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横浜・ハウステンボス・大阪が三つ巴の誘致「戦争」過激化!パチスロ大手はカジノ開業ラッシュ

文=編集部
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横浜・ハウステンボス・大阪が三つ巴の誘致「戦争」過激化!パチスロ大手はカジノ開業ラッシュの画像1ハウステンボス(「Wikipedia」より/JKT-c)

 カジノを含む統合型リゾート(IR)推進法が2016年12月15日に成立したことを受け、自治体はIR誘致に動き出した。地元経済の活性化と再開発の促進、観光振興などにつなげる狙いだ。

 かつては、東京・お台場がカジノ候補地の大本命と見られていた。石原慎太郎・都知事時代に、カジノを設置する構想が浮上したが、その熱気は消えた。東京都は、東京五輪に向けてやるべきことが山積しているからだ。小池百合子都知事は16年12月2日の会見で「どうすれば一番良いかたちでできるか、引き続き検討したい」と述べるにとどめた。

 東京都に代わって本命視されているのは横浜市だ。臨海部にある山下埠頭への誘致を念頭に置いており、年間4144億円の経済効果を見込む。

 大阪府と大阪市は、臨海部の人工島「夢洲(ゆめしま)」を候補地に決定した。年間7600億円の経済効果があると試算する。

 長崎県は、佐世保市のテーマパーク・ハウステンボスへの誘致を目指している。年間経済効果は1813億円、観光客が320万人増加するとソロバンを弾く。

 一方で、誘致を断念した自治体もある。沖縄県は沖縄振興策という政治的思惑からカジノの有力候補地だったが、辺野古への基地移設に反対する翁長雄志知事が就任し、カジノの誘致を中止した。

本命は日本金銭機械、対抗はグローリー

 お台場が大本命だった頃、“カジノ関連銘柄”の中心はフジ・メディア・ホールディングスだった。また、山下埠頭は京浜急行電鉄、夢洲は南海電気鉄道、ハウステンボスは親会社のエイチ・アイ・エスが、“連想ゲーム”でカジノ関連銘柄と呼ばれている。

 一方、株式市場が正真正銘のカジノ関連銘柄とみなしているのはどこか。

 16年12月2日の東京市場でカジノ関連株が急伸した。この日の株価の動きを見れば、投資家がどの銘柄をカジノ関連と認定しているかがわかる。

 この日、日本金銭機械は1750円の高値を付けた。年初来安値の737円(16年7月8日)の2.3倍だ。紙幣識別機や硬貨計数機など、貨幣処理機メーカーの大手。ATM(現金自動預け払い機)、券売機、精算機に使われている。米国のカジノ向けでもシェアを拡大している。

 オーイズミの株価は年初来高値の910円に上昇。年間安値の356円(16年7月8日)の2.5倍となった。同社はパチスロのメダルを数える計数機メーカーの大手で、パチンコ・パチスロの玉貸機等を製造している。

 カジノ解禁が伝わるたびに買われたのが、グローリーである。最高値は3980円だが、直近でも3600~3700円台と高値圏のままだ。同社は、銀行の預金を管理する硬貨・紙幣処理機で国内7割のシェアを持つ。12年には同業で世界首位の英タラリス・トプコ社を買収し、欧米でも5割強のシェアを握っている。日本金銭機械を本命とすれば、グローリーが対抗といった位置付けだ。

 テックファームホールディングスは、日本金銭機械の米国子会社と提携して携帯電話を利用した決済システムを開発。カジノ向けに決済サービスを行っている。システムの受託開発が主力だ。

 カジノ施設の運営では、パチスロ大手のユニバーサルエンターテインメントが先行する。16年12月、フィリピン・マニラでカジノリゾートをプレオープンした。ホテル1000室と500のゲームテーブルを擁するフィリピン最大の複合施設となる。

 また、パチスロ大手のセガサミーホールディングスは17年4月、韓国・仁川にカジノを開業する。

 このように、カジノ関連銘柄はあまたあるが、カジノが解禁になった割には盛り上がりに欠ける。なぜならば、業績に寄与するのは早くてもカジノが開業する20年以降になるからだ。しかも、利益への寄与度は営業利益の5~10%程度にとどまるといわれている。
(文=編集部)

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