、日本のアマゾンにおいても、さまざまな国の業者が出品している。中国からの出品者も多く、筆者も利用したことがある。概して商品は2~4週間程度で送られてくるが、注目すべきは価格と送料である。筆者が時折注文する電子部品類の価格はひとつ数十円から百数十円ほどのものが多いのだが、それらが送料無料なのだ。国内の通販を利用すれば、送料のほうが何倍にもなってしまう価格帯のため、気長に待つことができればお買い得となる。送料無料のカラクリはよくわからないが、香港とマレーシアを経由して来ることもあった。

 ここで、中国の通販利用者が増えるとともに、トラブルも多く発生しているといわれる。具体的には、注文した商品が届かない、ニセモノやキズモノが届くなどである。だが、ほとんどの場合、店(出品者)の信頼性や商品の品質に関しては、過去の購入者による評価とレビューが参考になり、リスクは低減できる。

 筆者は大手アリババグループが運営するAliExpressでも買い物を行うことがある。便利な決済システムやセキュリティー面では評価が高いサイトである。購入者が商品を受け取ったことを連絡してはじめて店側に代金が支払われるシステムになっている。

 通常の輸送手段を選べば、多くの商品はやはり2~4週間程度を要して送料無料で送られてくる。アマゾンにおける海外出品者と同様、筆者は店(出品者)の評価とレビューを見て注文を行っているため、これまで大きなトラブルは体験していない。

 ただ、世界共通と思われるが、主なリスク要因は商品の取り扱いにあるように思われる。つまり、購入者が注文商品を満足いく状態で受け取れるような配慮=「サービスの質」が問われ、その一面は梱包状態から伺い知ることができる。

 去る11月11日、中国では「独身の日」とされ、大規模なバーゲンセールがあった。これは、アメリカにおける感謝祭後の売り上げをわずか1日で上回る規模で、その過熱ぶりはテレビ報道でご存知の方も多いだろう。テレビの密着取材でも取り上げられたが、運送システムが未発達な中国においては、小包を投げて仕分けするなど、運送業者による商品の取り扱いは実に粗雑なものだった。

 かつて筆者が渡米した当時、中国人の経営するファストフード店で、食べ物が入った皿やトレーが客に投げ渡されるのを見てびっくりしたことが思い出されるが、壊れやすい商品の注文は避けたほうが無難かもしれない。また、不良品の混入率はやや高めと理解しておく必要もあるだろう。

利用時の一工夫

 筆者が電子部品等を購入する際は、同一店から単体で1個のみ注文するように心がけている。なぜなら、多くの場合、軽く小さな商品1個がいわゆるプチプチを使ってぐるぐるに包装されるため、粗雑な扱いでもそれほど問題とならないからである(もちろん、送料無料が多いため、まとめ買いをする必要はない)。

 一方、同一店から複数の商品を注文すると、たとえば、壊れやすい商品を個別に包装してから一緒にするのではなく、ぶつかり合う状態で一緒にしてから梱包されてしまう可能性がある。そうなると、プチプチの内側で互いに擦れ、ぶつかり、商品が破損するリスクが生じる。自分が欲しいと思うものを、店側はどのように梱包するだろうかとイメージすることは大切である。

 以前、2つのパーツで構成された電子部品をAliExpressを通じて購入したことがある。それは、セット品として切り離せないものだったため、リスクは覚悟していたのだが、やはり、部品同士が輸送中にぶつかり、実用上の問題はなかったが、片方の部品(プラスチックパネル)表面にヒビが入って到着した。ただ、受け取った商品の写真を撮って店側に見せたところ、次回の注文においてディスカウントを得るということで話はまとまった(さすがに返送料を負担してまで交換する気にはならなかった)。

 通販においては、もしもの際に店側とのコミュニケーションは必須である。不明な点を事前に質問してみれば、店側の対応も伺い知ることができる。多くのトラブルはコミュニケーション不足によって生じる。英語でのやり取りに不安のある方は避けたほうが良いかもしれないが、欲しいと思う商品がどのように梱包・発送されるのか、想像力を働かせることのできる方であれば、商品によってはリスクを抑えて賢いショッピングは可能である。ちなみに筆者には無縁だが、ブランド品の購入には注意が必要と思われる。

 とはいえ、出品者側の意識(サービス)の向上と、購入者側の不安感の払拭にはしばらく時間を要すると思われ、多くの日本人が中国を含めた海外から直接商品を購入するようになるとは思わないが、ショッピングに国境を意識しない状況が訪れるようになるのは決して遠い未来ではないだろう。
(文=水守啓/サイエンスライター)

【水守 啓(ケイ・ミズモリ)】
「自然との同調」を手掛かりに神秘現象の解明に取り組むナチュラリスト、サイエンスライター、リバース・スピーチ分析家。 現在は、千葉県房総半島の里山で農作業を通じて自然と触れ合う中、研究・執筆・講演活動等を行っている。
著書に『底なしの闇の[癌ビジネス]』(ヒカルランド)、『超不都合な科学的真実』『超不都合な科学的真実 [長寿の秘密/失われた古代文明]編』『宇宙エネルギーがここに隠されていた』(共に徳間書店)、 『リバース・スピーチ』(学研プラス)、『聖蛙の使者KEROMIとの対話』(明窓出版)などがある。ホームページ: http://www.keimizumori.com/

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