「令和の『めぞん一刻』」との呼び声も高い人気ラブコメ漫画『彼女、お借りします』がアニメ化(MBS・TBS系)され、人気を博している。
人生初の彼女である七海麻美(悠木碧さん)にあっさり振られた主人公・木ノ下和也(堀江瞬さん)は、さびしさを埋めるために有料で彼氏気分を味わうことができる「レンタル彼女」に申し込む。そして、待ち合わせ場所に美少女・水原千鶴(雨宮天さん)が現れたことから、物語は動き出す。
レンタル彼女の千鶴、元カノの麻美とのラブコメ展開や、次々と登場するかわいらしい女性たちの桜沢墨(高橋李依さん)や更科瑠夏(東山奈央さん)にも期待が集まる。
大東建託のグループ会社である大東建託リーシングは、この『彼女、お借りします』とタイアップし、同社が運営する賃貸住宅のお部屋探しブランド「いい部屋ネット」を通じて、さまざまな企画を展開している。異例のコラボレーション企画について、大東建託リーシング事業戦略室メディア戦略課の阿部将貴課長に話を聞いた。
特設サイトでオリジナル音声ドラマを公開
――コラボすることになった経緯から、教えてください。
阿部将貴氏(以下、阿部) お部屋探しの需要は1~3月が高く、その山を越えた後、どのようなプロモーションで「いい部屋ネット」がユーザーの選択肢に入り続けていくかが課題でした。アニメ・声優業界はとても勢いがあり、注目度も高いので、そうしたコンテンツとのコラボを企画検討していたところ、『彼女、お借りします』の制作委員会からタイアップのお話をいただきました。
賃貸住宅のお部屋探しは20~30代の方々がメインターゲット層であり、将来に向けて、若年層への認知度をさらに高めることが課題でした。そこで、出演される声優さんのSNSフォロワーなどを分析すると、10代後半から20代の方々が多く、魅力的なコラボをすることで「いい部屋ネット」の訴求につながるのではないかと考えました。
――アニメの舞台は練馬区、板橋区周辺で、主人公とメインヒロインがアパートで隣り合わせという設定ですね。
阿部 そうした設定自体が、お部屋探しに通じるものがありますね。部屋がたくさん映ることにより、アニメを楽しんでいただきながらお部屋探しについて考え直してもらう、いい機会になると思います。
――特設サイトを開設し、お部屋探しをテーマとしたオリジナルの音声ドラマを公開していますが、反響はいかがですか。
阿部 第1弾の水原千鶴、第2弾の木ノ下和也の音声コンテンツがすでに公開されており、他のヒロインの音声コンテンツも順次、公開予定です。ドラマの中では「いい部屋ネット」の公式キャラクター「いいへやラビット」に登場人物がお部屋探しの相談をし、「いいへやラビット」が立地や防犯などの要望やこだわりに応えながら、部屋を紹介していきます。ドラマの公開をツイッターで通知したところ、初日だけで再生回数が1万を超えるなど、好評をいただいています。
――コラボによる宣伝効果は大きそうですね。
阿部 ターゲット層の興味・関心が高いという点では、非常に効果的だと感じています。『彼女、お借りします』は先行動画の視聴回数も多く、ツイッターで盛り上げていく動きも強かったので、10~20代のファンの方々に効果的に訴求することができています。
また、日本のアニメやマンガ、ゲームに対して高い関心を示す外国人に対するPRとしても有効です。昨年、当社は中国・上海に現地法人を立ち上げ、留学生の日本での住まいのサポートを強化しています。そこで、外国人の方々へのアピールの手段としても最適であると考えました。
――今後は、どのようなメディア戦略を検討されますか。
阿部 『彼女、お借りします』のような強力なコンテンツとのコラボは、ほぼ初めての試みでした。その成果を検証し、今後の施策に生かしていきたいと思います。お部屋探しを検討される一人ひとりが「いい部屋ネット」によいイメージを持っていただくことはもちろん、実際に「いい部屋ネット」を通じたお部屋探しでお客様に満足いただくことが大切です。
(構成=長井雄一朗/ライター)